スズキのローンを徹底解説！金利やシミュレーション、選び方のコツを紹介

カーローンは車の購入費用を分割で支払える方法です。ただし、借入れできる金額や期間、金利などは利用するローンによって異なるため、ローン選びは慎重に行う必要があります。

スズキ車の購入を検討している場合、金融機関などが提供するローンのほかに、スズキ独自のローンを利用することも可能です。そこで、スズキ車の購入に最適なローンの選び方について、スズキのローンの特徴や種類、金利相場などと併せて解説します。

スズキ車の購入に使用できるローンの種類は？

車の購入に利用できるローンには、大きく分けて「銀行系カーローン」「ディーラーローン」「自社ローン」の3つがあります。それぞれに特徴が異なるため、カーローンの利用を検討している場合は、事前に違いを把握しておくことが大切です。

銀行系カーローン

銀行系カーローンとは、銀行や信用金庫などの金融機関が提供するカーローンです。用途は基本的に車の購入に限られますが、登録諸費用なども含めた金額を借りられるケースもあります。

借入可能期間は10年など長めの設定で月々の返済額を抑えやすいほか、年2回、ボーナス時期に返済額を増やして、月々の返済額を低くしたり返済期間を短くしたりすることも可能です。

なお、銀行系カーローンの利用には審査があり、利用できるかどうか、利用できる場合はどれくらいの金利でいくらまで借入れできるかが決まります。金利相場は1～4％とほかのカーローンに比べて低めですが、審査は厳しい傾向があります。また、借入先によっては頭金が必要な場合もあります。

ディーラーローン

メーカーと特約店契約を結んだ正規販売店であるディーラーが提供するカーローンです。スズキでは、「スズキファイナンス」が提供するローンがディーラーローンにあたります。

ディーラーローンは車の購入手続きと同時に申込みを行えて手間がかからない上、審査時間が短く、銀行系カーローンに比べて審査のハードルが低いともいわれています。
一方、金利は3～8％と高めの傾向があり、借入可能期間も最長で5年程度と銀行系カーローンに比べて短めです。

昨今は、3年や5年など短期で乗り換えることを前提とした「残価設定ローン」を取り扱うディーラーも増えています。
残価設定ローンは、設定した年数が経過した際の想定下取り価格（残価）をあらかじめ最終回の返済に据え置き、残りの額を分割で返していくしくみのため、月々の返済額を抑えることができます。
ただし、車の実際の価値が残価を下回らないように、走行距離やメンテナンスの頻度などに制約があります。また、車の状態によっては、最終回の返済時に残価との差額を請求される場合もある点に注意が必要です。

自社ローン

自社ローンは、販売店が立て替えてくれた車の購入代金を分割で返していくしくみの支払い方法です。
車の購入資金を貸し出すカーローンのような金融商品ではないため、金利はかかりません。また、審査も販売店独自の基準で行うことで、信用情報に不安がある方でも利用できる場合があります。

金利がかからないため利息負担はありませんが、一般的なカーローンの利息にあたる費用を保証料や手数料などとして支払う必要があるケースも多く、総額で見ると一般的なカーローンより高額になりやすい点は考慮しておきましょう。
また、借入可能期間も1～2年程度と短めで、借入可能額も一般的なローンに比べて少額な傾向があります。さらに、返済期間中の車の名義は販売店となるので、返済が滞ったときや、販売店が倒産した際などは、車を引き揚げられるリスクもあります。

スズキのローンの詳細は？

スズキのディーラーローンを提供する「スズキファイナンス」は、スズキの新車や一定の条件を満たした中古車に利用できる残価を据え置かない一般的なローンと、近年利用者が増えつつある残価設定ローンの設定があります。ここでは、それぞれのローンの詳細を見ていきましょう。

一般的なローン

残価や据置額を設定せず、借入元金を指定した期間で均等に割って返済していく一般的なローンでは、実質年率は6.8％程度で、返済回数は6～72回から選べるほか、ボーナス払いの有無も選択できます。なお、月々の返済額は5,000円以上、ボーナス払いの下限額は5,000円です。

