【試乗記】「ホンダシャトル」初のマイナーチェンジを受けた小型ステーションワゴンの実力チェック

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今や5ナンバーのステーションワゴンは絶滅寸前

歩行者保護のクラッシャブルゾーンの確保やグローバルモデルとのプラットフォームの共有化により、国産車のボディサイズはどんどん拡大しています。その結果、日本の道路事情に合った全幅1,700mm以下の5ナンバーサイズ車は減少しています。その中でもコンパクトなボディサイズにもかかわらず広いラゲッジルームを確保した5ナンバーサイズのステーションワゴンは日産ウイングロードがすでに生産終了、年内に登場予定のトヨタカローラフィールダーの次期モデルは3ナンバーサイズとなるといわれています。そうなると5ナンバーサイズの国産ステーションワゴンは今回紹介するホンダシャトルだけとなってしまいます。

ホンダシャトルは2015年5月に登場しました。コンパクトカーのベストセラーモデル、ホンダフィットをベースとしたステーションワゴンです。5ナンバーサイズの取り回しの良いボディは5人乗車時に570L、後席を倒した時は最大1,141Lというラゲージスペースを実現しています。

よりシャープな印象を強めた外観

そのシャトルが2019年5月に初のマイナーチェンジを行い、商品力に磨きをかけました。外観はシャープで流麗なデザインをコンセプトに、前後バンパーとフォグランプの形状を変更、さらにテールゲートとリアコンビネーションランプのデザインを一新しています。また、アウタードアハンドル、フロント・リアバンパー周り、そしてサイドシルモールなど随所にクロームメッキパーツを採用することで上質感も漂わせています。

上質になったインテリア、安全装備もアップデート

インテリアは、加飾に上品な光沢感のあるピアノブラックを採用しました。シートデザインを刷新するとともに、本革シートを設定し、仕立ての良さにもこだわりを見せます。

また、アレンジの多彩さで好評だったリアシートにはセンターアームレストにカップホルダーを追加し利便性を高めています。

全車に標準装備となっているホンダの先進運転支援技術「ホンダセンシング」は従来の8機能に加えて、オートハイビームを追加。前走車や対向車を検知してヘッドライトのハイ/ローを自動的に切り替え、夜間の良好な視界確保に貢献するとともに、切り替え操作の頻度の低減に努めています。また走りの質感を向上せるために、防音材の見直しを行い、静粛性を向上させたとしています。それでは、マイナーチェンジを行ったシャトルに試乗してみましょう。

全体的に高級感が高まった

試乗したのは、最上級グレードのシャトル ハイブリッドZ・ホンダセンシングの2WD車で、車両本体価格は255万9,600円となかなかのもの。デザインが変更されたフロントバンパーをはじめ、サイドモール、そしてドアハンドルなどにメッキパーツを採用したことで、従来モデルより高級感が高まりました。

装着している16インチアルミホイールはシルバーとグレーに塗り分けられたスポークタイプで走りの良さを主張しています。試乗車にはZグレードのみにオプション設定されている本革シートが装着され、シャトルの室内空間を高級車のような質感に向上させていました。

静粛性も乗り心地も改善された

搭載されているパワートレインは1.5L直列4気筒ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたスポーツハイブリッドi-DCDと呼ばれるハイブリッドシステム。7速デュアルクラッチトランスミッションが組み合わされ、JC08モード燃費は29.8km/Lという優れた燃費性能を発揮します。スターターボタンを押し発進すると、エンジン音やモーター音といった車外からの音の侵入が従来モデルと比べるとかなり抑えられていることに気付きます。その静粛性の高さは、走行中エンジンが始動しても、インパネ内の表示を見なければわからないほどの高いレベルのものとなっています。

静粛性とともに変化を感じたのは乗り心地の良さです。元々、シャトルはざらついた路面などで振動が小さいときは柔軟に吸収し、コーナリング時などの大きな動きには減衰力を高めることで乗り心地と操縦安定性を両立する「振幅感応型ダンパー」を採用しています。しかし、従来モデルはリアのサスペンションの動きが少々雑で、路面からの衝撃をダイレクトに伝えていました。しかし今回の試乗車はリアのサスペンションの安定感が高まっただけでなく、路面からの入力をしっかりと吸収しフラットな乗り味となりました。その結果乗り心地が良くなっただけでなく、ドライバーのハンドル操作にもしっかり反応し、運転していても楽しさを感じられるようになっています。

高速で重宝するACCの制御も進化

今回の試乗は東京から伊豆までの往復で行いましたが、カーブの続く山道を走行しても、ハンドル操作に素直にクルマが動いてくれるので、ストレスを感じるシーンはほとんどありませんでした。高速道路では運転支援システムのホンダセンシングをフル活用。東名高速のほとんどを、ACC(アダプティブクルーズコントロール)を使用して走行しましたが、これまでより前走車を認識した際のブレーキの掛け方や再加速する際の制御がよりドライバーの操作に近いフィーリングとなり快適に移動することができました。

ステーションワゴンの使い勝手の良さを再認識

5ナンバーサイズのステーションワゴンという貴重な存在のシャトルですが、ステーションワゴンに求められる積載性、使い勝手の良さ、そして走行性能、さらに充実した先進安全運転支援システムなどを持つ、隠れた実力派モデルといえるでしょう。

ホンダ シャトル価格表

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格
G・ホンダセンシング2WD(FF)22.0177万5520円
4WD18.8196万9920円
ハイブリッド・ホンダセンシング2WD(FF)33.2211万8960円
4WD27.8231万3360円
ハイブリッド X・ ホンダセンシング2WD(FF)32.4237万4920円
4WD27.8256万9320円
ハイブリッド Z・ ホンダセンシング2WD(FF)29.8255万9600円
4WD26.0272万1600円
萩原 文博

この記事の執筆者

萩原文博(はぎはらふみひろ)

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立。現在は日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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