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チャイルドシートはいつまで必要?選び方や使用法、買換え時期などまとめて解説

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チャイルドシートの着用は、新生児から6歳まで義務付けられています。しかし、6歳になった時点で使用をやめてもしまっていいかというと、そうではありません。車に備え付けられているシートベルトを適切に使用できる体格になるまで、つまり身長140cm以上になるまでは使用が推奨されています。

子供の成長に合ったチャイルドシートの選び方・使い方、使用義務が免除されるケースなど、詳しく解説していきます。

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

チャイルドシートについて、単純に「付けているから大丈夫」と思っていませんか?使用中の方の中でも、間違いや勘違いをしているケースが多数あります。正しい知識を身に付けて子供たちを守りましょう。私、若林が詳しく解説いたします。

  • チャイルドシートの着用は法律的には6歳までだが要注意
  • 子供の成長に合わせたシートを使用することが大切
  • 購入だけでなくレンタルや補助金を利用するのも選択肢のひとつ

チャイルドシートはいつからいつまで使用すべき?

チャイルドシートは何歳から何歳まで使用すべきかを解説する記事であることを示すイメージ画像

赤ちゃんや子供を車に乗せる際には、チャイルドシートの着用が法律で義務付けられており、違反には罰則規定があります。いつまで必要か、着用義務が免除されるケースとはどのような場合か、ご紹介します。

チャイルドシートはいつからいつまで必要?

道路交通法第71条の3第3項は、車に子供を乗せる場合、幼児用補助装置(チャイルドシート)を着用させる義務があると定めています。つまり、新生児から6歳未満まではチャイルドシートなどの装置が必要ということです。

では6歳になったら使用をやめてよいかというと、そうではありません。JAF(日本自動車連盟)は、大人用のシートベルトが正しく着用できるまで、つまり身長140cmになるまでチャイルドシート(ジュニアシート)などを使うことを呼び掛けています。

6歳で使用をやめてしまうのではなく、子供の成長に合わせて対応すべきといえます。詳しくは次の見出しをご参照ください。

チャイルドシートの着用義務が免除されるケースとは?

6歳未満には着用が義務付けられているチャイルドシートですが、それが免除されるケースがあります。道路交通法施行令(第26条の3の2の第3項)によると、それは以下のような場合です。

  • 座席の構造上、チャイルドシートを固定できないとき
  • 定員内の乗車であるにもかかわらず、乗車する幼児全員にチャイルドシートを着用すると全員が乗車できなくなってしまうとき
  • 幼児が負傷しているとき
  • 著しい肥満などで適切にチャイルドシートを使用できないとき
  • チャイルドシートを使用したままでは授乳等の日常生活上の世話が難しいとき
  • 応急救護のために幼児を医療機関や官公署などへ緊急搬送するとき
  • バス・タクシーなどに乗るとき

着用義務違反のペナルティ

車に乗っている6歳未満の子供がチャイルドシートを着用していない場合、「幼児用補助装置使用義務違反」に問われます。なお、チャイルドシートを使用させる義務はドライバーにあり、罰金などの刑事処分はありませんが、違反点数1点の行政処分が下されます

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

チャイルドシートは「使ったほうが良い」というものではなく、法律で「使用しなければならない」と定められているものです。なお、違反点数1点は「軽微な違反」に分類されますが、軽微な違反を繰り返し累積点数が6点になると30日間の免許停止処分になります。

6歳になったらチャイルドシートは不要?

先述したとおり、6歳になった子供については法律上でのチャイルドシートの使用義務はなくなるので、使用していないことによって検挙され、行政処分が科せられることはありません。

しかし、6歳になったらチャイルドシートが不要になる、というわけではないのです。チャイルドシートの目的とは、身体が小さいためにシートベルトを正しく着用できない子供をしっかりと固定し、事故時の衝撃から身体を守ることにあります。