頭金やボーナス払いの併用によって返済プランを自由に設計できることに加え、最終回まで同じ金額を返済するため見通しが立ちやすく、自身の返済能力に合わせて利用できるのが魅力です。

残価設定ローン

スズキでは、残価設定ローンを2種類用意しています。

かえるプラン

「かえるプラン」は残価を設定して最終回の返済に据え置き、最終回までは車両本体価格から残価を引いた残りの金額を分割して返済するローンで、月々の返済額を一般的なローンより抑えられることが特徴です。乗用車に関しては3年または5年の返済期間から選択が可能です。

商用車は原則としてかえるプランは利用できませんが、「エブリイJOIN」のみ利用可能で、エブリイJOINを選択した場合は返済期間の選択肢は4年のみとなります。実質年率は、軽自動車は3.9％、登録車は2.9％で、返済期間による実質年率の差はありません。

最終回の返済はスズキ車に乗り換える、車両を売却する、残価を返済してそのまま乗り続ける、の3パターンから選べますが、乗り換えや売却の場合、車の状態によっては残価との差額精算が生じることもあります。

また、かえるプランには「スズキ安心メンテナンスパック」が付属するのも大きな魅力といえるでしょう。返済期間中は半年ごとの規定の点検（法定点検・車検含む）とエンジンオイル交換がついていることに加え、1年に1度のエンジンオイルフィルター交換もあるため、安心してカーライフが楽しめます。なお、車検の法定費用は別途必要です。

さらに、スズキの新車に乗り換える、または売却を選択した場合はキャッシュバックもあります。さまざまな特典があり、返済額を抑える以外のメリットも多いプランといえるでしょう。

「安心60プラン」

「安心60プラン」は申込時に60～75歳の方が対象の残価設定ローンです。返済期間中に病気やケガ、運転免許の返納などで運転ができなくなった場合は、車を返却することでローン残金の返済が不要になる中途解約特約や、病気やケガについての相談や緊急時の対応などについて、いつでも電話で無料相談が受けられる「メディカルアシストサービス」がついているのが特徴です。

実質年率は軽自動車5.9％、登録車は4.9％とかえるプランよりも高く、返済回数は5年のみ。また、利用できる車は四輪乗用車のうち「サポカー」の認定を受けている車両に限られます。

そのほか、スズキ安心メンテナンスパックやキャッシュバック特典はかえるプランと変わりありません。

スズキのローンで「ハスラー」を購入したら返済額はいくらになる？

選択肢が豊富なスズキのローン。どの方法を選べばいいかは希望の返済プランによって異なりますが、無理なく返済できるプランを見つけるには、実際の返済額や返済総額をシミュレーションしてみるのがおすすめです。
そこで、スズキ「ハスラー」を例に、スズキのローンそれぞれを利用した場合の返済額をシミュレーションで比較してみましょう。

なお、車種は「ハスラー」のHYBRID Gの2WD車、メーカー希望小売価格 136万5,100円、車両本体価格＋諸費用145万620円をモデルとし、シミュレーションは「スズキファイナンス」のシミュレーターを使用。返済回数は60回、頭金・ボーナス払いなし、残価設定型のローンの月間走行距離は1,000kmのケースで見ていきます。

一般的なローンのシミュレーション結果

〈シミュレーションによる返済額：実質年率6.8％〉

• 初回返済額：33,713円
• 2回目以降の返済額：28,500円
• 返済総額：171万5,213円

一般的なローンでは、初回の返済額は33,713円、2回目以降は28,500円となります。最終回の返済までずっと20,000円台で、最終回にも大きな返済が残っているわけではないので、まとまった出費に抵抗がある方には適したローンといえるでしょう。
頭金やボーナス払いを設定したり、返済回数を増やしたりすることでさらに月々の返済額を抑えられるため、自身の返済能力に合わせてプランを組める自由度があります。

