一人暮らしでも、エアコンや冷蔵庫、洗濯機やテレビにパソコンなど、さまざまな電気製品を日々使用します。毎月何気なく支払っている電気代ですが、日頃の家電の使い方や電力会社との契約を見直すことで、節約につながるのではないでしょうか。
そこで、一人暮らしの電気代の平均と、家電別の節電テクニックを解説します。また、家計を効率的に節約するための固定費などの出費の見直し方についても見ていきましょう。
- 2019年の一人暮らしの電気代の平均は月々4,739円
- 電気代を効率的に節約するには、家電の使い方や電力会社との契約内容を見直すことがポイント
- 電気代以外で家計を節約するには通信費や家賃など月々の固定費を見直すことも大切
一人暮らしの電気代の平均は月々4,739円
政府が行った2019年の家計調査では、一人暮らしの勤労者世帯の月々の電気代の平均金額は4,739円という結果が出ています。さらに、2012年~2019年の一人暮らしの1ヵ月あたりの電気代の平均は次の通りです。
〈一人暮らしの電気代の平均〉
1ヵ月あたりの電気代の平均 | |
---|---|
2012年 | 4,027円 |
2013年 | 4,346円 |
2014年 | 4,388円 |
2015年 | 4,302円 |
2016年 | 4,148円 |
2017年 | 4,219円 |
2018年 | 4,859円 |
2019年 | 4,739円 |
※2019年、総務省の家計調査より参照
2019年の1ヵ月あたりの平均額から考えると、電気代の年間平均額は56,868円であることがわかります。
なお、夏場と冬場はそれぞれ冷房と暖房を使う季節です。このようなシーズンになると、電気代は1,000〜2,000円ほど変動する傾向にあります。冷暖房を使う時期は、上記の平均額よりも多少高くなるということを踏まえて、電気代の予算を考えておきましょう。
一人暮らしで電気代を節約する方法
電気代を節約するためには、各家電の使い方を見直して節電したり、電力会社との契約を見直したりする必要があります。節電に効果的な家電の使い方や、電力会社との契約を見直す際のポイントを見ていきましょう。
エアコン
・風量は「自動」に設定する
エアコンで最も電力を消費するのは、風量が「強」で運転しているときです。逆に消費電力が少ないのは、必要なときだけ温度を下げる「弱」運転のときです。風量を自動で運転させれば、室内温度が設定温度に満たなければ強、快適な温度になれば弱と、自動的かつ効率的に風量を調整でき、消費電力も最小限に抑えられます。また、暖房は設定温度を1℃低く、冷房は1℃高くそれぞれ調節することで節電効果が得られます。
・サーキュレーターや扇風機を併用する
エアコン運転時は、サーキュレーターや扇風機を使って室内の空気を循環させましょう。エアコンの風が効率良く部屋にまわれば、設定温度を必要以上に上げ下げせずに済みます。
その際、サーキュレーターや扇風機を置く位置や向きも重要です。エアコンの風はエアコンの反対側に溜まりやすいため、サーキュレーターや扇風機はエアコンとは反対側の壁際に、天井へ向けて設置しましょう。その状態で稼働させることで、部屋全体にエアコンの風が行きわたりやすくなります。
・室外機は常にきれいな状態に
エアコンの室外機の周囲は常にきれいな状態を保ち、物も置かないようにしましょう。室外機周りの風通しが悪いと、エアコンの効率が下がり、消費電力も増えてしまいます。
・日中はつけっぱなしがお得
2016年のダイキン工業の調査では、9時から18時までの気温が高い時間帯は、30分間ほどであればスイッチをこまめに切ったり入れたりするよりも、運転させたままにしたほうが電気代を抑えることができるといいう調査結果が出ています。ただし、1日のうちで電気料金が安くなる18時から23時までのあいだは、こまめにオンオフをしたほうが電気代を抑えられるので、時間帯によって使い分けるのがおすすめです。
・フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターにほこりや汚れが溜まると、エアコンの効率も下がってしまいます。エアコンを毎日使うシーズンは、2週間に1回を目安にフィルターを掃除することをおすすめします。
・カーテンの閉め方もエアコン代に影響する
カーテンを開け閉めして日が入るのを防いだり、逆に日光を取り込んだりすることでも、エアコンの消費電力を抑えることができます。まず、夏はカーテンを閉めて温度が上昇するのを防ぎ、冬はカーテンを開けて日光を取り込み、部屋を暖めましょう。