その目的からすると、年齢を問わず子供が正しくシートベルトを着用できるようになるまで、チャイルドシートを使用すべきであるといえます。

年齢ではなく身長で判断

JAFは、6歳という年齢でチャイルドシートを外すかどうかの判断をするのではなく、子供の身長で判断すべきとの見解を示しています。

シートベルトが正しく着用できるのは、身長約140cm程度からとされていますが、6歳の子供の平均身長は男子が116.7cm*、女子が115.8cm*です。6歳の多くの子供が140cmに届かないのです。

身長が足りていない状態でシートベルトを使用すると、事故時にシートベルト本来の性能を発揮できないばかりか、シートベルトが首や腹部を圧迫し、子供が頸椎や内臓に深刻なダメージを受ける可能性があります。
だからといってチャイルドシートもシートベルトも使用していないと、身体がまったく固定されないため事故の衝撃によって天井や座席などに子供が叩きつけられたり、車外に身体が投げ出されたりする危険があります。

違反かどうかではなく子供の安全を守るという視点から、年齢ではなく身長で判断しましょう。なお、子供の平均身長が140cmに達するのは10~11歳程度です。

*文部科学省:令和3年度学校保健統計調査による

チャイルドシートを適切に使用しないとどうなる?

速度や状況にもよりますが、衝突事故の際に発生する衝撃はかなり大きなものがあります。小さな子供は体重が軽いため、大人よりも衝撃によるダメージが大きくなりやすく、大人であればそれほどではない場合でも子供にとっては致命傷になるケースも少なくありません。そのためにチャイルドシートの使用が義務付けられたという背景があります。

チャイルドシート使用状況の全国調査の結果出典:警察庁「子供を守るチャイルドシート」より

警察庁とJAFが合同で実施したチャイルドシート使用状況の全国調査の結果によると、チャイルドシートを適正に使用している場合と、チャイルドシート不使用の場合の致死率にはかなり大きな差が見られます。

チャイルドシート不使用の場合、致死率は適正使用時の約5.3倍。チャイルドシートを適正に使用することが万が一の事故や急ブレーキから子供を守ってくれることがわかります。

また、チャイルドシートは「使用していれば大丈夫」というものではなく、体格に合ったものを適正な状態で使用しなければ本来の性能を発揮できません。後段で詳しく解説していますが、正しく取り付けることが大切です。ベルトやハーネスは子供に合わせてきちんと調整するなど、取扱説明書をよく読んで使用しましょう。不明点があれば購入店やメーカーなどに問い合わせるといいでしょう。

チャイルドシートの使用義務違反を犯しやすいシーン

チャイルドシートの使用に関する注意喚起をイメージした画像

先述したような使用義務が免除されるケースを除き、チャイルドシートは6歳未満の子供であれば必ず使用しなければなりません。しかし、うっかりと、または誤解から違反を犯してしまうケースも見られます。よくある事例を確認しましょう。

●レンタカーやカーシェアリングの車を使用する場合
レンタカーだからといって、チャイルドシートの使用義務は免除されません。ほとんどのレンタカー会社がチャイルドシートの貸し出しを行っているので、予約時に申し込んでおくと安心です。
持ち込みができるレンタカー会社もありますが、持ち込む場合は必ず事前に可能か確認し、予約時に持ち込む旨を伝えておきましょう。

15分程度の短時間から利用できるカーシェアリングについても、レンタカー同様使用義務があります。対応は業者によって異なりますが、身長100cm程度から使用できるブースタータイプのジュニアシートであれば車両に準備があるケースが多いです。

赤ちゃん用のベビーシートや一般的なチャイルドシートについては、基本的にないと考え、持ち込む用意をしておくことをおすすめします。

●出産後の退院時
生まれたばかりの赤ちゃんであっても、マイカーやレンタカーの場合は新生児用のチャイルドシート(ベビーシート)を使用しなければなりません。誕生前に手配しておくのが一番ですが、それができなかった場合は、チャイルドシートの使用義務がないタクシーを利用しましょう。ただし当然ながら、使用義務がないからといって子供にとってのリスクが変わるわけではありません

