ホンダS660という軽自動車スポーツカーの居住性、内装、実用性は?

ホンダS660という軽自動車スポーツカーの居住性、内装、実用性は?

最近は、スポーツカーといえども、サーキットや峠道を走るだけではなく、普段使いができる、実用性があることも求められています。これは、2シーターの軽自動車であるS660も例外ではありません。
ここではS660の居住性、内装、実用性などについてご紹介していきます。
それでは、軽自動車のカテゴリに分類されるスポーツカーのホンダS660はどうなのでしょうか。S660の実燃費や乗り心地、走行性能を見ていきたいと思います。

S660の屋根は、あのNSXよりも低い!

最近は軽自動車でも車内が広々としたデザインのものが増えています。その点、S660はそうしたトレンドの対極にある車と言えます。

まず、座席は運転席と助手席の2つしかありません。いわゆる「2シーター」の車で、後部座席はありません。2+2とよばれる4人乗りのスポーツカーのジャンルがありますが、S660はピュアスポーツカーとして企画されたこともあり、硬派な2人乗りです。ですので、S660は「家族みんなで乗る車」としてはおすすめできません。

S660の屋根は、あのNSXよりも低い!

また、特筆しなければならないのは屋根の低さです。S660の地上から屋根上までの高さ、つまり全高は1,118mmで、なんと1,200mmを切っているのです。これは純正状態という括りでは国産車で最も低い値です。

ちなみに、ホンダが2016年に発売した高級スポーツカーの新型NSXもとても低い車として有名ですが、それでも1,215mmですから、さらに約10cm低いことになります。
高身長の方は、一度、実車のS660の運転席に座ることをおすすめします。
ちなみに、身長175cmの筆者は乗り降りするときに頭をぶつけました。S660への乗り込みは、車外からお尻をまず座席に置いて、車に対して横向きに腰掛けて、そこから頭と足を車内にしまう感じにするとスムーズです。
降りる時はその逆で、足と頭を先に車外に出して、その後、お尻を車外に引き出す感じです。普通の車のように体全体を一度に出し入れしようとすると頭をぶつけやすいのです。

ドライビングポジションの調整機構や室内からの視界をチェック

ドライビングポジションの調整機構や室内からの視界をチェック

乗り込んで思うのは、前述した「屋根の低さ」に加えて「左右のスペースも狭い」ということでしょう。
ただし、これをネガティブに捉えるのではなく、「スポーツカーらしいタイトな空間」と考えられるのであれば、あなたはS660に向いているといえます。

さて、運転席に座って、まずやることと言えばドライビングポジションの設定だと思います。S660にはステアリングのチルト機能は備わっているので上下位置調整は細かく行えます。しかし、テレスコピック機能はないので、ステアリングの前後位置調整はできません。となると、ドライビングポジションの前後調整は運転席側の位置調整で行うことになります。

S660の足の位置

S660には後部座席スペースはありませんが、運転席、助手席とも前後にわずかに動かせます。なお、座席を前に移動したときにできる若干の後ろスペースに対してシートバックを少しだけ傾斜させることもできます。ですので、高身長の方ならドライビングポジションは難なく決まるかと思います。

実際に乗ってみて感心したのは、車内スペースは小さいものの、運転席も助手席も足のほうは普通の軽自動車並みに伸ばすことができる点でした。特に運転席の足元のクラッチ、ブレーキ、アクセルペダルは運転者の両足を真っ直ぐ伸ばした先にちゃんと配置されていて、よくできていると思いました。

というのも、運転席の前方は前輪が配置されている関係で、そうしたフットペダル群が車体中央側へオフセットされてしまっている車種が少なくないのです。また、S660ではクラッチペダルの左側に広いフットレストがあるのもすばらしいと思いました。「あたりまえのことを」と言われそうですが、実は軽自動車スポーツカーでは、車種によってはマニュアル仕様においてフットレストがないモデルもあるのです。

S660の視界

S660は、全高が低く、運転席前のAピラーの傾斜もかなり鋭角になっているので、前方視界もかなり低めになります。また、後方視界はかなり限定的となります。
サイドミラーは横方向に視界が広く設定されているので不満はないでしょう。しかし、バックミラーから見える視界は想像よりは悪くないのですが、合流時や車線変更の際に目視が必要になる斜め後方の視界はかなり限定的になっています。

S660

S660の収納

車内スペースが狭く、そしてタイトな「いかにもスポーツカー」といったS660の車内ですが、収納性も気になるところかと思います。しかし、これもやはり最低限です。物を置くスペースはほとんどありません。

室内の収納スペース

物が置ける所を思いつくままに挙げていくと以下のようになります。

  • まずドアの室内側の側面にコインなどを入れておく小さなポケット
  • センターコンソールの最下部は窪んでいるので、小物置きに使えなくはありません
  • サイドブレーキの脇にはスマホが置けそうなコンソールポケット
  • サイドブレーキの後ろには浅いコンソールトレー
  • 1人分のドリンクホルダー
  • 助手席側にはグローブボックス(取扱説明書や車検証などを入れてしまうと他にはほとんど何も入りません)
  • 助手席のシートの背面にはシートバックポケット

実際にS660を所有している知人に聞いたところ、よく困ったのが駐車券などの置き場所だそうです。
一般的な車だと、サンバイザーの部分にカードが入るくらいのポケットやホルダーバンドが組み付けられていますが、S660のサンバイザーはとても小さくそういった機構はありません。ですので、駐車券はドアポケットに入れておくしかないのですが、ドアの開閉時に風が吹き込んだ際に飛ばされてしまうリスクもあります。

S660の最大の難点はラゲッジスペースがないこと

S660は座席後方にエンジンを搭載しているため、エンジンルームは後ろにあります。ですので、リアトランクはありません。では、フロントはどうなのか。

フロントには、小さな収納ボックスが設置されています。ここには小振りなスポーツバッグを1ついれることはできます。ただ、この収納ボックスは、本来はS660の幌屋根を収納することを想定したもので、S660をオープンで楽しみたい場合には、ここにはその幌屋根を収納することになります。

S660の最大の難点はラゲッジスペースがないこと
フロントに大きなトランクスペースを設けることができなかったのは、サスペンション形式を独立懸架式にしたこと、そして、エンジンを後方に設置しながらもラジエターを普通車と同様にフロントに配置しているためです。

独立懸架式サスペンションは、その設置のために広い立体的な設置スペースを必要とします。そしてエンジンを後方に設置したミッドシップレイアウトは車体の前後重量バランスに優れる走行性能の向上に貢献しますが、一方で走行風を積極的に取り入れるのが難しい構造となり、一部の冷却機構はフロントに配置せざるを得ないのです。

こうした理由で、S660は、エンジンが後ろにありながらも、フロントセクションもそれほど広いトランクスペースが確保できなかったのです。

一人乗りの屋根付きバイクとして割り切ればOK

まとめるとS660は、走行性能優先で本格的なスポーツカーとして設計されていることもあり、ユーティリティ性にはかなり妥協しているところがあります。
とはいえ、それはいずれ慣れてしまうものです。「みんなでいっしょに移動する」「みんなで活用する」といった目的の自動車として評価するとS660はあまりにも実用性が低いのですが、「1人乗り前提」で評価するとそれほど悪い車でもありません。

1人で乗る場合は、足りない収納スペースは助手席スペースを積極活用することで賄えます。もしS660を「屋根付きの1人乗り4輪バイク」として捉えると、かなり実用性の高い車だと思います。

※記事の内容は2019年3月時点の情報で執筆しています。

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