また、カーテンの素材も部屋の温度変化に大きく影響します。例えば断熱カーテンは、一般的な素材のカーテンよりも室温に5℃以上差が出るといわれており、エアコン代の節約にも大きく貢献してくれるアイテムです。
・夏場は換気してから冷房を入れる
夏場は、室内が外よりも暑くなってしまうことも珍しくありません。そのようなときは、一度窓や扉を開けて換気を行い、部屋全体の温度を下げましょう。暑い部屋でそのままエアコンを稼働するよりも、換気後にエアコンを入れたほうが消費電力も少なく、節電につながります。
冷蔵庫
・扉はなるべく早く閉める
冷蔵庫の扉は、開ける時間が長いほど冷蔵庫内の温度が上がってしまいます。開けたらできるだけ早く閉めましょう。
・中身を詰めすぎない
冷蔵庫の中の物が多いほど、消費電力も大きくなります。全体の70%ほどに収まるよう意識して物を入れましょう。ただし、冷凍庫は物がしっかりと詰まっているほうが効率的に冷却できます。
・熱い料理は入れない
熱い料理や飲み物を冷蔵庫に入れると、冷却のために多くの消費電力が使われます。熱い料理は必ず冷ましてから入れるようにしましょう。
洗濯機
・洗剤を入れすぎない
洗濯機に入れる洗剤は適量を守り、入れすぎないように注意しましょう。洗剤を入れすぎるとすすぎに時間がかかり、無駄に電気代もかかってしまいます。洗剤の量は洗浄力に影響しませんので、必ず適量を入れましょう。
・まとめ洗いをする
少量の洗濯物を何度も洗うとなると、当然電気代も高くついてしまいます。できるだけまとめ洗いをして、電気代と水道代を節約しましょう。
・洗濯物を入れすぎない
まとめ洗いしたいからといって、容量を上回る洗濯物を入れることは避けましょう。洗濯物を入れすぎると回転が悪くなり、消費電力も上がってしまいます。まとめ洗いする際も、必ず洗濯機の容量を確認した上で使いましょう。また、洗濯機はタイマー機能を使って電気代の安い夜間に使う、乾燥機能は使わずに干すといった方法でも、消費電力を抑えられます。
トイレ
暖房便座のトイレも、便座の温度設定や蓋の閉め方で節電が可能です。まず、便座の温度設定は年間通して同じにせず、季節ごとに調整するようにしましょう。夏場は暖房機能を切ってしまっても良いでしょう。また、暖房便座の電源が入っているときは、使用後に便座の蓋を閉めるよう心がけます。蓋を閉めておけば便座の保温性が高まり、節電につながるためです。
照明
照明をLEDに替えるのも節電対策の一環です。LED電球の消費電力は白熱電球と比較して1/5ほどのため、交換するだけで電気代を大きく節約できるでしょう。LED電球自体は白熱電球よりも高額なため初期費用はかかりますが、寿命も白熱電球に対して圧倒的に長く、コストパフォーマンスの良さを重視するのであれば交換をおすすめします。
その他
・炊飯器や電気ポットの保温機能に注意
炊飯器の保温機能を長時間使うと、消費電力が上がってしまうためご注意ください。ご飯が炊けたら、保存したい分は保温せず冷凍しておくほうが電気代の節約になります。同じく、電気ポットも保温時間が長いほど電気代が上がってしまいます。お湯は一度に大量に沸かさず、都度必要な分だけ沸かすようにすると良いでしょう。
・テレビなどの待機電力を減らす
待機電力とは、電化製品を使っていなくても、プラグをコンセントに差し込んでいるだけで、機能を維持するために消費される電力のこと。一般家庭の場合、テレビやレコーダー、電子レンジなどの家電で待機電力が消費されることが多いでしょう。待機電力を減らすためにも、電気製品を使わないときは、主電源を切ったり、プラグをコンセントから抜いたりするほか、スイッチひとつで手軽に電源をオンオフできる、節電タップも便利です。
・家電を買い替える
古い型の家電や中古の家電は、思い切って新しいものに買い替えることで電気代が抑えられる可能性もあります。LED電球への交換と同様に初期費用はかかりますが、コストパフォーマンスを考慮すると検討する価値はあるでしょう。ただし、賃貸住宅の設備の場合は勝手に交換することは禁止されているためご注意ください。
電力会社との契約を見直すという方法も
電力会社との契約内容を見直すことで、電気代の節約につながる可能性も。消費電気の多い方は特に、ライフスタイルに合ったプランがないか確認してみることをおすすめします。
・アンペア数を下げる