●友人や親戚の車に乗る場合
「短時間の使用だけだから」とチャイルドシートを使用せずに友人や親戚の車に乗せてしまうケースも後を絶ちません。

特に、チャイルドシート自体がそれほど普及していなかった時代に子育てを経験している高齢者は、チャイルドシートの必要性や使用義務を知らないケースが多く見られます。今は法律で使用が義務付けられていること、子供の命を守るために大切なことであることを理解してもらい、チャイルドシートがなければ子供は乗せないことを徹底しましょう。

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

ちょっとした油断が悲惨な結果を招くことになりかねません。数分程度のわずかな乗車であっても、事故が起こる可能性はゼロではないのです。適切にチャイルドシートを使用し、子供の笑顔を守りましょう。

チャイルドシートの正しい取付け位置と使用法

チャイルドシートの正しい取付け位置と使用法出典:JAF「乳児専用タイプ(後ろ向きに取り付け) 」

チャイルドシートは正しく取り付け、正しく着用することで子供の命を守ることにつながります。チャイルドシートの取付け位置と正しい使用法を確認しておきましょう。

チャイルドシートは後部座席に取り付ける

チャイルドシートを取り付けるのは後部座席が推奨されています。子供から目が離せない年齢の場合、助手席にチャイルドシートを取り付けてしまいがちなので注意しましょう。また、子供を車に乗せたり降ろしたりする際の安全を確保するために、後部の座席の中でも歩道側(左側)に取り付けるのがおすすめです。

注意したいのが、後部座席の中央部分に取り付けたい場合です。中央は車両のシート形状やシートベルトの構造によっては、正しく取り付けられないケースがあります。事前に説明書を見て、シートの形状やシートベルトの構造が取付けに適しているか確認しましょう。

なぜ助手席にチャイルドシートを取り付けるのはダメなのか?

助手席にチャイルドシートを取り付けないほうがいい理由は以下の3点です。

●エアバックが作動してしまう可能性がある
助手席でチャイルドシートを使用すると、万が一事故に遭ってしまった場合エアバッグが飛び出して子供に衝撃が加わってしまう可能性があります。また、チャイルドシートや子供をエアバックが押しつぶしてしまう危険もあります。

●助手席は死亡事故の割合が高い
日本大学工学部教授の西本哲也教授が手掛けた、「車両クラス別傷害予測アルゴリズム Version 2021 の構築」という論文によると、助手席は死亡事故の割合が高いというデータがあります。死亡重傷率に注目すると、助手席(2.7%)が最も高いのです。これは、運転席の死亡重傷率(1.7%)と比べて約 1.6倍という数値です。
子供の命を守るためにも、チャイルドシートは助手席ではなく後部座席に取り付けましょう。

●助手席にチャイルドシートを取り付ける際の注意点
エアバックがない助手席にチャイルドシートを取り付けたい場合には、助手席のシートを一番後ろにさげ、前向きに取り付けましょう。エアバックがある場合には、助手席にチャイルドシートを取り付けるのは避けます。
取扱説明書に取付け座席位置について記載されている場合も多いので、必ず目を通しましょう。

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

今の車はほぼ運転席・助手席のエアバッグが標準装備です。後席のない2シーターのスポーツカーなどでない限り、助手席へのチャイルドシートの装着は避けましょう。

チャイルドシートの正しい使用法

チャイルドシートを着用しても、使用法を誤ると本来の効果が期待でません。使用前に必ず取扱説明書を読み正しく使用するように心掛けましょう。気をつけるべきポイントは以下のとおりです。

  • 子供の体格に合ったチャイルドシートを選ぶ
  • チャイルドシートが、座席に確実に固定できる製品を選ぶ
  • 助手席にエアバッグが付いている場合には、後部座席でチャイルドシートを使用する
  • チャイルドシートを座席に確実に固定する

子供の体格に合っていないチャイルドシートを使用していると、事故のときに子供の身体がベルトをすり抜けてしまったり、ベルトが首に絡まって締め付けられたりする可能性があります。また、車とチャイルドシートの種類によっては取付けができないケースがあります。「車種別チャイルドシート適合表」を必ず確認してください。

以下の表は、どの程度の割合でチャイルドシートが適切に車に取り付けられているか、正しい状態で着座できているのか、という調査結果をまとめたものです。取付けについても、着座状態についても、適切でないケースが多くあることがうかがえます。

