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岡崎五朗おかざきごろう

【試乗・岡崎五朗】トヨタ アルファード/ヴェルファイア「走りはじめの10メートルで、これは高級車だねと太鼓判を押せる」

【試乗・岡崎五朗】トヨタアルファード/ヴェルファイア「走りはじめの10メートルで、これは高級車だねと太鼓判を押せる」
【試乗・岡崎五朗】トヨタアルファード/ヴェルファイア「走りはじめの10メートルで、これは高級車だねと太鼓判を押せる」

高級ミニバンのベストセラーとして君臨するトヨタアルファード/ヴェルファイア。今やその人気は日本のみならずアジアへと広がりつつあります。大きさや豪華さだけでなく、課題だった走りや乗り心地についても設計を一から見直したという新型「アルヴェル」を岡崎五朗さんが試します。

試乗してみて感じたのはそのハンパないほどの進化ぶり

試乗してみて感じたのはそのハンパないほどの進化ぶり

高級ミニバンの世界で一人勝ち状態を続けているアルファード/ヴェルファイアがフルモデルチェンジして4代目になった。試乗してみて感じたのはそのハンパないほどの進化ぶり。とくに先代の課題だった動的質感は1レベルどころか2レベルも3レベルも向上した。もし貴方が現行アルヴェルのオーナーで、しばらく買い換える予定がないのであれば、この原稿をこれ以上読み進めないことをオススメする。まかり間違って試乗などしたら、それこそ買い換えを真剣に考慮せざるを得なくなるだろう。

高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好き

高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好き

日産エルグランドやホンダエリシオン(2013年に生産中止)といったライバル達を尻目にアルファードが躍進した最大の理由は、ひとえにトヨタのほうが日産やホンダより「客が求めるもの」をよく理解していたからだ。もちろん、威風堂々としたスタイル、メッキを多用した厳つい顔、高いシートポジションによる見晴らしのよさ(見下ろし感)といった要素がすべての人から支持されているわけではない。なかには、あんなオラオラ感の強いクルマは嫌だという人もいる。けれど、非アルファード的な方向性を選択したエルグランドやエリシオンが売れたかというと答えはノー。結局のところ、高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好きなのだ。

高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好き

高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好き

高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好き

高級ミニバンを買い求める人の大部分はアルファードが提示する世界観が大好き

なかでも画期的だったのが、クラウンやレクサスLS、センチュリーといった高級セダンに代わる新たなショーファードリブンカー(運転手付きのクルマ)というポジションを築いたことだ。企業経営者、芸能人、政治家、スポーツ選手などがこぞってセダンからアルファードに乗り換え、その姿がテレビに写し出され、またSNSで拡散する度に、人々の意識には「アルファードは高級車である」という意識が刷り込まれていった。そんな価値観は日本だけにとどまらず、中国や東南アジアにも波及し、新しい高級車像を確立した。

見た目が豪華でも、室内が広くても、先代を高級車とは認められない

見た目が豪華でも、室内が広くても、先代を高級車とは認められない

乗り心地や静粛性に課題があった先代のアルファード/ヴェルファイア

とはいえ、実際に乗ってみると、高級車としては???という部分もあった。センチュリーはもちろん、クラウンと比べても乗り心地が明らかに悪かったのだ。荒れた路面ではゴツゴツした突き上げが目立ち、それに伴い2列目シートはブルブルと振動。静粛性も高級セダンには及ばず、高速では直進安定性の甘さや修正舵のあてにくさが気になった。高級車にとって乗り心地と静粛性は最重要項目であり、そこが満足いくレベルに達していない以上、いくら見た目が豪華でも、いくら室内が広くても、高級車とは認められないよね、というのが先代アルファードに対する僕の評価だった。

エグゼクティブラウンジの乗り心地は極上と言っていい

エグゼクティブラウンジの乗り心地は極上と言っていい

開発陣もそこのところは十分わかっていたはずで、新型では人間でいえば体幹にあたるボディ剛性を大幅に高めてきた。大きなスライドドアと高剛性ボディの両立は技術的に難しいが、ボディ設計を一から見直すとともに要所要所に補強材を加えるなどして、捻り剛性を1.5倍まで強化。同時に入念な遮音対策を施した結果、走りはじめの10メートルで「これは高級車だね」と太鼓判を押せるだけの性能を手に入れてきた。とくに17インチタイヤを履いた最高級グレード、エグゼクティブラウンジの乗り心地は極上と言っていい。ついでに言えば、直進安定性やステアリングの正確性、滑らかさも大幅に向上している。

様々なニーズに対応したパワートレーンを揃えている

パワートレーンは2.5L直4ハイブリッドと2.5L直4に加え、販売比率が5%にまで落ち込んでいたヴェルファイアには2.4Lターボを用意。動力性能と静粛性と燃費の3点がもっとも高度にバランスしているのはハイブリッドだが、2.5Lガソリンでも実用域ではとくに不足はない。もちろん、胸のすくような加速を求める人は2.4Lターボを選べばいい。このように様々なニーズに対応したパワートレーンを揃えているのも新型アルファード/ヴェルファイアのポイントであり、そう遠くない将来にはPHEVモデルも追加される予定だ。

パラダイムシフトを起こし得る実力モデル

パラダイムシフトを起こし得る実力モデル

乗り心地と静粛性という最後のピースを埋めることで、新型アルファード/ヴェルファイアはセダンに代わる新たな高級車としての地位をさらに固めることになるだろう。さらに言えば、初代ハリアーがプレミアムクロスオーバーSUVというマーケットを開拓したように、ミニバンが日本、アジアだけでなく、欧米でも新しい高級車として認められる時代がやってくるかもしれない。新型アルファード/ヴェルファイアは、そんなパラダイムシフトを起こし得る実力モデルに生まれ変わった。

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※記事の内容は2023年8月時点の情報で制作しています。

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