車をローン購入すると、返済期間に応じて金利がかかります。そのため、家計に余裕ができたタイミングで一括返済を考える方も多いでしょう。また、新しい車に乗り換えるために、一括返済を検討している方もいるのではないでしょうか。
そこで、車のローンの一括返済にどんなデメリットがあるのか、メリットや適したタイミング、手続き方法などについて、ファイナンシャルプランナーの伊藤真二さんの分析と併せて解説します。
- 車のローンを一括返済しても得にならないことがある
- すでに借入額の多くを返済していると、利息は減らない可能性が高い
- 返済にかかる手数料や返済方法などをあらかじめ確認しておくことが大切
ローンを一括返済して初期費用0円で新車に乗り換える方法とは?
車のローンを一括返済することのデメリットは?
利息の節約や乗換えのタイミングで、車のローンの一括返済をする場合には、どのようなデメリットがあるのでしょうか。一括返済で損をしてしまう前に、あらかじめ知っておきたい一括返済のデメリットについて見ていきましょう。
手数料がかかる場合がある
一括返済など、ローンの繰上返済には手数料がかかるのが一般的です。手数料は金融機関や契約内容によっても異なりますが、金融機関のカーローンでは3,000〜5,000円程度かかることもあるでしょう。なお、インターネットからの返済であれば手数料がかからないカーローンもあります。
また、ディーラーローンは購入店舗によっても手数料が異なり、残債などを考慮して計算されるため、一括返済を申し込む前に手数料を確認しておきましょう。
まとまったお金がかかる
一括返済するタイミングによっても異なりますが、残りの期間分の月々の返済額を一括で払うことになるので、まとまったお金がかかります。利息を節約するための一括返済が家計の負担になってしまう可能性もあるので、家計の収支を考慮して一括返済のタイミングを決めることが大切です。
また、車を乗り換えるために新たなローンを検討しているのであれば、新旧のローンを一本化できる「おまとめローン」なども増えているので、検討してもいいでしょう。
利息が減らないことがある
車のローンを一括返済すると元金が減るため、利息の節約につながります。ただし、すでに借入総額の多くを返済しているなど、一括返済のタイミングによっては手数料と利息が相殺されたり、手数料のほうが高くなってしまったりすることもあるでしょう。
そのため、手数料と節約できる利息をシミュレーションした上で、一括返済を検討することが大切です。
返済方法が限定されることがある
ローンによっては、繰上返済を受け付けているのが、銀行の窓口のみだったり、インターネットのみだったりと、返済方法が限られている場合もあります。また、金融機関のカーローンでは、窓口が開いている時間帯など、取扱時間が限定されることもあるので注意が必要です。
繰上返済の回数や期間が定められていることがある
ローンによっても異なりますが、中には繰上返済の利用上限回数が決められているカーローンもあります。そのため、一括返済をするまでに、繰上返済を利用したことがある方は、上限回数を確認しておきましょう。
また、繰上返済が可能な期間が決められているケースもあるので、繰上返済を予定している場合は、あらかじめ確認しておくと安心です。
繰上返済には、一括返済のほかに一部返済ができるローンもあります。ただ、こまめに繰上返済をすると、その度に手数料がかかってしまうため、手数料と利息のバランスは事前に考えておいたほうがいいでしょう。繰上返済をする予定であれば、あらかじめインターネットからの返済で手数料がかからないローンを選ぶのもおすすめです。
車のローンを一括返済するメリット
ローンの一括返済は、デメリットばかりではありません。特に、車両本体価格に上乗せされている利息総額を減らせるのは大きなメリットでしょう。ほかにも、乗換えを検討している方にとってもさまざまなメリットがあります。ここでは、車のローンを一括返済するメリットについて見ていきましょう。
利息総額を減らせる
車のローンではローンごとに金利が設定されており、一般的に金融機関のカーローンでは1〜2%、ディーラーローンでは4~8%の金利がかかります。また、車両本体価格と借入期間に応じて金利がかかり、元本と利息を合わせた金額を毎月返済していきます。
そのため、一括返済で元本をまとめて返済することで借入額が減り、利息総額を抑えることができます。無駄な利息の支払いを減らせるので節約にもつながるでしょう。
車の所有権が持てる
ローンを組んで車を購入すると、ローン会社やディーラー、信販会社などが所有権を持つケースがあります。そうした場合、自由に売却や廃車にすることができません。こうした理由から、買替えのタイミングで売却や廃車手続きをするために一括返済を検討するケースも多いでしょう。
