コロナウイルス感染症拡大により、世界的に経済活動が停滞する中、トヨタ自動車は先日発表した今年度の業績見通しを上方修正し、最終的な利益を約2倍に引き上げ、早くも立ち直りを見せています。その原動力となっているのはトヨタの豊富な車種ラインアップです。ここではファミリーカーの主力モデルであるトヨタのミニバンの魅力について、自動車評論家の萩原文博さんのおすすめ度付きで紹介しましょう。
ミニバン販売台数ランキングのTOP10のうち7車種がトヨタ車
■2020年度上半期(4~9月)ミニバン販売台数ランキング(*軽自動車を除いた乗用車全体50位以内)
順位 | 車名 | ブランド名 | 台数 | 前年比 | ボディタイプ |
---|---|---|---|---|---|
1 | アルファード | トヨタ | 44,311 | 132.3 | ラージミニバン |
2 | フリード | ホンダ | 32,393 | 74.5 | コンパクトミニバン |
3 | セレナ | 日産 | 30,135 | 65.6 | ミドルミニバン |
4 | ヴォクシー | トヨタ | 29,020 | 63.6 | ミドルミニバン |
5 | シエンタ | トヨタ | 27,736 | 49.9 | コンパクトミニバン |
6 | ノア | トヨタ | 19,863 | 71.9 | ミドルミニバン |
7 | ステップワゴン | ホンダ | 15,612 | 59.4 | ミドルミニバン |
8 | エスクァイア | トヨタ | 11,425 | 54 | ミドルミニバン |
9 | ヴェルファイア | トヨタ | 8,048 | 45.3 | ラージミニバン |
10 | ハイエースワゴン | トヨタ | 4,165 | 70.1 | ラージミニバン |
11 | オデッセイ | ホンダ | 4,075 | 53.6 | ラージミニバン |
12 | デリカD5 | 三菱 | 3,685 | 42.5 | ラージミニバン |
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表した2020年度上半期(4月〜9月)の新車販売台数ランキングを見てみると、トヨタ車はベスト10に7車種もランクインしています。さらにミニバンに絞って販売台数ベスト10を見てみても、1位のアルファードをはじめ、4位ヴォクシー、5位シエンタ、6位ノア、8位エスクァイア、9位ヴェルファイア、10位ハイエースワゴンの7車種がランクイン、ほぼ独占している状況です。
しかも最も販売台数が多いのが、新車価格の高いアルファード。そして激戦区の2Lミドルクラスでも車名別では日産セレナがトップですが、ヴォクシー、ノア、エスクァイアを合計すると圧倒的な差を付けています。コンパクトミニバンこそシエンタは昨年マイナーチェンジを行ったホンダフリードの後塵を拝しましたが、ミニバンマーケット全体でもトヨタ車は圧倒的な存在感を見せつけています。ランクインしていませんが、全長5mを超えるグランエースを設定するなど幅広いニーズに応える充実したラインナップも魅力です。
トヨタのミニバン8車種(アルファード、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、エスクァイア、シエンタ、グランエース、ハイエースワゴン)おすすめ度ランキング
「アルファード」(ラージミニバン:おすすめ度★★★★★)
●352万~775.2万円 ●全長4950 mm、全幅1850 mm、全高1950 mm
大きなミニバンではなく、新時代の高級車として開発されたラージサイズミニバンのアルファード。最近では政治家の乗るクルマの定番となっています。室内は動くリビングルームのような豪華さが特徴で、若い人でも欲しいと憧れるクルマです。
「ヴェルファイア」(ラージミニバン:おすすめ度★★★★★)
●352万~775.2万円 ●全長4950 mm、全幅1850 mm、全高1950 mm
アルファードの兄弟車で、アルファードよりも若い年齢層に向けたデザインを採用し押し出し感を強めたフロントマスクが特徴です。フロントマスクが違うだけで、搭載されるパワートレインや装備はすべて同じ。薄いヘッドライトを採用したチョイ悪な顔付きが好みならばヴェルファイアがおすすめです。
「ハイエースワゴン」(ラージミニバン:おすすめ度★★★)
●288.6万~268.4万円 ●全長4840 mm、全幅1880 mm、全高2105 mm
