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【試乗】トヨタ「クラウンスポーツ」SUVの皮を被った4人乗りスポーツカー(萩原文博レポート)

【試乗】トヨタ「クラウンスポーツ」SUVの皮を被った4人乗りスポーツカー(萩原文博レポート)
【試乗】トヨタ「クラウンスポーツ」SUVの皮を被った4人乗りスポーツカー(萩原文博レポート)

新世代クラウンの第2弾として2023年10月に発売されたトヨタ「クラウンスポーツ」。クーペライクなスタイルと21インチ大径タイヤが印象的なSUVモデルです。そのハイブリッドモデルの試乗インプレッションを、自動車評論家の萩原文博さんのリポートでお届けします。

「美しいデザイン」と「楽しい走り」を追求したモデル

「美しいデザイン」と「楽しい走り」を追求したモデル

2022年7月、高級車の代名詞と言えるトヨタクラウンは、歴代モデルで培った「革新と挑戦」のDNAを受け継ぎつつ、ユーザーの多様な価値観とライフスタイルに寄り添う新時代のフラッグシップモデルとして、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという4つのバリエーションを公開しました。第1弾として2022年にセダンとSUVを融合した革新的なパッケージのクラウンクロスオーバーが登場しました。続く第2弾モデルとして、2023年10月にクラウンスポーツが販売開始されています。今回デリバリーが開始されたばかりのクラウンスポーツに試乗することができましたので、インプレッションを紹介しましょう。

「美しいデザイン」と「楽しい走り」を追求したモデル

クラウンスポーツは10月6日にハイブリッド車(HEV)、そして12月19日にプラグインハイブリッド車(PHEV)が販売開始となっています。車両本体価格はHEVのスポーツZが590万円、PHEVのスポーツRSが765万円。4モデル用意されている現行型クラウンの中で、このスポーツは、新しいスタイルのSUVとして、感性に響く「美しいデザイン」と「楽しい走り」を追求したモデルという位置付け。ボディサイズは全長4,720mm×全幅1,880mm×全高1,565mm。ホイールベースは2,770mm、最低地上高は160mmです。

大きく張り出したリアフェンダーと21インチタイヤの存在感

大きく張り出したリアフェンダーと21インチタイヤの存在感

クラウンスポーツの外観デザインは、流麗なルーフラインを採用したクーペのようなスタイルが特徴です。最も特徴的なのが、Dピラーからリアタイヤに大きく張り出したフェンダー。このアスリートの筋肉を彷彿させるフェンダーのデザインによって、スポーティさと躍動感を表現するだけでなく、ダイナミックで低重心な印象を高めています。また21インチという大径タイヤが存在感を際立たせて、スタンスの良さにも寄与しています。

大きく張り出したリアフェンダーと21インチタイヤの存在感

クラウンスポーツのフロントマスクは、進化した「ハンマーヘッドフェイス」を採用しています。レンズ幅を薄くしたデイランプを黒色部分に集約することで、よりシャープで精悍な表情を作り出しました。このワイドに構える表情がスポーティさを演出しています。

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

インテリアは、ディスプレイやシフトなどの各種機能をまとめて島(アイランド)のように配置する「アイランドアーキテクチャー」を活かし、運転席と助手席をアンシンメトリーなデザインを採用しています。運転席側は、ドライバーへの集中力を高めることを狙いブラックで統一。一方の助手席にはリラックスした空間を演出するための素材と配色を採用しています。

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

メーターやディスプレイを水平に集約したコックピットには、12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイを採用。そしてセンターパネルには直感的に操作できるインターフェイスを採用した12.3インチのディスプレイオーディオ(コネクテッドナビ対応)プラスを設置。さらに運転に必要な情報をウインドシールドガラスの視野内に投影するカラーヘッドアップディスプレイを採用するなど先進性が強調されています。

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

運転席と助手席で異なるアンシンメトリーなデザイン

クラウンスポーツのシート表皮は本革を採用。フロントシートはシートポジションを電動で調整できるパワーシートです。さらにシートヒーターとシートベンチレーション機能を装備しています。クラウンらしい上質さを追求した室内空間には、乗員同士の会話がしやすい空間を実現するために、室内音が反射する「調音天井」をトヨタで初めて採用しています。さらに、スタイリッシュなデザインながら、大径タイヤの採用によって得られた高いヒップポイントによる乗り降りのしやすさなど利便性、快適性の高さも確保しています。

