車の燃費性能や環境性能は各自動車メーカーが激しく競い合っている部分でもあり、ここ数年の新型車の多くはある程度の燃費性能を備えているとはいえ、車種によって燃費性能に差があるのが事実です。一般的に長期間使用することになる車の燃費は、わずかな差でも積もり積もると大きな差になるため、車選びの際にはカタログ燃費、実燃費をしっかりと確認しておくことが大切です。
ここではスズキ「スペーシア ギア」の燃費について紹介します。
【この記事のポイント】
✔駆動方式別WLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
2WD | 19.8~21.2 | 17.5~19.0 |
4WD | 19.2~20.2 | 14.9 |
✔スペーシア ギアは全車にマイルドハイブリッドシステムを搭載
✔ライバル車であるホンダ「N-BOX」とほぼ同等の燃費性能
スペーシア ギアの燃費の特徴
スペーシア ギアは2018年12月に2代目スペーシアの派生モデルとして誕生しました。スペーシアの広い室内空間はそのままに、近年車の主流になっているSUVのスタイルを取り入れた軽ハイトワゴンです。
スペーシア ギアでは全車にマイルドハイブリッドシステムが採用されました。マイルドハイブリッドは減速時のエネルギーを利用して発電した電力をバッテリーに充電し、走行時のエンジンアシストとして使用したりエアコンやナビなどの電装品に利用したりすることでガソリンの消費を抑えるシステムです。
またブレーキペダルを踏んで約10km/h以下になると、自動でエンジンを停止する新アイドリングストップシステムを搭載していることでもガソリンを節約して低燃費を実現しています。
スペーシア ギアのカタログ燃費
スペーシア ギアには660ccのNAエンジンとターボエンジンの2種類がラインナップされています。いずれのエンジンも組み合わされるトランスミッションはCVTのみ、駆動方式は2WD、4WDが設定されています。
スペーシア ギアのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID XZ | 2WD | 21.2 |
4WD | 20.2 | |
HYBRID XZターボ | 2WD | 19.8 |
4WD | 19.2 |
スペーシア ギアの実燃費
現在、スペーシア ギアに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、スペーシア ギアの実燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
HYBRID XZ | 2WD | 17.5 |
4WD | データなし | |
HYBRID XZターボ | 2WD | 19 |
4WD | 14.9 |
WLTCモード燃費は「市街地」「高速道路」「郊外」と3パターンの数値を計測し、その3つの計測値を平均使用時間配分で構成した数値を採用しているため、これまで日本で使用されてきたJC08モード燃費よりも実燃費に近い数値が出るといわれています。
それでも実燃費とまったく差がないというわけではなく、1~1.5割程度は差が出るのが一般的です。その点を考えるとスペーシア ギアのカタログ燃費と実燃費の差は、ターボ2WD車は非常に小さく優秀といえるでしょう。ターボ4WD車は残念ながら平均値よりもかなり大きな差が見受けられます。
スペーシア ギアとライバル車のカタログ燃費を比較
ここでは軽SUVトールワゴンである三菱「eKクロス」、そして軽自動車の王者ともいえる人気を誇るホンダ「N-BOX」とスペーシア ギアのカタログ燃費を比較してみましょう。
三菱「eKクロス」
2019年3月に登場したeKクロスは三菱ならではのSUVテイストが魅力的な軽クロスオーバーSUV。高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT」を三菱として初採用するなど、高いレベルでの安全性能を備えているモデルです。全車にハイブリッドシステムを採用しています。
eKクロスのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
M | 2WD | 21.2 |
4WD | 18.8 | |
G | 2WD | 21 |
4WD | 18.8 | |
T | 2WD | 19.2 |
4WD | 16.8 |
スペーシア ギアとeK クロスの比較では、2WD車においてはほぼ同等、4WD車ではスペーシア ギアにメリットがあることがわかります。
ホンダ「N-BOX」
軽スーパーハイトワゴンの代表格ともいえるN-BOXは登場以来高い人気を誇るモデルです。広大な居住空間、ホンダ自慢の安全運転支援システム「Honda SENSING」の全車標準装備などが人気の理由として挙げられるでしょう。N-BOXはガソリンエンジンのみで、ハイブリッド車の設定はありません。
N-BOXのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
G | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
L | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
Lターボ | 2WD | 20.2 |
4WD | 19 | |
EX | 2WD | 21.2 |
4WD | 19.8 | |
EXターボ | 2WD | 20.2 |
4WD | 19 |
この燃費の数値からは、スペーシア ギアとN-BOXは、ほぼ同じ燃費性能であることがわかります。
スペーシア ギアの乗り心地
スペーシア ギアの乗り心地についても確認しておきましょう。
新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用
スペーシア ギアには高い剛性と軽量化を実現した新プラットフォーム「HEARTECT」が採用されています。構造や部品を従来のものから全面刷新し、アンダーボディ構造の最適化、サスペンション部品を骨格の一部として使用するなどの工夫を凝らして基本性能を向上させ、スムーズで安定した走りを実現します。
被害軽減(自動)ブレーキや各種警報機能などで安定した運転をサポート
スペーシア ギアには前方の車や歩行者を検知して衝突回避・被害軽減をサポートする被害軽減(自動)ブレーキのデュアルセンサーブレーキサポートや、車両のふらつきや車線逸脱の危険をドライバーに知らせる警報機能などが標準装備されています。
急ブレーキや急ハンドルの少ない、安定した快適な乗り心地を提供できるようドライバーの安全運転をサポートします。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でスペーシア ギアの走行性能を詳しくチェック!
ライバル車に引けを取らない燃費性能を備えたスペーシア ギア
スペーシア ギアの燃費性能はライバル車と比較しても遜色のないものといえるでしょう。
車の燃費性能は燃料費だけではなく、車に関する税金にも関わってきます。一定の燃費基準を達成している車は税金の軽減措置が受けられる時代なので、車選びの際は忘れずに燃費性能をチェックするようにしてください。
よくある質問
Q1:スペーシア ギアのカタログ燃費はどのくらい?
A:スペーシア ギアは全車にマイルドハイブリッドシステムを採用しています。スペーシア ギアのカタログ燃費はNAエンジン2WD車が21.2km/L、4WD車が20.2km/L、ターボエンジン2WD車が19.8km/L、4WD車は19.2km/Lです。
Q2:スペーシア ギアの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:スペーシア ギアの実燃費はNAエンジン2WD車が17.5km/L、ターボエンジン2WD車が19.0 m/L、4WD車が14.9km/Lです。WLTCモードは従来日本で使用されてきたJC08モード燃費よりも実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法ではありますが、それでもカタログ燃費と実燃費のあいだに1~1.5割程度の差が出るのが一般的であるため、ターボ4WD車においては非常に大きな差があるといえるでしょう。
Q3:スペーシア ギアの走行性能・乗り心地は?
A:軽量高剛性化し、アンダーボディ構造の最適化、サスペンション部品を骨格の一部として使用するなどの工夫を凝らした新プラットフォームの採用によって車の基本性能を向上させ、スムーズで安定した走りを実現しています。
※記事の内容は2021年2月時点の情報で執筆しています。