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岡崎五朗おかざきごろう

「スバルソルテラ/トヨタbZ4X公道試乗」箱根越えはめちゃめちゃ楽しかった!(岡崎五朗レポート)

「スバルソルテラ/トヨタbZ4X公道試乗」箱根越えはめちゃめちゃ楽しかった!(岡崎五朗レポート)
「スバルソルテラ/トヨタbZ4X公道試乗」箱根越えはめちゃめちゃ楽しかった!(岡崎五朗レポート)

スバルとトヨタの共同開発で生まれたバッテリーEVのソルテラ&bZ4Xは、500km前後の航続距離を誇るミドルクラスSUV。その実力を試すべく岡崎五朗さんが高速道路、ワインディング、一般道で試乗しました。

2人家族が1週間使う分の電力

2人家族が1週間使う分の電力

ソルテラとbZ4Xは、スバルとトヨタが共同開発したバッテリーEVだ。ネーミングや内装色、その他細かい違いはあるものの、両車とも「e-TNGA」と呼ばれるBEV専用プラットフォームを採用。そこに71.4kWhという大容量バッテリーを搭載する。71.4kWhという数字を出されてもピンとこない人も多いと思うので家庭の電力と比較してみよう。地域や建物の断熱性によって異なるが、平均すると2人家族が1日に使う電力量は10.5kWh。つまり、ソルテラ&bZ4Xには2人家族がほぼ1週間使う分の電力が蓄えられていることになる。

2人家族が1週間使う分の電力2

2人家族が1週間使う分の電力3

2人家族が1週間使う分の電力4

2人家族が1週間使う分の電力5

ではその電力でどの程度走れるのだろうか。ソルテラのカタログに記載された航続距離は、ベーシックグレードの前輪駆動モデルが567km、同4WDモデルが542km、上級グレード(4WDのみ)が487kmとなる。ほとんどの人は、これだけ走ってくれるなら安心できるねと思うだろう。けれど、ガソリン車同様、EVもカタログ燃費(電費)はあまり参考にならない。実際にどの程度走るのかは実際に走ってみなければわからない。

加減速が多いシーンでのエンジン車に対するアドバンテージは圧倒的

加減速が多いシーンでのエンジン車に対するアドバンテージは圧倒的

過去、bZ4Xはサーキットで、ソルテラは雪上で試乗をしているが、ようやく公道で試乗ができたので、今回は一般道や高速道路での走行フィールとともに、気になる電費についてもレポートしていく。最初に乗ったのはソルテラの上級グレード。東京都心を出発し、首都高速経由で東名高速方面に向かう。静粛性は当然高い。発進だけでなく、合流地点で急加速をしても車内は静かなまま。と同時に、アクセル操舵に対する加速の立ち上がりが素早く、変速ショックもないため運転していてストレスがまったくない。街中や混雑した都市高速といった加減速が多いシーンでのエンジン車に対するアドバンテージは圧倒的だ。

20インチタイヤを履いている割に乗り心地も悪くない。首都高速によくある金属ジョイント部も、タタンッと軽やかに乗り越えていく。そうそう、視界がいいため車両感覚の掴みやすさも印象的だった。

100km/h巡航では名古屋あたりで充電が必要に

100km/h巡航では名古屋あたりで充電が必要に

東名高速ではアダプティブクルーズコントロールを100km/hにセット。先行車との車間距離コントロールは的確だし、レーントレーシングアシストの挙動もほぼ完璧。高速域になっても風切り音が高まることもない。長距離ドライブの快適性も一級品だ。唯一気になったのは、電費が予想していたより伸びなかったこと。車載電費計は5.6km/kWhあたりを示していた。

100km/h巡航では名古屋あたりで充電が必要に2

厚木インターで小田原厚木道路に。ここからはクルーズコントロールを80km/hにセットした。すると電費は徐々に上がり、小田原西インターを降りたところで6.1km/kWhになった。航続距離は6.1×71.4=435km。100km/h巡航だと400km程度だろう。当日は暑すぎず寒すぎず電費には最高の条件だったが、たとえば東京から大阪に行くなら名古屋あたりで充電が必要になる。

SUVでありながら、結構なコーナリングマシンだ

SUVでありながら、結構なコーナリングマシンだ

箱根越えはめちゃめちゃ楽しかった。蹴飛ばされるような速さはないものの、動力性能は必要にして十分以上だし、素直で正確なハンドリングが思い通りのコーナーワークを味わわせてくれる。SUVでありながら、結構なコーナリングマシンなのである。

乗り味・走り味なら20インチ、航続距離ならFFの18インチタイヤ

乗り味・走り味なら20インチ、航続距離ならFFの18インチタイヤ

御殿場経由で富士スピードウェイに到着。そこでbZ4Xの前輪駆動モデルに乗り換え静岡駅に向かった。4WDと比べると軽快感がある反面、18インチタイヤはちょっと表面が固い。20インチタイヤと比べても荒れた路面での突き上げは大きめだ。20インチタイヤが走る、曲がる、止まる性能を重視しているのに対し、18インチタイヤは走行抵抗を減らし電費を高め航続距離を稼ぐことに重点が置かれているためだ。よって乗り味、走り味だけを考えれば20インチタイヤをオススメしたいのだが、電費の違いは結構大きい。同じルートではないため厳密な比較にはならないのだが、20インチの4WDと18インチの前輪駆動ではざっくり15%ぐらいは変わってきそうだ。

15%の差をどう考えるか。ロングドライブをあまりせず、なおかつ自宅充電ができる人は乗り味、走り味をとって20インチを選ぶといいだろう。そうでないなら足の長い前輪駆動の18インチがベストの選択になる。

買い方の違いが選択の決め手に?

買い方の違いが選択の決め手に?

ソルテラとbZ4Xに関しては、サスペンションチューニングやオーディオの音作り(ソルテラはしっとり系、bZ4Xは元気系)は異なるものの、好き嫌いがはっきり分かれるほどの大きな違いではない。むしろ、買い方の違い(bZ4Xはトヨタのサブスクだけ、ソルテラは一般的な車両販売)が選択の決め手になるだろう。

(写真:SUBARU、トヨタ)

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※記事の内容は2022年5月時点の情報で制作しています。

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