ハイブリッドとPHEVで電気式4WDのみの設定

ハイブリッドとPHEVで電気式4WDのみの設定

クラウンスポーツに搭載されているパワートレインは、システム最高出力234psを発生する2.5L直列4気筒エンジンのパラレルハイブリッドシステムと、システム最高出力306psを発生する2.5L直列4気筒エンジンのプラグインハイブイッドシステムの2種類です。組み合わされるトランスミッションはCVTで、駆動方式はE-Fourと呼ばれる電気式4WDシステムのみ。燃費性能はWLTCモードでHEVは21.3km/L、PHEVは、20.3km/Lを実現。またPHFVは満充電時のEV走行距離は90kmを達成し、航続走行距離は1,200km以上を実現しています。

ハイブリッドとPHEVで電気式4WDのみの設定

運転支援システムは最新版の「トヨタセーフティセンス」。従来の機能に加えて、先行車やカーブに対して減速支援とステアリングの支援を行う「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」を搭載し、トヨタチームメイト「アドバンスドドライブ(渋滞時支援)」、「アドバンストパーク(リモート付)を設定。高速道路渋滞時での一定条件下の運転負荷軽減や安全安心な駐車支援を実現しています。また、トヨタスマートセンターと連携するセンター通信型コネクテッドナビの対応に加えて、通信が途切れて万一保持する地図情報の外に出てしまった場合でも、続けてナビ機能が利用できる車載ナビを搭載するなど高いホスピタリティを誇っています。

ハリアーよりスタイリッシュでエモーショナル

ハリアーよりスタイリッシュでエモーショナル

今回試乗したのは、車両本体価格590万円のスポーツZです。クラウンスポーツのモデル体系はHEVがスポーツZ、PHEVはスポーツRSのモノグレードとなっています。トヨタハリアーもクーペスタイルのSUVですが、クラウンスポーツはさらにスタイリッシュかつエモーショナルな外観デザインで、スポーツという名前にピッタリです。

ハリアーよりスタイリッシュでエモーショナル

クラウンスポーツの外観でそのスポーティさを強烈にアピールしてくるのが、21インチアルミホイールに組み合わされた235/45R21という大径のタイヤです。装着されているタイヤのブランドはミシュランのe-プライマシー。この標準装着されているタイヤのブランドを見ただけで、開発陣の熱量の高さを感じさせます。

2枚の12.3インチディスプレイが並ぶインテリアは、助手席側は開放感が漂い、対照的に運転席側は包まれ感のあるタイトな空間を演出しています。本革を採用した運転席は、除電スタビライジングプラスシートを採用。これは運転席の一部に除電機能付き表皮を採用し、タイヤ周りの帯電を低減することで、安定した車両挙動を可能として、より疲れにくいドライビングに効果を発揮するというユニークなものです。

GR86のようなスポーツカー的なハンドリング

GR86のようなスポーツカー的なハンドリング

21インチという大径タイヤを装着したクラウンスポーツZの引き締まった乗り味は、普通のSUVとは一線を画しています。硬めに設定されたサスペンションは、21インチタイヤとの相乗効果により、しなやかさとシャープさを両立させており、ドライバーの意のままにコントロールすることが可能です。ステアリング操作やアクセルペダルのレスポンスも速く、同じトヨタのSUVであるハリアーやRAV4とは全く違います。どちらかというとGR86のようなスポーツカー的なハンドリング性能を実現しています。

カテゴリー上はSUVに分類されるが……

カテゴリー上はSUVに分類されるが……

最初は、ハリアーやRAV4、レクサスNXなどヒットモデルがあるトヨタのミドルサイズSUVにクラウンスポーツは必要なのかと考えました。試乗するとクラウンスポーツは、カテゴリー上はSUVに分類されますが、ランボルギーニウルスのように、4人乗りのスポーツカー(クラウンの定員は5人ですが)というのが最もクラウンスポーツに相応しいカテゴリーと言えるでしょう。動力性能はシステム最高出力234psのハイブリッドでも十分ですが、クラウンスポーツのポテンシャルを最も表現できるのは306psのプラグインハイブリッドでしょう。

 

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※記事の内容は2023年12月時点の情報で制作しています。

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