ここ数年で、テレビや新聞などさまざまな媒体で取り上げられるようになった個人向けカーリース。2020年には20万台を突破すると予測されています。
しかし、カーリースの人気に伴い、リース会社も増えているため「カーリースを利用してみたいけど、どの会社を選べばいいかわからない」と悩む方も少なくないようです。
ここでは、リース会社の選び方やチェックすべきポイントについてご紹介します。
カーリースはなぜ人気?
日本で初めてリース会社が誕生したのは、1960年代。高度経済成長を背景に、おもに法人向けのサービスとして成長を遂げました。
1990年代には、個人向けカーリースが登場。自動車会社や石油元売企業などが最初に個人向けカーリースのサービスを始め、2016年頃からは、カーショップや鈑金チェーン、自動車流通コンサルタントなども個人向けカーリースに参入し始めました。
現在、個人向けカーリースの保有台数は増加しています。個人向けカーリースは、なぜここまで普及したのでしょうか?
人気の理由を、3つに分けて見ていきましょう。
人気の理由1.頭金は0円!残価設定で安く新車に乗れる
1つ目の理由として、頭金を準備せずに新車に乗れる点が挙げられます。
新車を購入する場合、頭金の準備が必要です。頭金を準備できなければ、フルローンになるため、月々の支払いが高額になります。それ以前に、ローン審査に通らない可能性も出てきます。
カーリースの場合、残価設定方式で月々の支払い金額を算出します。残価設定方式とは、数年後にその車を下取りする場合の価格を設定し、最初の車両価格から下取り価格を引いた金額を、リースを希望する月数で割って支払う方式です。
頭金を準備せずに、安く新車に乗れるため、ワンランク上の憧れの車に乗ることも夢ではありません。
人気の理由2.車の維持費が月額に組み込まれている
2つ目の理由として、車の維持費が月額に組み込まれていることが挙げられます。
車の購入後、負担が大きいのが維持にかかる費用です。自動車税や車検時の整備費用など、数年単位でまとまったお金が消えていくことに、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
一方、多くのカーリースでは、以下のような費用が月額に組み込まれています。
各種税金
新車を購入したときは、自動車税や自動車重量税、自動車取得税などの各種税金を支払わなければなりません。しかし、カーリースの場合、リース期間に支払うべき税金が、月々のリース代に組み込まれ分割での支払いとなるため、まとまった出費を減らすことができます。
保険料
車を購入したときに、税金と同じようにかかるのが自賠責保険です。自賠責保険は加入が義務付けられており、必ず保険料を支払わなければなりません。しかし、カーリースの場合は、税金と同じように保険料も月々のリース代に組み込まれています。
車に乗る多くの人が、万が一の備えとして、自賠責保険だけでなく任意保険にも加入するはずです。リース会社が任意保険を用意している場合、自身で加入しなければいけない場合など、リース会社によって違いがあります。
車検時の整備費用
車検時の整備費用の扱いは、リース会社によって異なります。税金や保険料と同じように、月々のリース代に組み込まれている場合もあれば、リース代とは別に支払わなければならない場合もあります。
車検を通すためには、タイヤやオイルなど、消耗品の交換が必要になる場合があります。消耗品費用を負担してくれるリース会社もいくつかあるようなので、チェックしておくといいでしょう。
人気の理由3.月々の支払いが定額
3つ目の理由として、月々のリース代が定額という点が挙げられます。
車を購入したはいいものの、忘れたころに各種税金や保険料など法定費用の支払い期限がきて、焦ることがあります。カーリースの場合は月々のリース代に2つ目の理由でもご紹介した「税金」や「保険料」が組み込まれているため、そのようなストレスから解放されます。
さらに、車購入の際にマイカーローンを組む場合、年2回のボーナス払いが発生することがあります。一方、カーリースではボーナス払いは発生しないため、毎月決まった金額で車に乗ることが可能です。
収入は安定しているのに、支出がバラバラだと、お小遣いや貯金などの管理が難しく生活が不安定になってしまいます。毎月の支出が定額であれば、家計を安定させることができるでしょう。
カーリース会社を選ぶポイントとは
カーリースの人気の上昇にともない、リース会社も増えています。ここからは、リース会社を選ぶポイントについてご紹介しましょう。
ポイント1:車種
リース会社の中には、住友三井オートサービスやマイカー賃貸カルモなど、国産車種をすべて扱っている会社のほか、トヨタレンタリースやホンダレンタリースなど、大手自動車メーカーがディーラーで提供している会社もあります。
当然ながら、トヨタレンタリースではトヨタの車のみを扱っているため、ほかのメーカーの車種を借りることはできません。
