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岡崎五朗おかざきごろう

【試乗・岡崎五朗】スズキスイフト「軽自動車では絶対に味わえない余裕をもっている」

【試乗・岡崎五朗】スズキスイフト「軽自動車では絶対に味わえない余裕をもっている」
【試乗・岡崎五朗】スズキスイフト「軽自動車では絶対に味わえない余裕をもっている」

低価格と燃費を重視した車が多かった国産コンパクトのなかで、スズキ「スイフト」は走りの良さも妥協しないコンパクトカーとして評価されてきました。2023年12月13日に発売された4代目となる新型スイフト(172万7000円~233万2000円)は、そんな歴代モデルの良さを引き継ぎつつ、新しい息吹を感じさせる一台となっているようです。岡崎五朗さんの試乗レポートをお届けしましょう。

世界では軽自動車ではなくコンパクトカーが得意なスズキ

世界では軽自動車ではなくコンパクトカーが得意なスズキ

日本では軽自動車メーカーのイメージが強いスズキだが、年間販売台数300万台のうち軽自動車が占めるのはわずか6分の1。意外かもしれないが、スズキは「コンパクトカー作りが得意なメーカー」として世界中に進出している。なかでも主力となるのがスイフトだ。2004年の初代デビュー以来、累計販売台数は90万台に達している。今年中か、遅くとも来年の100万台達成は間違いない。

スイフトは妥協のないコンパクトカー

スイフトは妥協のないコンパクトカー

スイフトの魅力をひと言でいえば、「妥協のないコンパクトカー」となる。価格、燃費、居住性、デザイン、走り、安全性・・・コンパクトカーに求めるものは人それぞれだろうが、上記の要素をもれなく高いレベルでバランスさせているのがスイフトの強みだ。というと、個性のないクルマと思われるかもしれないが、そうではない。フィット、ヴィッツ(現ヤリス)、マーチ、コルトといった国産コンパクトカーが低燃費と価格の安さに寄ったクルマ作りをしてきたのに対し、スズキは「そこも大切だけど他の部分も同じように大切だよ」という思いでスイフトを作り続けてきた。その結果、スイフトは国産コンパクトのなかではもっとも走りのいいクルマとなったのだ。

質感とか親しみやすさとか落ち着き感とか、新しい息吹を感じる

質感とか親しみやすさとか落ち着き感とか、新しい息吹を感じる

4代目となる新型スイフトでもそんなキャラクターに変化はない。177.1万円〜、リッター25km超えと、価格も燃費も頑張っているが、実際にみて、乗り込んで、走り出せば、経済性だけでは語れないクルマであることに気付くだろう。

デザインで目を引くのが特徴的なクラムシェル型ボンネットフードと、そこからつながるボディサイドのキャラクターライン。このラインはリアフェンダー後方で消えかかりつつ、再びハッチゲートにつながってクルマ全体をグルリと囲む。歴代スイフトより伸びやかかつモダンに見えるのはこの処理の影響が大きい。

質感とか親しみやすさとか落ち着き感とか、新しい息吹を感じる

質感とか親しみやすさとか落ち着き感とか、新しい息吹を感じる

質感とか親しみやすさとか落ち着き感とか、新しい息吹を感じる

図らずも「スポーティーで走りのいいクルマ」というキャラクターが浸透してきたスイフトに、質感とか親しみやすさとか落ち着き感とか、そういった新しい息吹を吹き込み、新たな顧客層を呼び込むのが狙いだろう。より使いやすく、より質感を高めたインテリアと併せ、走りにこだわりのない人にも気に入ってもらいたい・・・そんなスズキの狙いがはっきりと伝わってきた。

もちろん、だからといってスイフトファンを見捨てたわけじゃない。新しい表現は入っているものの、ひと目でスイフトとわかるキャラクターは健在だし、何より走り出すとスイフトならではの価値が込められていることに気付く。

国産車の3気筒エンジンとしては文句なしにトップレベル

国産車の3気筒エンジンとしては文句なしにトップレベル

エンジンは新開発の1.2L直列3気筒。先代の1.2L直列4気筒よりスペックはわずかに落ちた。燃費を伸ばすには3気筒への置き換えが必須だったのは想像に難くない。問題は走りの質だ。試乗したのはマイルドハイブリッドモデルだった。

国産車の3気筒エンジンとしては文句なしにトップレベル

結論からいって、新しい3気筒エンジンはマイナスどころか日常域での走りにプラスの影響を与えている。とくに、アクセルを踏み込んだ瞬間の力感は明らかに4気筒より強い。それでいて、3気筒特有のノイズや振動はしっかり抑え込んでいる。山道や高速道路の120km/h区間も走ってみたが、遅いとか煩いといった印象はまったくなく、むしろ3気筒なのにここまで静かなのか、ここまでしっかり走ってくれるのか、という驚きの方が大きかった。国産車の3気筒エンジンとしては文句なしにトップレベルの出来映えだ。

長距離を走れば走るほど、疲れにくさとして実感できる

長距離を走れば走るほど、疲れにくさとして実感できる

足回りもいい。高速直進性にしろ、レーンチェンジ時の安定感にしろ、ワインディングロードでの安心感にしろ、軽自動車では絶対に味わえない余裕をもっている。最新の先進運転支援、とくに前後方向だけでなく左右方向までセンシングし、ウィンカーと連動してレーンチェンジ時の速度コントロールを支援してくれるアダプティブクルーズコントロールの出来映えは素晴らしかった。こうした性能や機能は、長距離を走れば走るほど、疲れにくさとして実感できるに違いない。

経済的で、乗って楽しいコンパクトカー

経済的で、乗って楽しいコンパクトカー

ここまでよくできていると、そう遠くない将来に追加されるであろうスイフト・スポーツへの期待が否応にも高まるわけだが、そこまでの性能を求めていない人にとっては標準グレードのバランス感こそ大きな魅力になる。経済的で、乗って楽しいコンパクトカーとして、新型スイフトは大いに注目すべき存在だ。

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※記事の内容は2024年3月時点の情報で制作しています。

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