〈適切な取付け・着座状況〉

 適切な取付け割合適切な着座割合
乳幼児用72.2%54.1%
幼児用58.6%41.1%
学童用-53.4%
合計65.2%49.5%

出典:警視庁「チャイルドシート取付け・着座状況調査結果(令和4年)」

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

チャイルドシートがあるだけで安心するのではなく、ハーネスやベルトにねじれやよじれがないかなど、正しい状態で使えているかを改めて確認しましょう。

チャイルドシートの選び方とそのポイント

チャイルドシートの選び方とそのポイントをイメージした画像

チャイルドシートを選ぶ前に知っておきたい、安全基準や種類をご紹介します。チャイルドシートには、乳児用・幼児用・学童用がありますが、子供の成長に合わせて長く使い続けられる兼用タイプも人気です。

チャイルドシートの安全基準

チャイルドシートには、安全基準が設けられています。

安全基準を満たしたEマーク

安全基準を満たしたEマーク出典:【国土交通省】「チャイルドシートコーナー」

現行の安全基準に適合しているチャイルドシートには「Eマーク」が付いているので、これを基準にするといいでしょう。Eマークには、チャイルドシートの種類、設置を許可した国の番号、当該装置番号、対象の体重範囲が記載されています。

種類は「UNIVERSAL(汎用)・SEMI UNIVERSAL(準汎用)・RESTRICTED(限定)・SPECIFIC VEHICLE(特定車両用)」の4種類です。種類は車種に対応しており、「UNIVERSAL(汎用)」の認定を受けたチャイルドシートはほとんどの車に取付け可能です。また、日本国内で認可された製品の場合、「E43」という国番号が記載されています

旧基準の「自マーク」は大丈夫?

2012年6月30日以前に制作されたチャイルドシートには、旧基準に適合していることを示す「自マーク」が付いていることがあります。

ただし、大手メーカー「コンビ」の「チャイルドシート標準使用期間リスト」によると、チャイルドシートは最長でも10年が標準使用期間です。つまり、自マークのチャイルドシートを使用するのは、状態にかかわらず避けるべきといえます

活用しよう『チャイルドシート安全比較BOOK』

チャイルドシート安全比較BOOKの表紙画像出典:独立行政法人 自動車事故対策機構「小さな命をやさしく守る… チャイルドシート安全比較BOOK」

チャイルドシートは選択肢が多く、どれを選べばよいのか悩むこともあるかもしれません。そんなときに便利なのが『チャイルドシート安全比較BOOK』です。

2001年、国土交通省とNASVA(独立行政法人 自動車事故対策機構)は、チャイルドシートの安全性能評価を行う「チャイルドシートアセスメント」を発足させました。そしてチャイルドシートについて、第三者の視点から安全性や使いやすさを評価。

その評価結果をまとめたのが『チャイルドシート安全比較BOOK』です。安心して使用できるチャイルドシート選びのひとつの指標として活用できます。

チャイルドシートの種類

チャイルドシートには、大きく分けて「乳児用」「幼児用」「学童用」「兼用型」の4つの種類があります。それぞれご紹介します。

乳児用

乳児用チャイルドシートの装着例出典:JAF「ジュニアシート提供支援 クラウドファンディング 」

新生児から1歳ぐらいまで使用できるチャイルドシートです。推奨されている体重は13kg未満で、身長は70cm以下。乳幼児期の赤ちゃんは首が座っていないので、寝かせるタイプです。後ろ向きに取付ける「シートタイプ」と横向きに取付ける「ベットタイプ」の2種類があります。

ベッド型の乳児用チャイルドシート

乳児の使うベッド型のチャイルドシートは、赤ちゃんにとって負担がなく無理のない乗車姿勢を取れます。また、どのような方向から衝撃を受けても、首に大きな負担が掛かりません。そして、椅子型よりもコンパクトなので車内を広く使え、多くの人が乗車する際に向いています。