なお、車のローンを一括返済すれば、名義変更をして車の所有権を持つことができるので、売却や廃車手続きも自由に行うことができます。
新たにローンを組みやすくなる
車のローンを組む際には、年収や現在の借入状況などを申告するのが一般的です。また、ローンを組む際には、年収に対する返済額の割合である返済負担率が定められています。なお、返済負担率は、年収400万円未満は30%、400万円以上は35%と、年収によっても割合が異なります。
そのため、現在の車のローン返済で返済負担率を超えていれば、新たなローンを組むことはできません。車の買替えや住宅ローンを組むときなどには、一括返済することで新たなローンも組みやすくなるでしょう。
月々の負担がなくなる
車のローンの返済は、月々に数万円と家計の負担になっていることも多いものです。そのため、臨時収入や積立などで一括返済すれば、月々の負担をなくすことができます。同じ車に乗り続ける場合でも、利息を節約できるだけでなく、家計の負担を減らすことにもつながるでしょう。
お金に余裕がある場合、一括返済は利息の負担を減らせる良い方法だと思います。しかし、修理やメンテナンスなど車に関する出費だけでなく、生活の中で突発的な出費が発生することもあるので、利息総額を減らすために無理に一括返済するのは避けたほうがいいでしょう。維持費を見直すだけでも節約につながるはずです。
車のローンを一括返済するべきタイミング
損をせずに車のローンを一括返済するには、タイミングが重要です。ここでは、ローンの一括返済に適したタイミングを見ていきましょう。
臨時収入など家計に余裕ができたとき
車のローンを一括返済するときは、無理をしないことが大切です。そのため、貯金を取り崩して一括返済するよりも、ボーナスなどの臨時収入で家計に余裕ができたときが最適なタイミングといえるでしょう。ただし、車の維持にかかる費用など、家計のさまざまな支出も含めて、使い道をしっかりと考えた上で検討するようにしましょう。
新しい車に買い替えるとき
生活環境が変わったり家族が増えたりして、新しい車に買い替えるときも、ローンを一括返済するタイミングのひとつといえます。しかし、今の車を売却するとしても、所有権がなければ自由に売ることはできません。また、新たなローンを組むとしても、返済負担率を超えてしまう可能性もあります。
そういった場合は、現在のローンを一括返済した上で新たなローンを組むか、ローンを一本化できるおまとめローンなどを検討することになるでしょう。ほかにも、現在の車を下取りにして、一括返済の費用に充当する方法もあります。
廃車にしたいとき
買替えと同様に、廃車にする場合も所有権が必要となるため、現在のローンを一括返済して所有権を取得しなくてはいけません。なお、事故などによって廃車になってしまった場合は、ローン会社から一括返済を求められるケースもあります。
車のローンにおける利息の計算方法
車のローンの一括返済を検討する上で、残りの利息の計算は不可欠です。しかし、どのように計算していいかわからない方もいるでしょう。利息の計算方法には「アドオン方式」と「実質年率方式」の2種類があるため、それぞれの計算方法について解説していきましょう。
アドオン方式
アドオン方式とは、ローンの借入額に対して返済期間に応じた利率を適用する方法です。元金と利息の合計額を返済期間で割ることで月々の返済額を決めるため、返済額の計算がしやすいという特徴があります。一方で、総額に対して利息を計算するため、金利が高くなりやすいという特徴もあります。
(借入額 × 実質年率) ÷ (365日 × 支払い月の日数)= 当月分の返済額
実質年率方式
実質年率方式は車のローンだけでなく、住宅ローンでも用いられることが多い計算方式で、ローンの残債に対して金利を適用する方法です。そのため、返済済みの金額によって、今後の返済額が変わることになります。
(借入残高 × 実質年率) ÷ (365日 × 支払い月の日数)= 当月分の返済額
どちらの方式で計算すればいいかどうかは、契約書などで確認することができます。しかし、利息の計算は複雑なので、ローンを組んだ販売店に問い合わせたりシミュレーションツールを使って確認したりするのがおすすめです。
ちなみに、ローンで購入した場合には必ず金利がかかりますが、車のサブスクリプションと呼ばれるカーリースは貸付ではないので金利の概念がありません。もし利息の負担が大きいと感じるなら、そういった方法で車を乗り換えるのもいいのではないでしょうか。
シミュレーション結果
総返済額
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円
通常月
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円
ボーナス月
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円