電気代の基本料金は、アンペア数が高いほど高くなります。ただし、アンペア数が低すぎると一度に使える電力量も少なくなってしまうため、複数の家電を同時に使いたい場合は注意が必要です。
・電力会社やプランの切り替え
電力プランを見直して、一人暮らしのライフスタイルに合った内容のプランで契約することが節約のポイントです。例えば、日中は仕事や学校で家を空けることが多く、電気を使う時間帯は夜がメインであれば、夜間の電気代がお得になるプランなどに変更できれば、家計の節約につながります。
・口座振替にする
電力会社によっては、電気代を口座振替で支払うことで割引を受けられるところもあります。月々の割引額はわずかなものでも、年間通して見ると馬鹿にならないため、よりお得な支払い方法がある場合は変更してみてはいかがでしょうか。反対に、クレジットカード払いにしてポイントを貯めるというのもひとつの方法です。
電気代以外の固定費も見直してみよう
電気代は、多少の金額の変動はありますが、毎月発生する固定費のひとつです。電気代以外にも毎月どのような固定費の出費が多いのかを確認して、節約できそうな部分を見つけることで家計全体の節約につながります。節約しやすい出費項目には次のようなものがあります。
家賃:条件と選び方次第で年間数十万円の節約が可能
固定費は一度見直して出費を抑えることに成功すれば、その後、毎月節約効果を持続できます。中でも、特に高い節約効果を期待できるのが家賃です。例えば、家賃が今の賃貸よりも20,000円安いところへ引っ越すことができれば、年間24万円の節約となります。ただし、引越しには引越し費用に加えて手間や時間もかかりますから、その点も踏まえて検討しなくてはいけません。
通信費やサブスクリプションサービス:すぐに節約しやすい
家賃削減をすぐに実行することが難しい場合、携帯料金や通信費、サブスクリプションサービスといった、比較的気軽にプランや契約内容を切り替えやすいものから着手するのもおすすめです。特に動画配信などのサブスクリプションサービスは、ほとんど利用しなかった月も料金を払っているというケースも珍しくありません。より月々の料金を抑えられるプランに変更できないか、解約しても良さそうなサービスはないか、定期的にチェックしてみましょう。
車の維持費:意外と大きな負担なので、見直しで大きな節約になる
車を所有している方の場合、ガソリン代やメンテナンス代、車検代などの維持費が年間通すと家計の大きな負担になっているかもしれません。車関連の出費はさまざまな項目があるため、各項目を見直すことで節約効果が得られる可能性があります。
また、車の所有によってかかる維持費の負担を軽くするために、定額制のカーリースを利用するという方法も。カーリースで毎月支払う定額料金には、各種税金やメンテナンス代、自賠責保険料といった車の維持費が含まれるため、不規則になりがちな車に関する出費を一定にできます。リース期間中の自動車税(種別割)や車検時の法定費用などもかかりません。ほかにも、頭金や初期費用などが不要なので、乗り換えの時期でも安心です。
なお、カーリースの定額カルモくんでは、1年単位で契約期間を選べるので必要な期間だけマイカーを利用できます。もっとお得に使いたいという場合には、契約期間を長く設定すれば、月々のお支払いをさらに抑えられます。
各家電の使い方を見直して電気代を節約しよう
電気代は、毎日使う家電の使い方やプランの変更などによって、意外と手軽に節約できるものです。普段の電気製品の使い方を振り返り、契約内容なども見直して、電気代の節約に踏み出してみてはいかがでしょうか。また、電気代のほかにも携帯料金や各種サブスクリプションサービスなどの契約も見直すことで、さらに固定費の節約効果が得られるでしょう。
よくある質問
Q1:一人暮らしの電気代はどれくらい?
A:一人暮らしの勤労者世帯の月々の電気代の平均金額は4,739円ほどとなっています。ただし、季節によって月1,000〜2,000円の変動があるのが一般的です。
Q2:電気代はどうやって節約すればいい?
A:電気代を節約するためには、各家電の使い方を見直して節電したり、電力会社との契約を見直したりする必要があります。節電タップを使って待機電力を抑えたり、LED電球に変えたりなど、さまざまな工夫ができます。
Q3:電力会社との契約をどう変更すればいい?
A:まずはアンペア数が使用する容量に合っているかどうかを確認しましょう。その上で、基本料金の安い電力会社に切り替えたりプランを変更したりするのがおすすめです。
※記事の内容は2020年12月の情報で制作しています。