車種やメーカーが一択でない限りは、お気に入りの用途や自分に向いているボディタイプからメーカーをまたいで車種を選べるリース会社が良いかもしれません。
また、中古車のみを扱っているリース会社もあります。月額費用をなるべく抑えたければ、中古車のカーリースを選択するのもひとつの手です。しかし、中古車の場合は残価設定の割合が新車に比べて低くなるため、実は月々のリース代が新車と変わらないこともあります。
ポイント2:リース会社の特徴
リース会社によって特徴や用意しているプランは様々です。
前項でご説明したとおり、各種税金や保険料がリース代に組み込まれているものの、車検費用は別途支払う必要があるケースや、前述した解約時の価値(残価)が、おおよそで設定され、実際に解約時に差額を支払う場合(オープンエンド契約)もあります。
リースの手続きを行う前に、リース契約の内容や、リース代の内訳を必ず確認しておきましょう。
まず、契約についてですが、解約時の支払いが変わらないクローズドエンド契約のリース会社のほうが安心です。
また、内訳については、カーリースの月額費用を簡単に表すと(車両本体価格−残価+諸費用)÷リース期間という計算になりますから、諸費用に何が含まれているかチェックしておくと後悔のないリース契約ができるはずです。
さらに、リース会社の中には、一部の車種を特選車として低価格で用意したり、ガソリン代の割引特典や契約期間を短く設定したりするなど、独自のキャンペーンを実施しているところもあります。そのようなキャンペーンの期間を狙ってリース契約を結ぶのもおすすめです。
ポイント3:価格
リース会社の中には、ホームページ上に料金のシミュレーション機能を設けているところがあります。車種やリース期間を選び、ネットで簡単に見積もりができるためとても便利です。このような機能を利用して、複数のリース会社を比較してみましょう。
マイカー賃貸カルモの見積もりや価格に関するご相談は、以下よりご覧いただけます。
カーリースの注意点も押さえておこう
カーリースで注意しなけらばならないのが、契約を結んでも車の所有者になるわけではないという点です。車を購入し所有する場合と異なり、次のような制約が生じることを覚えておきましょう。
走行距離
カーリースでは、走行距離が制限されます。月々の走行距離が決まっている場合もあれば、初めに走行距離を決めて残価設定を行う場合もあるなど、リース会社によってルールが異なります。
走行距離の超過によって、契約終了時の車の価値が残価設定額を下回った場合は、それを補填する額や走行距離に応じた追加料金を支払う必要があります。
ただし、多くの場合が月々の走行距離は多めに設定されているため、毎日かなり長い距離を乗るというわけではない限りそこまで気にすることはないでしょう。
ちなみに、マイカー賃貸カルモでは、月1,500kmに設定されています。平日土日関係なく、毎日50km乗らないのであれば、制限の走行距離は超えません。
中途解約
カーリースは、原則として中途解約ができません。不便に感じるかもしれませんが、月々で支払うリース代は契約期間に応じて定められています。
例えば、車両価格と税金など諸費用の合計が350万円であり、この車を5年間リースする場合について考えてみましょう。
5年後の車の価値が50万円だとすると、合計350万円−残価設定50万円で、支払い額は300万円。
カーリースでは、この金額を5年かけて支払うことになります。
300万円÷60ヵ月なので、月々の支払いは50,000円です。
2年で中途解約した場合、120万円しか支払いが完了せず、未払い額が180万円残る計算になります。
この金額は請求されることになります。リース会社の契約内容にもよりますが、この金額より多い額を請求されるこもあります。
車両価格+諸費用-据置き額=総額 | 2年間での支払い | 未払い額 | 未払い額-据置き額=追加料金 |
---|---|---|---|
300万円+50万円-50万円=300万円 | 120万円 | 180万円 | 130万円 |
条件を満たした場合、中途解約ができるリース会社もありますが、基本的にはカーリースで中途解約はできないと考えておくべきです。
しかし、不安になることはありません。自家用軽乗用車の平均使用年数は14.73年(「平均使用年数推移表」軽自動車検査協会|2018年)、自家用乗用車の平均使用年数は13.24年(「平均使用年数推移表」自動車検査登録情報協会|2018年)という結果もあり、1台の車に長く乗るのが普通になっているのです。13年以内のリース契約であれば、無理なく乗ることが可能でしょう。
車の使用頻度やリース期間を予想し、計画を立てることで、後悔なくカーリースを利用することができます。
ここまでにお伝えした情報を踏まえて、人気のカーリース会社TOP3(消費者アンケート | 編集部調べ)をご紹介します。
マイカー賃貸カルモ
国産全車種に対応!