年間のご返済額
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円
※処理方式の違いによって、実際の返済額とは差異が生じることがあります
車のローンを一括返済する方法
デメリットも考慮した上で、車のローンを一括返済したいとき、どのような方法で返済するのでしょうか。ここでは、車のローンを一括返済する方法について見ていきましょう。
手続きの方法
残債の一部を繰上返済する際は、インターネットで手続きできることもあります。しかし、一括返済では、電話や郵送などでの手続きが必要なこともあるので、まずはローン会社の公式サイトや契約書などで確認してみましょう。なお、郵送での手続きが必要な場合は、時間がかかる可能性もあるので、早めに準備を始めると安心です。
支払方法
毎月の返済は指定口座からの引き落としが一般的ですが、一括返済の際は支払方法が異なる場合があります。手続きの方法と併せて、支払方法も確認しておきましょう。なお、ローンの返済と同じ口座もしくは別の指定口座からの引き落としのほか、窓口での支払いや銀行振込が求められるケースもあります。
支払日
インターネットでの手続きであれば、ネットバンクなどを使ってその日に支払えることもあります。しかし、そのほかの方法の場合、支払日が指定されることもあるので、事前に確認しておきましょう。なお、引き落としの場合は、残高も確認しておくと安心です。
ローンを一括返済して初期費用0円で新車に乗り換える方法が人気!
ローンを一括返済して利息分を節約しても、新たにローンを組んで車を買い替えるとなると初期費用などのまとまった費用が必要となります。また、できるだけローンの利息を減らすために、頭金を用意することもあるでしょう。しかし、最近では、ローンで車を買うよりも家計への負担を減らせるカーリースを利用する方が増えています。
そこで、新たにローンを組むよりも初期費用0円で新車に乗り換えられるカーリースがおすすめの理由について見ていきましょう。
1. 初期費用や頭金がいらない
カーリースは車のサブスクリプションとも呼ばれている定額制のサービスです。そのため、頭金としてまとまったお金を用意しなくても、新しい車に乗り換えることができます。
また、ローンで車を購入するときには各種税金や自賠責保険料、各種手数料がかかりますが、カーリースの月額料金にはそれらの費用が含まれているため、初期費用として用意する必要がありません。このような特徴から、ローンの一括返済に貯金を使ってしまったとしても、手軽に新車でのカーライフを始めることができます。
2. 維持費を定額にできる
ローンで車を購入した場合、月々の返済に加えてさまざまな維持費がかかります。年に一度の自動車税(種別割)や車検時の法定費用、その都度かかるメンテナンス費用などを負担に感じていた方も多いのではないでしょうか。また、車検の費用は10万円以上かかることもあることから、車検のために備えている方も多いでしょう。
しかし、カーリースであれば、月額料金に法定費用などの維持費が含まれているだけでなく、車検などのメンテナンス費用も定額化することが可能です。そのため、車の維持にかかる費用のほとんどをフラットにすることができます。
3. 契約や手続きの手間がかからない
車をローンで購入した場合、自動車販売店やディーラーなどに出向いて契約手続きをするのが一般的です。また、納車などの手続きで来店を求められるケースもあるでしょう。
しかし、カーリースの中には、オンラインでサービスを提供しているリース会社もあります。そういったリース会社を選べば、申込みや契約の手続きもオンラインや郵送で行うことが可能です。さらに、自宅まで納車してくれるカーリースであれば、忙しい方でも契約や手続きの手間をかけずにカーライフを始めることができます。
4. 車検などのメンテナンスが受けやすい
車をローンで購入した場合は、ディーラーや自動車販売店で整備などを行うこともありますが、自身でメンテナンスを受ける業者を探すのが一般的です。また、できるだけ費用を抑えるために、複数の業者を比較検討して探す方も多いのではないでしょうか。
しかし、提携業者のあるカーリースであれば、メンテナンスが手軽に受けられます。さらに、メンテナンス費用もコミコミにできるプランを利用すれば、相見積もりなどで比較する手間もかかりません。
5. 長期的にサポートが受けられる
車をローンなどで購入した場合でも、アフターサポートや保証などを利用できる場合もあるでしょう。しかし、有料での追加が必要だったりサービス自体がなかったりするケースもあります。
一方、月額料金にサポート料が含まれているカーリースもあるので、そういったカーリースを利用すれば、長期的にサポートが受けられます。
月々10,000円台で新車に乗り換えられるサービスとは?