かえるプランのシミュレーション結果

〈シミュレーションによる返済額：実質年率3.9%〉

• 初回返済額：23,996円
• 2回目以降の返済額：21,300円
• 最終回の返済額：37万2,300円
• 返済総額：163万1,696円

かえるプランでは、初回返済額は23,996円、2回目以降は21,300円と、一般的なローンより月々の返済額がかなり安く抑えられています。また、スズキでは一般的なローンよりもかえるプランの実質年率が低いため、総返済額も安いのは注目すべきポイントといえるでしょう。
しかし、同じハスラーにそのまま乗り続けるのであれば、最終回の返済には37万円超の大きな金額が必要です。

安心60プランのシミュレーション結果

〈シミュレーションによる返済額：実質年率5.9％〉

• 初回返済額：26,549円
• 2回目以降の返済額：22,900円
• 最終回の返済額：37万2,300円
• 返済総額：172万7,049円

高齢者向けの安心60プランはかえるプランと同じ残価設定型ではありますが、実質年率が高いため返済総額はかえるプランよりも高くなります。一方で、免許の返納などによって途中で車を返却した場合に残りのローンの返済が免除される特約や、メディカルアシストサービスなど高齢者にうれしいサービスが複数付属しており、安心してローンを利用したいと考える高齢者の方には適したプランといえるのではないでしょうか。

スズキ車購入に最適なローンの選び方

スズキ車の購入にはさまざまなカーローンを利用できますが、自身にとってどれが最適かは、重視する内容によって異なります。そのため、ポイントを押さえて検討するようにしましょう。

月々の返済額を抑えたい

月々の支出を抑えたいときは、返済期間が長期の銀行系カーローンがおすすめです。3～5年程度で乗り換えを検討している場合は残価設定型のスズキのローンも向いていますが、利用期間中の制約や、最終回の返済時に追加料金が発生する可能性も考慮する必要があります。

総額を安くしたい

最終的に支払う金額を抑えたい場合は、金利の低い銀行系カーローン、またはスズキのローンで最も返済総額が抑えられるタイプが向いているでしょう。
ただし、種類によっては月々の返済額が高くなったり、一時的にまとまった出費が必要になったりするケースもあるため、家計の状況に合わせて検討することが大切です。

審査に不安がある

すでに複数の借入れがある、信用情報に不安があるなど、審査通過に不安がある場合は自社ローンが適しています。
とはいえ、自社ローンでは借入期間や借入可能額、総額など条件が合わないケースも考えられます。そのような場合は、スズキのローンを利用できるかディーラーのスタッフに相談してみましょう。

購入予定のスズキ車でシミュレーションをしておこう

カーローンはどれを選ぶかで負担が大きく変わってくるため、事前にそれぞれの特徴を把握し、しっかりと比較をして自身に最適なものを選びましょう。購入したいスズキ車の金額でシミュレーションをして、具体的な返済プランを立てて検討するのがおすすめです。返済額の目安を知ることはオプションやグレードを決めるのにも役立ちます。

よくある質問

Q1：スズキのローンの特徴とは？

A：スズキのローンには、 一般的なローンに加え残価設定ローンが用意されています。なお、残価設定ローンは一般向けの「かえるプラン」と、申込時に60～75歳の方が対象となる高齢者向けの「安心60プラン」の2種類があり、安心60プランでは中途解約特約などの高齢者にうれしいサービスが付属します。

Q2：スズキ車購入に使えるローンは何がある？

A：「スズキファイナンス」が提供するローンのほか、金融機関から借り入れる銀行系カーローンや、販売店が独自に提供している自社ローンが利用できます。 カーローンを選ぶ際は、それぞれの違いをしっかりと理解して比較検討することが大切です。

Q3：スズキ車購入に使えるローンを選ぶ際のポイントは？

A：月々の返済額を抑えたい、審査に不安があるから利用できる可能性が高いローンがいいなど、ローンの利用に際しどのようなことを重視するかを明確にしておくことです。複数の種類があるスズキのローンから最適なものを選ぶ場合は、ディーラーのスタッフに相談してみるのもおすすめです。

※この記事は2021年10月時点の情報で作成しています
※ローンの種類や金利・返済回数などは時期や販売店によって異なります