マイカー賃貸カルモでは、国産の全車種に対応しています。また、新車以外に中古車も選ぶことができ、「最新の性能を試したい」「なるべく安く車に乗りたい」など、幅広いニーズに応えるサービスといえます。しかし、残念ながら法人には対応しておりません。個人事業主の方であれば申し込みもできますが、基本は個人の方へ向けたサービスとなっています。
1年~業界初の11年契約、オンライン手続きが特徴
審査から申込みまで、全ての手続きをオンラインで完結できるのが、マイカー賃貸カルモの大きな特徴です。
ネットだけで車を選ぶことに不安を覚える方もいると思いますが、カルモでは知識の豊富なカスタマーチームを設けており、電話やLINE、メールを通じて、車選びのアドバイスをもらうことができます。
契約期間は1年から業界初の11年(※2019年9月時点カルモ編集部調べ)の間で1年単位で選べるようになっています。長期で契約するほど月額料金が下がるため「とにかく毎月の支出を抑えたい」という方には、11年契約がおすすめです。
子供の送迎など、乗りたい期間が明確に決まっている方は、ライフプランに合わせて契約期間を選ぶといいでしょう。
以下から月額の見積もりやその他詳細を確認することができるので、チェックしてみてください。
車両価格を低く設定
マイカー賃貸カルモでは、大きな店舗を構えずにネットで完結させることから、多くの固定費用を抑えることに成功しました。その分、車両価格を下げることができ、リース代が低価格となっています。
月々の走行距離制限は1,500kmですが、日本人の平均月間走行距離が約400kmであることを踏まえると、十分余裕があるといえるでしょう。
カーリースなのに返さなくていいプランも
さらに、マイカー賃貸カルモの大きな特徴としては、契約期間や車種の条件がそろえば、リース満期でそのまま車がもらえる「もらえるプラン」を用意しています。
このプランを利用すれば、カーリースの返却を気にせず使用できるようになるでしょう。
住友三井オートサービス
出典元:住友三井オートサービス
住友三井オートサービスでは法人向け、個人向けのカーリース事業を行なっています。
ほぼ全車種に対応!