ローンを組んで車を購入する際、月々の返済額を20,000〜30,000円で設定する方も多いのではないでしょうか。しかし、月々数万円の返済に維持費を加えると、家計の負担になってしまうでしょう。
業界最安水準のカーリースの「おトクにマイカー 定額カルモくん」であれば、月々10,000円台で新車に乗り換えられるので、家計に優しいカーライフを送ることができます。そのしくみについて詳しく見ていきましょう。
業界最安水準の料金で新車に乗れる
定額カルモくんでは月々12,490円からという業界最安水準の月額料金で新車に乗ることができます。新車をローンで購入するとなると、月々の返済額は20,000〜30,000円になることが多く、家計の負担になってしまいます。
しかし、定額カルモくんのカーリースならさまざまな維持費を含めても月々10,000円台から利用できるので、家計の負担軽減にもつながります。また、安いカーリースによくある頭金やボーナス払いの設定もないので、出費をフラットにしてカーライフを送ることができます。
国産メーカー全車種・全グレードから選べる
定額カルモくんでは、国産メーカーの全車種の全グレードを取り扱っています。そのため、新車購入と変わらない豊富な選択肢の中から、好きな車種を選ぶことができます。
なお、カーリースの中には、取扱車種が少なかったりグレードの選択肢がベースグレードのみだったりすることもあります。乗りたい車種が決まっている場合も、予算などに合わせて柔軟に契約プランが選べるように、選択肢が豊富なサービスを選んでおくのがおすすめです。
将来的にマイカーにできる
カーリースを初めて利用する方の中には、返却を前提にしている点をデメリットに感じている方もいるでしょう。しかし、定額カルモくんには月々500円プラスするだけで契約満了時に車がもらえるプランがあります。
そのため、初期費用や当面の維持費の負担を抑えながら、将来的にマイカーを手に入れることができます。なお、もらえるオプションは、7年以上で契約の全車種を対象としているので、車両本体価格が高額なミニバンやSUVなどにも乗りやすいのではないでしょうか。
そのほかにも、定額カルモくんには次のようなメリットがあります。
- 車検やメンテナンス費用を定額化できるメンテナンスプランがある
- 7年以上で契約するだけで走行距離が無制限になる
- メーカー保証と同等の保証を契約満了まで延長できる
- サポートが充実している
また、一般的にカーリース契約にはローンと同様に審査があり、中には、審査に不安を感じている方もいるでしょう。定額カルモくんの利用者には、ローン審査に落ちてしまった経験がある方も多いため、心配な場合には5分程度で簡単に申込みできる「お試し審査」で、利用できるかチェックしてみてはいかがでしょうか。
ほかの選択肢も含めてローンの一括返済を検討しよう
ローンの利息の負担を少しでも減らしたい一方で、一括返済をしても手数料と相殺されてしまうケースもあります。そういった場合には、ローンは引き続き少しずつ返済しながら、月々の料金が安いカーリースなどで新たな車を手に入れるのもひとつの方法です。なお、ローンの返済中は車の売却や譲渡ができないケースもあるので注意が必要です。
よくある質問
Q1:車のローンを一括返済するデメリットは?
A:一括返済するタイミングによっても異なりますが、残りの期間分の月々の返済額を一括で払うことになるので、まとまったお金がかかります。また、一括返済のタイミングによっては手数料と利息が相殺され、手数料のほうが高くなってしまうこともあるでしょう。
Q2:ローンの一括返済に適したタイミングはある?
A:車のローンを一括返済するときは、無理をしないことが大切です。そのため、貯金を取り崩して一括返済するよりも、ボーナスなどの臨時収入で家計に余裕ができたときが最適なタイミングといえるでしょう。また、生活環境が変わったり家族が増えたりして、新しい車に買い替えるときも、ローンを一括返済するタイミングのひとつといえます。
※この記事は2022年5月時点の情報で制作しています