ただし、乳幼児用のベッド型は、衝撃を吸収するために体の凹凸に対応したパッド類が入っています。そのため、成長に伴い赤ちゃんが活発になると体を起こしたがったり、ぐずって泣いたりすることも。ベッドの中でおとなしくしてくれる月齢を過ぎ、お座りができるようになると、椅子型への移行を検討する方が多いです。

キャリータイプの乳児用チャイルドシート

ベッド型の中でも、赤ちゃんを乗せたまま移動させられるキャリータイプであれば、万が一赤ちゃんが車の中で寝てしまっても、起こさずに移動が可能です。

キャリータイプのベッド型チャイルドシート

キャリータイプは家の中や外出時に赤ちゃんの居場所として使えるので便利ですし、友人や知人など他の人の車に乗る際にも、チャイルドシートとして活用できます。

また、取り外しができるので、夏場の暑い時期にはシートを取り外して室内で冷やしておくことができ、赤ちゃんが快適な状態で利用できます。しかし一方で、持ち運びをするたびにチャイルドシートを取付ける必要があるともいえます。

幼児用

幼児用チャイルドシートの装着例出典:JAF「ジュニアシート提供支援 クラウドファンディング 」

1歳から4歳ぐらいの子供に使用するチャイルドシートです。推奨されている体重は9から18kgで、身長は65から100cm。赤ちゃんの首が座って、自分で座れるのが使い始める目安です。

椅子に座っているので子供の様子をベッド型よりも確認しやすい、ベッド型よりも子供が退屈しにくいなどの利点があります。ただし、重量があって大型のものが多いことから、後部座席のスペースが狭くなりがちです。

幼児用は1歳から4歳と比較的長く使用するので、衛生面が気になる方は背もたれを取り外して洗えるタイプを選ぶといいでしょう。また椅子型は、取り付けたら不要になるまで基本的に外しません。夏場の車内ではチャイルドシートが熱くなっていることもあるので、注意が必要です。

学童用

学童用チャイルドシートの装着例出典:JAF「ジュニアシート提供支援 クラウドファンディング 」

4歳から10歳ぐらいの子供に使用し、「ジュニアシート」とも呼ばれています。推奨されている体重は15から36kgで、身長は135cm以下。座席を上げて背の高さを補い、腰ベルトの位置が子供の臀部に来るようにすることで、大人用のシートベルトを使うことができます。

シートベルトを利用する補助座なので、乳児型や幼児型よりもコンパクトでスペースを取りません。重量も比較的軽く、着脱が楽で持ち運びが容易です。他の人の車に乗る際にも、シートを持ち運んで利用することができます。

ただし製品によって対象の身長が異なるため、子供の身長に合っているか購入前に必ず確認しましょう。

兼用型のチャイルドシート

新生児からチャイルドシート卒業の6歳まで、長く使うことができるのが兼用型のチャイルドシートです。兼用型のチャイルドシートは、乳児用・幼児用・学童用を兼ねます。子供が成長しても、買い替えることなく使い続けられます。

長年使うものなので、シート部分を取り外して丸洗いできるものや、パーツを取り外して洗えるものが多くなっています。

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

お子さんの成長に合わせて、肩の穴の位置などを調整する必要があります。製品を選ぶ際には、取付け方法だけでなく、ハーネスの調整のしやすさや取付けのしやすさなども確認しましょう。

チャイルドシートの買いどき・買換えどき

チャイルドシートの買い時、買換え時について解説することを示すイメージ画像

チャイルドシートは成長や体格に合わせて使うべきですが、どのようなときに買ってどのようなときに買い替えればいいのか、購入と買い替えのタイミングをご紹介します。

チャイルドシートは出産前に準備

チャイルドシートは、赤ちゃんが生まれる前の妊娠期間中に用意しましょう

赤ちゃんが退院する際に車を利用する方も多いと思いますが、先述したように新生児からチャイルドシートの使用が義務付けられています。

また、赤ちゃんを固定することができないクーハン(バスケット)での移動も避けましょう。ベッド型のチャイルドシートに一見似ていますが、クーハンはあくまで赤ちゃんを寝かすためのものであり、衝撃からは守ってくれません。

クーハン(バスケット)に入った赤ちゃんのイメージ

後向き・前向きはいつ切り替える?

