走りを追求するスポーツカーは、買い物や送迎、通勤など日常的に生活の足として使用する車とは違い、低燃費であることはそれほど重要視されません。しかし、どの程度の維持費が必要なのか目安をつけるために、燃費性能のチェックは欠かせないといえるでしょう。
ここでは、トヨタのFRスポーツカー「スープラ」の燃費性能について詳しく紹介します。
【この記事のポイント】
✔スープラのWLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) | 実燃費(km/L) |
---|---|---|---|
SZ | 2WD(FR) | 13.1 | --- |
SZ-R | 2WD(FR) | 12.7 | 9.8 |
RZ | 2WD(FR) | 12.0 | --- |
✔駆動方式はFRのみ、トランスミッションは全グレードが8速スポーツAT
✔スープラのカタログ燃費はライバル車の日産「フェアレディZ」を上回る
スープラのパワートレインの特徴
2019年5月に販売が開始された現行型のスープラは、2002年の4代目モデルの生産終了から17年ぶりに復活したことで大きな話題となりました。現行モデルはBMW社と共同開発されており、BMW「Z4」はスープラと基本コンポーネントを共有する兄弟車にあたります。
スープラの伝統といえるFR(後輪駆動)を採用しているのはもちろん、歴代モデルの伝統を継承する最高出力387ps、最高トルク500Nmを発揮する直列6気筒ツインスクロールターボエンジンに加え、直列4気筒ツインスクロールターボエンジンがラインナップされています。
なお、直列4気筒ツインスクロールターボエンジンには軽快なスポーツ走行を楽しめる最高出力258psを発揮するエンジンと、扱いやすい最高出力197psを発揮する扱いやすいエンジンなど、チューニングの異なる2種のエンジンの設定があり、乗り味や使用目的によってパワートレインが選べるのは現行モデルの特徴といえるでしょう。
トランスミッションは全グレードで8速スポーツATが組み合わされており、MT車の設定はありません。
スープラのカタログ燃費
スープラのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費(km/L) |
---|---|---|
SZ | 2WD(FR) | 13.1 |
SZ-R | 2WD(FR) | 12.7 |
RZ | 2WD(FR) | 12.0 |
スープラの実燃費
スープラに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、スープラの実燃費(2021年10月12日時点)は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 実燃費(km/L) |
---|---|---|
SZ | 2WD(FR) | --- |
SZ-R | 2WD(FR) | 9.8 |
RZ | 2WD(FR) | --- |
WLTCモードは「高速道路」「郊外」「市街地」と実際の走行環境に近い状態で燃費を計測するため、従来日本で使用されてきたJC08モードよりは実燃費に近い数値が出るといわれていますが、それでもカタログ燃費と実燃費の間には1~1.5割程度の差が生じることがほとんどです。その点を考慮すると、スープラのカタログ燃費と実燃費の差は平均値よりも差が開いているといえるでしょう。
スープラとライバル車のカタログ燃費を比較
スープラのライバル車としては、国産モデルでは日産「フェアレディZ」が挙げられるでしょう。ここでは、フェアレディZとスープラのカタログ燃費を比較してみます。
日産「フェアレディZ」のカタログ燃費
スープラと同じFRを採用する日産「フェアレディZ」。初代の登場は1969年と、半世紀以上の歴史を誇る日本を代表するピュアスポーツカーです。
フェアレディZのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | 燃費(km/L) |
---|---|---|---|
フェアレディZ | 2WD | 6MT | 8.5 |
7AT | 8.8 | ||
フェアレディZ Version T | 2WD | 7AT | 8.8 |
フェアレディZ Version S | 2WD | 6MT | 8.5 |
フェアレディZ Version ST | 2WD | 6MT | 8.5 |
7AT | 8.8 | ||
フェアレディZ NISMO | 2WD | 6MT | 8.4 |
7AT | 8.6 |
フェアレディZは3.7LV6の大排気量エンジンを搭載しており、スープラとは排気量が異なるため単純比較はできませんが、燃費の数値だけを見るとスープラがフェアレディZの燃費を上回っています。
スープラの走行性能
現行型のスープラは、アルミと鉄を用いた骨格構造の採用、異素材同士の接合強度を向上しボディの軽量化と高剛性化を両立させたことにより、スープラの持つ走りのポテンシャルを最大限に引き出します。
また前後重量配分は50:50を実現していることに加え、4輪のショックアブソーバーの減衰力を状況に応じて最適制御する「AVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)を採用」し、スポーツカーならではのドライビングフィールを実現しています。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でスープラの走行性能を詳しくチェック!
ピュアスポーツカーとしての走りが魅力のスープラ
FRスポーツカーのスープラは走りを追求するモデルであり、一般的なファミリカーのように燃費を追求するタイプの車ではありません。しかし燃料費は維持費の大部分を占めるため、車選びの際にはカタログ燃費に加えて実燃費などをチェックしておくことをおすすめします。
よくある質問
Q1:スープラのカタログ燃費はどのくらい?
A:スープラには直列6気筒ツインスクロールターボエンジンと、最高出力の異なる2種の直列4気筒ツインスクロールターボエンジンがラインナップされています。なお、駆動方式はFRのみ、トランスミッションは全車で8速スポーツATとなっています。スープラのWLTCモードカタログ燃費は、12.0~13.1km/Lです。
Q2:スープラのカタログ燃費をライバル車と比較すると?
A:スープラのライバル車としては、同じFRのピュアスポーツカーである日産「フェアレディZ」が挙げられます。スープラとフェアレディZのカタログ燃費を比較すると、スープラがフェアレディZを上回っています。
Q3:スープラの走行性能は?
A:現行型のスープラでは、アルミとスチールを骨格に使用していることに加え、異素材同士の接合強度を追求することによりボディの軽量化と高剛性化を実現しました。また、専用チューニングされたサスペンションや4輪の減衰力を状況に応じて自動制御するAVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)など、走行性能を高めるさまざまな技術が採用されています。
※記事の内容は2021年10月時点の情報で執筆しています。