日本のみならず、世界で人気が高いトヨタ車の1台がハイエースです。現行型ハイエースは2004年登場で、すでに16年も販売しているロングセラーモデルですが安定した人気を誇ります。ハイエースワゴンは10人乗りに加えて14人乗りのコミューターも用意。ホテルなどの送迎用にも活躍しています。また、ハイエースワゴンはカスタマイズのベース車として人気です。
「グランエース」(ラージミニバン:おすすめ度★★)
●620万~650万円 ●全長5300 mm、全幅1970 mm、全高1990 mm
2019年11月から販売開始された5mを超える大きなボディが特徴のミニバンがグランエースです。こちらはアジア圏で販売されているビジネスモデルのハイエースをベースとしたモデルで、3列6人乗りと4列8人乗りを用意。室内の広さを求める人にピッタリです。
「ヴォクシー」(ミドルミニバン:おすすめ度★★★)
●281.38万~344.3万円 ●全長4710 mm、全幅1735 mm、全高1825 mm
現行型ヴォクシーは2014年に登場。今年の4月以降、エアロパーツを装着した3ナンバーのスポーティモデルのみとなりました。トヨタミニバンの中心車種でガソリン車とハイブリッド車を用意。さらに快適装備を充実させるなど人気車に相応しい実力を備えています。小さなお子さんのいるファミリーにピッタリのクルマです。
「ノア」(ミドルミニバン:おすすめ度★★★)
●255.64万~344.3万円 ●全長4710 mm、全幅1735 mm、全高1825 mm
ヴォクシーの兄弟車で、こちらは5ナンバーの標準モデルとエアロパーツを装着した3ナンバーのスポーティモデルを用意しています。外観デザインは押し出し感の強いヴォクシーと比べると上質感を追求したデザインとなっています。グレード構成はヴォクシーとまったく同じで、小さなお子さんのいる2世帯家族までならばこのクルマ1台でこなせます。
「エスクァイア」(ミドルミニバン:おすすめ度★★★)
●296.34万~346.06万円 ●全長4695 mm、全幅1695 mm、全高1825 mm
ヴォクシー/ノアの兄弟車として登場。大きな縦長のフロントグリルはアルファードを彷彿させていて、3兄弟の中では上質さに拘ったモデルです。このエスクァイアにエアロパーツ装着車は設定されておらず、5ナンバーのみ。しかし合成皮革を使用したグレードを設定するなど、高級車からのダウンサイザーにも対応しています。
「シエンタ」(コンパクトミニバン:おすすめ度★★★★★)
●180.95万~258万円 ●全長4260 mm、全幅1695mm、全高1675 mm
トヨタのミニバンラインアップのエントリーモデルとなるのがシエンタです。全長4260mmというボディの中に3列シートをレイアウトした優れたパッケージングが魅力です。ガソリン車とハイブリッド車を用意していますが、子供の送り迎えなどに使用されることが多く価格の安いガソリン車が人気です。コンパクトなボディは狭い場所での操作性も抜群です。
トヨタのミニバンを選ぶ上で気になる3つの疑問にずばり回答!
疑問1:アルファード/ヴェルファイアのベストチョイスは?ハイエースワゴンやグランエースは代わりにならないの?
アルファードとヴェルファイアはフロントマスクのデザインが異なる兄弟車です。先代モデルではヴェルファイアの方が人気でしたが、現行モデルでは逆転しアルファードの方が圧倒的な人気を誇ります。両モデルともに2.5L直4、3.5V6のガソリン車そして2.5Lエンジン+モーターのハイブリッド車という3種類のパワートレインを用意しています。
この中でベストチョイスは2.5L直4です。静粛性やパワーでは3.5Lやハイブリッドに譲りますが、コストパフォーマンスに優れているからです。3.5LV6エンジンの使用燃料はハイオクですし、ハイブリッド車は車両本体価格が非常に高い。2.5Lガソリン車との価格差を燃料代でカバーするには相当な走行距離を走らないと回収できません。加えて、手放す時のリセールバリューも実は2.5Lガソリン車が一番高いのです。理由は税金面など維持費のメリット。したがってアルファード/ヴェルファイアのベストチョイスは2.5L直4のガソリン車です。
そして、ハイエースワゴンやグランエースはアルファード/ヴェルファイアの代わりにならないかという点では、単刀直入に言ってなりません。ハイエースワゴンやグランエースはビジネスモデルがベースの車両なので、快適性や安全装備などで大きく差が付いているからです。
疑問2:いまノア/ヴォクシー/エスクァイアを選ぶ理由は?セレナやステップワゴンと比べてどうなの?