取り付け方が異なるチャイルドシートを表した画像出典:JAF「乳児・幼児兼用タイプ 」

新生児用のチャイルドシートはほとんど後ろ向き装着で、1歳から1歳半までが後ろ向きの目安とされています。ただし製品ごとに目安が異なるため、取扱説明書を確認しましょう。

買い替えサイクルは?

チャイルドシートには固定式だけではなくシートが回転する回転式もあります。回転式は、赤ちゃんの乗せ降ろしが楽ですが、こちらも1歳から1歳半位を目安に前向きの椅子型への買い替えが必要です。
普段から車を使用する場合には、新生児から4歳まで使えるチャイルドシートを購入し、3歳か4歳ごろにジュニアシートに買い替えをする方が多いです。

中古のチャイルドシートを使う際の注意点

兄弟のおさがりなどで、中古のチャイルドシートを使用するケースも珍しくありません。シートの汚れは、洗濯をしたりパーツを交換したりすることできれいになりますが、ほかにも注意したいポイントがあります。

中古のチャイルドシートは、事故に遭ったり強い衝撃をうけたりしていないものを選びましょう。ひび割れや欠損などの外観をチェックし部品や付属品がそろっていないものは避けましょう。また、取扱説明書の有無や使用する車との適合性があるかも大切なポイントです。

クルマ専門家 若林由晃
クルマ専門家 若林由晃

古すぎるチャイルドシートは、樹脂などが劣化しているおそれがあります。製造年月日も必ず確認し、製造から10年以上経過しているものは避けましょう。

チャイルドシートの取付け方

チャイルドシートの正しい取付け方をイメージした画像

お子さんの安全を守るためには、適切なチャイルドシートを選ぶだけではなく、正しく取り付けることも重要です。チャイルドシートの取付け具の種類や正しい取付け方を見ていきましょう。

チャイルドシートの取付け方法の違い

チャイルドシートを車に取り付けるには、シートベルトを使用する方法と、「ISOFIXアンカレッジ」という金具を使用する方法の2種類の方法があります。製品によって取付け方法が異なるので、説明書を確認しましょう。

3点式シートベルトを使う

3点式シートベルトでチャイルドシートを固定するイメージ出典:国土交通省「安全な自動車に乗ろう!:自動車総合安全情報」

3点式のシートベルトには2つの種類があり、特徴などが以下のように異なります。

【ELR式(緊急ロック式)シートベルト】
通常はシートベルトを自由に引き出すことができますが、急ブレーキなどの衝撃を感知すると、シートベルトがロックする機能(ELR機能)を備えているシートベルトです。

【チャイルドシート固定機能付シートベルト】
通常はELR機能ですが、シートベルトを全て引き出すことで自動ロック式(ALR機能)に切り替わるタイプです。巻き込み方向のみ動かすことができますが、引き出せなくなります。チャイルドシートを取り付ける際にゆるみが生じにくく、取付けが比較的簡単です。

ISOFIXアンカレッジを使う

ISOFIXアンカレッジを使用する場合出典:国土交通省「安全な自動車に乗ろう!:自動車総合安全情報」

ISOFIXに対応したチャイルドシート取付け具が、車内の座面の奥に付いている座席です。車種ごとに指定のISOFIX対応チャイルドシートを組み合わせて装着します。

ISOFIX対応チャイルドシートを取り付ける金具を「ISOFIXアンカレッジ」と呼びます。ISOFIXアンカレッジには、強度や取付け位置などの基準が設けられていますが、基準に適合していない可能性のある「後付けISOFIX取付け金具」が販売されています。
国土交通省では、ISOFIX取付け金具が装備されていない車両には、ISOFIX対応チャイルドシートではなく、シートベルトで取付けするチャイルドシートやジュニアシートを使うように呼び掛けているので注意しましょう。