国産のほとんどの車種に対応しており、基本的には自分の借りたい車をリースできると考えて問題ないでしょう。
特徴
ETC・ナビ・バックカメラなどの純正オプション5点がリース代に含まれています。諸費用として、各種税金以外に、ブレーキオイル・エンジンオイル・オイルエレメントなどの交換費用も含まれているため、長くリースしたいと考えている方も安心です。
5年契約のCarsma5プラスと7年契約のCarsma7プラスがあります。Carsma5の場合は、契約終了後に残価分を支払うことで車を買い取ることができ、Carsma7の場合は契約終了後に車をもらうことができます。そのまま乗り続けてもいいですし、売却してほかの車に乗り替えるのもありでしょう。
価格
諸経費が多く組み込まれていますが、5年、7年など契約期間が長くなるため、月々のリース代は必然的に安くなります。万一中途解約をする際には解約金が発生しますが、リース期間が長くなる点に問題がなければ良心的な価格でリースできるでしょう。
カーコンビニ倶楽部
出典元:カーコンビニ倶楽部「もろコミ」
カーコンビニ倶楽部が運営するカーリースサービス「もろコミ」です。もろコミ○○といって、いくつかのプランを用意しています。
もろコミは、車両本体価格、登録諸費用、自動車取得税、自動車税、車検基本料、自賠責、重量税などすべてをコミコミにしているという内容です。
特徴
もろコミのキャッチフレーズとして使用されている「もろコミ月々8,000円~」が大きな特徴でしょう。これはすべてコミコミにもかかわらずなんと月々8,000円台から乗れるという、月の支払いをとても抑えられるプランです。
また、契約満了時に車がもらえるのも「もろコミ」の特徴です。
契約年数は、利用期間は短くしたい方向けの7年契約「もろコミ7」、長く安く車に乗りたいという方には9年契約の「もろコミ9」がおすすめです。
車種は、軽自動車から普通車、商用車まで幅広くそろっています。
価格
リースの際に設定することの多い残価の設定がありません。そのため、車両代金をすべて月額で支払うことになりますが、このプランだからこそ車がもらえるので、車が欲しい方にとっては良い内容といえるでしょう。
価格面で魅力的なのは、もろコミ月々8,000円~ですが、8,000円にした分、ボーナス払いが必要にはなります。あまり価格の高い車で毎月の金額を抑えてしまうと、会社次第で金額が上下したり、支給されないなどが起こりうるボーナス払いで苦しい思いをするかもしれませんので、計画的に設計するといいでしょう。
よくある質問
Q1:カーリース会社は大手のほうがいい?
A:カーリース会社は、大手かどうかよりも、サービスやプランの内容を比較検討して選ぶべきです。リース料金はもちろんのこと、その料金に含まれる項目や契約期間、選べる車種など、カーリース会社によってサービス内容は異なります。自分のライフスタイルに合うプランはあるか、乗りたい車を扱っているかなど、きちんと調べた上で申し込みましょう。
Q2:カーリースの料金を比較するとき、月額リース料以外にチェックすべきポイントは?
A:カーリース会社や車種を選ぶときは、月額リース料だけでなく、最終的な支払い料金を確認しましょう。チェックすべきポイントとして(1)ナビやETCなど追加の付属品代がかかるか(2)設定残価(3)リース満了時の精算金額、などが挙げられます。特に、設定残価が相場より高く設定されている場合は、契約満了時にマイナス査定となり、差額を支払うことになる可能性もあるため注意が必要です。
Q3:カーリースの契約時に頭金は必要?
A:カーリースでは、数年後にその車を下取りする場合の価格(残価)を設定し、車両価格から下取り価格を引いた金額を契約期間で割ってリース料を算出します。契約時に頭金を支払う必要がないため、まとまった資金がすぐに用意できない方でも、車に乗ることができます。
Q4:ボーナス月はリース料が加算される?
A:カーリースのリース料は月々定額であり、ボーナス月に加算されることはありません。各種税金や保険料もリース料に含まれているため、大きな出費が発生せず、家計をフラットに保つことができます。
Q5:できるだけ低価格でカーリースを利用したいときは?
A:カーリース会社の中には、一部の車種を特選車として低価格で用意したり、期間限定のキャンペーンを実施しているところもあります。そのようなキャンペーンの期間を狙ってリース契約を結ぶことで、車関連の費用を抑えることができるでしょう。また、中古車のみを扱うカーリース会社を選択するのもひとつの手です。
これからは「車を使いたいときだけ利用」も視野に入れて
車の購入は、家の購入の次に大きな買い物といわれています。これからの時代は、車を所有するのではなく、使いたいときだけ利用する方法も視野に入れるべきでしょう。この記事で紹介したポイントを踏まえて、リース会社や利用プランを吟味し、楽しいカーライフをお送りください。
※記事の内容は2018年7月時点の情報で執筆しています。