ミニバンの中でも最も激戦区となっているのが、2Lミドルサイズです。ヴォクシー/ノア/エスクァイアの3兄弟に対して、日産セレナ、ホンダステップワゴンが立ち向かいます。現行型のヴォクシー/ノア/エスクァイアは2014年に販売開始され、2015年のステップワゴン、2016年のセレナと比べるとモデルライフが経過しており、2021年にはフルモデルチェンジが噂されています。カローラやRAV4などの出来の良い最近のトヨタ車の基準からすると旧世代という感は否めません。
このタイミングでヴォクシー/ノア/エスクァイアの新車を選ぶ理由は値引き額の大きさだけです。先進の運転支援システムでもセレナ、ステップワゴンに見劣りしますし、利便性もライバル2車ほどおもてなしはありません。多くのユーザーに支持されているポイントはスタイルも含めて最もコンサバ、無難なミニバンという点なのかもしれません。装備が充実した特別仕様車が大幅値引きにより、ライバル車より割安な価格で手に入るのは小さいお子さんのいる家族には最大の魅力です。
疑問3:シエンタはノア/ヴォクシーの代わりになるの?
シエンタの全長は4260mm、ヴォクシー/ノアは全長4695mmでその差は435mm。この数字の差がキャビンスペースの広さに直結します。したがって室内空間の広さ。特に3列目シートの居住性、ラゲージスペースの広さという点においてはシエンタがノア/ヴォクシーの代わりには絶対なりません。
ただ、シエンタはサードシートがセカンドシートの床下に収納できるなどスモールサイズならではの利便性の高さを実現しています。ボディサイズが小さいため、狭い道でも運転しやすいですし、車庫入れなども手軽に行えるのはシエンタならではの魅力です。さらに、ファンベースという2列シートモデルをシエンタはラインアップしていますので、小さなお子さんの乗り物などを載せるという人には、むしろこちらの5人乗りのファンベースがおすすめです。
カーリースなら高いミニバンに思ったよりも低い金額で乗れるかも(カルモくんからのお知らせ)
さて、ここでカルモくんからのお知らせです。ここまで紹介してきたトヨタのミニバンの中には、アルファードやヴェルファイアのような高額な車種もありました。しかしそんな高級ミニバンでもカーリースを利用することで、思ったよりも低い月々の支払いで乗ることも可能になるかもしれません。
カーリースは、リース会社が所有する車を定額制で利用できる新しい車の利用方法です。リース料には各種税金や手数料などが含まれているので、頭金も初期費用も必要なく、定額料金だけで車に乗ることができます。
数あるリース会社の中でも、月額10,000円台から新車に乗れるカーリースの「定額カルモくん」なら、次のようなメリットでよりお得にカーライフを楽しめます。
〈定額カルモくんのメリット〉
- 国産全車種全グレードから自由に選べる
- メーカーオプションやディーラーオプションも新車購入と同様に選択可能
- 車選びから申込みまでオンラインで完結
- 納車時は自宅まで届けてくれる
- 時には3ヵ月ほどかかる納車期間が、車種によっては最短4週間の即納が可能
- 契約期間は1年から業界最長の11年(2020年3月、定額カルモくん調べ)のあいだで、1年単位で好きに選べる
- 安心のクローズドエンド方式で、返却時に追加料金の心配もナシ
- 全国30,000店舗以上の提携大手事業者でメンテナンスが受けられる
- 毎年の自動車税(種別割)、車検時の法定費用や自賠責保険料なども定額料金にコミコミ
- メンテナンスプランをつければ、車検基本料や一部消耗部品の交換費用も定額にできる
- メーカー保証と同程度の延長保証や返却時の原状回復費補償のついたプランもアリ
- 一定条件を満たせば、契約満了時に車がもらえる
- 電話やメール、LINEなどでマイカーコンシェルジュに気軽に相談できる
「おトクにマイカー 定額カルモくん」を利用すれば、乗り始めの費用や維持費を抑えながら、お気に入りのかわいい車に乗ることも可能になります。
ユーザーのニーズに応えるトヨタのミニバン
ラージサイズからスモールサイズのミニバンの全クラスで圧倒的な人気を誇るトヨタ。その人気の理由は各クラスにおけるユーザーのニーズを的確に捉えていることが挙げられます。そういったマーケティングリサーチの精度の高さがトヨタミニバンの商品力に活かされているのです。
※記事の内容は2020年12月時点の情報で制作しています。