乳児タイプの取付け方

乳児タイプのチャイルドシートの取付け方と、子供を乗せたときのチェックポイントは以下のとおりです。

取付け時のチェックポイント

乳児のチャイルドシートは、赤ちゃんをチャイルドシートに座らせて、ハーネスを締め車のシートベルトでしっかりとシートを固定します。チャイルドシートを車の座面に押し付けるようにし、シートベルトでしっかり締め付けましょう。

乳児タイプのチャイルドシートは、種類によって赤ちゃんの背もたれの適正角度が異なります。乳児専用タイプの場合には、赤ちゃんの背もたれの角度を45度になるようにすると、事故の衝撃から赤ちゃんを守るだけではなく居住性を保つことができます。ベッドタイプの後ろ向き使用時は、取扱説明書を参照してください。

また、車のシートベルトの「腰ベルト」がたるまないように、しっかりと締め付けましょう。

子供を乗せたときのチェックポイント

ハーネスの高さの違いによるフィット感の違いを示した画像出典:JAF「乳児専用タイプ(後ろ向きに取り付け)」

まず、ハーネスがちゃんと密着しているかをチェックしましょう。赤ちゃんを乗せバックルをセットしたら、調整用ベルトを引っ張って長さを調整、赤ちゃんの身体にフィットしているか確認します。

そして、ハーネスの方の高さを見ます。赤ちゃんの肩とハーネスに隙間ができている場合は、修正してください。後ろ向きのチャイルドシートの場合、赤ちゃんが上方向に動いてしまわないように、肩をぐるりと回りこむように高さを調整します。

成長に合わせた買い替えの目安

買い替えのチェックポイントは、「ハーネスの高さ」と「体重」の2点です。赤ちゃんが成長したら、ハーネススロットの高さを上げ肩の位置を調整します。ハーネスが短く感じられたら買い替えのタイミングです。

後ろ向きのチャイルドシートの場合は、赤ちゃんの体重が10kg位になったら前向きに買い替えましょう。

幼児用チャイルドシートの取付け方

幼児用のチャイルドシートの取付け方と、子供を乗せたときのチェックポイントは以下のとおりです。

取付け時のチェックポイント

シートベルトにたわみがある場合とない場合の違いを示した画像出典:JAF「幼児用チャイルドシート(前向きに取り付け)」

チャイルドシート本体を車のシートベルトでしっかりと固定します。取付けの際には体重をかけて、車の座面にチャイルドシートを沈み込ませるようにし、シートベルトでしっかり締め付けましょう

子供を乗せたときのチェックポイント

ハーネススロットと肩の位置の関係を示した画像出典:JAF「幼児用チャイルドシート(前向きに取り付け)」

まずは、シートベルトの「腰ベルト」がたるんでいないか確認します。つまめるほど緩んでしまっていると、少しブレーキを踏んだだけでもチャイルドシートがぐらついて危険です。
そして、ハーネスを適度に締め付けます。ハーネスがゆるいと子供が飛び出してしまうので、大人の指が滑り込める程度に調整しましょう。厚着をしているとハーネスからすり抜ける可能性があるので、上着を脱いでから装着するのがおすすめです。

「ハーネススロット(通し穴)」が、子供の肩よりも低い場合には調整します。子供の肩より高い通し穴からハーネスが出ているか確認してください。

成長に合わせた買い替えの目安

ハーネススロットが、子供の肩より高い位置から引き出せない場合には、買い替えを検討しましょう。

クルマ専門家 若林由晃
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また、子供によっては3歳を過ぎた頃からチャイルドシートが体格に合わなくなることがあります。体重が18kgというのがひとつの目安ですが、チャイルドシートの外まわりの固い構造体である「シェル」から頭が飛び出していないかにも注意しましょう。

チャイルドシートはレンタル?購入?どっちがいいの

チャイルドシートはレンタル?購入?どっちがいいのをイメージした画像

チャイルドシートは、購入だけではなくレンタルする方も多い製品です。使用期間が短い乳幼児用はレンタル、幼児用は購入と使い分けるのもいいかもしれません。

購入するメリット・デメリット

新品のチャイルドシートを購入することで、清潔に使うことができます。チャイルドシートが汚れてしまったり、破損してしまったりしても、購入したものなら安心です。また、兄弟・姉妹が産まれた際、お下がりで使えるのもメリットのひとつといえます。

不要になったら、リサイクルショップやフリマアプリなどで販売すれば数千円になることも。長く使ったり日常的に車に乗ったりする場合には、購入のほうがメリットは多いでしょう。

チャイルドシートを購入する場合、1万円台から数万円が相場ですが、機能性の高いものは5万円以上、多機能なトラベルシステムはさらに高価です。購入の際にまとまった初期費用が掛かってしまうのはデメリットのひとつです。さらに、赤ちゃんの成長やシートの劣化に伴う買い替えが必要な点も要注意です。

レンタルするメリット・デメリット

レンタルの場合には、最短で1週間からレンタルが可能で必要に応じて使い分けられます。レンタル費用は長期間借りるほど安くなりますが、1ヵ月で数千円程度です。レンタル業者によっては、レンタル品をそのまま購入できることもあり、使い勝手を確かめてから購入できるのはうれしいポイントといえます。

また、チャイルドシートを処分する場合には、粗大ゴミとして処理するための費用がかかりますが、レンタルなら返却するだけで済みます。

レンタルのデメリットは、使用感が気になったり、人気のものが貸し出し中でレンタルできなかったりするケースがある点です。また、使用期間によっては購入するよりも割高になるケースがあるので注意が必要です。

自治体の補助なども利用しよう

チャイルドシートの購入やレンタルに関する費用を補助している自治体や団体があります。購入やレンタルをする前に、自治体の情報を調べてみてください。

例えば、東京都江東区で通常料金の15~25%引きでレンタルを利用できます。「出産前15日間無料サービス」「お届け時取付無料」などの各種サービスもあるので便利です。

茨城県石岡市では、6歳未満の乳幼児1人もしくは母子手帳1冊につき1台の購入補助を受けることができます。補助を受けられるのは、購入費用の2分の1の金額で上限5,000円です。

また、チャイルドシートの無料貸出しを行っている交通安全協会もあります。乳幼児期など使用期間が限られているものは、こうした貸出制度を上手に利用するのが良いかもしれません。

クルマの安全性は大丈夫?
最新車種に安く乗る方法があります

子供たちの命を守るためにチャイルドシートを正しく装着することは大切ですが、同時に考えたいのが車自体の安全性です。車の安全性能は驚くべきスピード進化を続けていて、新しいモデルほど、危険防止、被害軽減、運転支援などの性能に優れています。

もし、そうした車への乗り換えをお考えなら、今話題の方法「カーリースの定額カルモくん」をご検討ください。定額カルモくんなら月々1万円台で新車を持てます。

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子供の命を守るためにチャイルドシートを活用しよう

チャイルドシートは、子供の体格に合ったものを選び、正しく装着・使用しましょう。選び方や取付けのポイント、買い替えのタイミングを参考にして、お子さんを危険から守りましょう。

チャイルドシートには、購入だけではなくレンタルという選択肢もあります。各自治体や団体でも購入補助や無料レンタルを実施していますので、こちらもあわせて活用するといいでしょう。

よくある質問

Q1:チャイルドシートはいつからいつまで必要?

A:生まれたばかりの新生児から6歳未満の幼児について着用が、法律で義務付けられています。ただしJAFでは、年齢に関係なく身長140cm以下の子供にはチャイルドシートやジュニアシートを使用するように呼び掛けています。

Q2:どんなチャイルドシートなら良いの?

A:つまりEマークなどが付与されていて、お子さんの体格に合い、正しく車に取り付けられるものを使用する必要があります。選ぶ際には『チャイルドシート安全比較BOOK』などが参考になるでしょう。

Q3:助手席に取り付けるのはダメ?

A:エアバックが開くことで子供やチャイルドシートを押し潰したり衝撃を与えたりする可能性があること、死亡事故の確率が高いことから、助手席は推奨されていません。助手席に取り付けるしかない場合は、シートを一番後ろまでさげて前向きに取付けましょう。

※この記事は2023年2月時点の情報で制作しています

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