一口に「軽自動車」といっても、最近は「スーパーハイトワゴン」や「SUV」など、そのボディタイプやキャラクターはさまざまです。そんななかから“どれ”を選べば、軽自動車ならではの経済性と利便性をフルに満喫でき、なおかつ毎日の生活をより豊かで楽しいものにできるのでしょうか?最新の「軽自動車人気ランキング」を発表するとともに、専門家が豊富な実例を交えて解説します。
- 軽自動車人気をリードしているのは「スライドドア付きのスーパーハイトワゴン」
- アウトドア人気を背景に「軽SUV」の需要も高まり続けている
- 今後は「軽EV」にも絶対に注目したい
さまざまなボディタイプで多彩なニーズに応える軽自動車は日本の誇り
そもそも「軽自動車」とは、一般的に「普通車」と呼ばれている車とは何が違うのでしょうか?また「軽自動車」のメリットとは、これも一般的にいわれているように「維持費が安い」ということだけなのでしょうか?それらの「軽自動車にまつわる“基本のき”」を、これまでの軽自動車の歴史を踏まえつつ、わかりやすくご説明します。
初代スズキ「ワゴンR」の誕生が軽自動車のイメージを変えた
「軽自動車」という規格は1949年に、誰もが入手しやすい小さな自動車を作ることで、戦後の経済成長の一助となることを目指して作られた規格です。つまり「庶民の生活に根ざした車である」ということです。
とはいえ1980年代ぐらいまでの軽自動車は「車内が狭くて動力性能も低い、でも安いからガマンできる」といったニュアンスの立ち位置でしたが、1993年に登場した「初代スズキ ワゴンR」が軽自動車のイメージと実質を大きく変えました。
それまでの軽自動車は背の低い乗用車型か、商用バンをベースに作られたワンボックスタイプしかありませんでした。しかし初代ワゴンRは乗用車型軽の車高をグッと高く設定して車内の空間を広げ、それでいて、それまでの背の低い乗用車型軽自動車以上にしっかり走り、デザイン的にもおしゃれである軽自動車に仕上がったのです。
この初代ワゴンR以降、日本の軽自動車は国民の暮らしのなかにさらにいい感じで溶け込み、そして初代ワゴンR以上に便利な、さまざまなボディタイプが誕生していくことになります。
国内専用ゆえに、グローバルな普通車以上にきめ細やかな作り
そもそも「軽自動車規格」というのは日本独自の規格で、国際的なものではありません。あくまでも「日本で暮らす人々が便利に、かつ経済的に使えるように」ということを目的としたドメスティックな規格なのです。
そのため軽自動車は「きめ細かな改善作業」を得意とする日本人の気質が背景にあるからでしょうか、グローバル市場を相手とする普通車以上に、独自のきめ細やかな進化を遂げてきました。
前出の初代スズキ「ワゴンR」は「軽トールワゴン」というジャンルを創出したわけですが、いつしかそれを上回る背の高さ「軽スーパートールワゴン」も登場し、現在ではそれが軽の主流になっています。また普通車ではありがちな「趣味性うんぬん」以上に「とにかく生活必需品としての使い勝手が良いこと」が最重要視されますので、ドリンクホルダーやサーキュレーターなどの「かゆいところに手が届く系の装備」は、グローバル基準で作られている普通車以上に気が利いています。
これは、あえて悪くいうならガラパゴス的進化なわけですが、しかし「日本国内で車を便利で経済的な道具として使いたい」と考える場合には、「これこそが最適な進化である」ということができます。
軽自動車人気ランキング!上位はスライドドア付きが占める
まずは「とりあえず今、売れてる軽自動車は何なの?」ということを把握するため、昨年1年間の総合販売台数ランキングと、直近である2023年1月の最新販売台数ランキングを見てみましょう。基本的には「スライドドア付き」のモデルが上位を占めていますが、そうではない「個性派軽自動車」も、それなり以上の人気を集めているようです。
■2022年(1~12月)軽自動車販売台数ランキング
順位 | 車名 | ブランド名 | 台数 | 前年比 |
---|---|---|---|---|
1 | N-BOX | ホンダ | 202,197 | 107.0 |
2 | タント | ダイハツ | 107,810 | 92.2 |
3 | スペーシア | スズキ | 100,206 | 77.8 |
4 | ムーヴ | ダイハツ | 94,837 | 99.0 |
5 | ワゴンR | スズキ | 82,213 | 119.2 |
6 | ルークス | 日産 | 72,600 | 85.7 |
7 | ハスラー | スズキ | 70,373 | 85.3 |
8 | アルト | スズキ | 67,204 | 110.3 |
9 | ミラ | ダイハツ | 65,317 | 99.3 |
10 | タフト | ダイハツ | 56,861 | 91.3 |
11 | デイズ | 日産 | 43,864 | 81.6 |
12 | N-WGN | ホンダ | 42,330 | 83.4 |
13 | ジムニー | スズキ | 41,405 | 105.0 |
14 | eK | 三菱 | 27,145 | 79.6 |
15 | サクラ | 日産 | 21,887 | 22年6月発売 |
※ 車名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
※eKにeKクロス EVは合算していません
2022年もホンダ「N-BOX」に代表される「軽スーパーハイトワゴン=とても背が高い、スライドドア付き軽乗用車」の人気は圧倒的で、ぶっちぎりの1位はやはりホンダ「 N-BOX」。そしてN-BOXの数には及ばないものの、同じく軽スーパーハイトワゴンであるダイハツ「タントと」スズキ「スペーシア」も、他のジャンルに属するモデルを大きく引き離しています。
とはいえスズキ「ハスラー」やダイハツ「タフト」といった「軽SUV」も相変わらず堅調で、スズキ「スペーシア ギア」やダイハツ「タント クロス」などの「軽クロスオーバー」もよく売れている模様。さらには「軽セダン」と呼ばれるベーシックなボディを持つスズキ「アルト」やダイハツ「ミラ」も、依然として手堅く売れ続けています。2022年はこれらに加えて日産「サクラ」や三菱「eKクロスEV」など「軽EV(電気自動車)」の人気が高まり始めたことも大きな特徴です。
軽自動車は今、スライドドアがついた軽スーパーハイトワゴンが市場を牽引しつつも、決してそれだけではなく、多種多様なタイプが幅広く売れているという「百花繚乱」の時代を迎えている――ということができるでしょう。
■2023年1月軽自動車販売台数ランキング
順位 | 車名 | ブランド名 | 台数 | 前年比 |
---|---|---|---|---|
1 | N-BOX | ホンダ | 19,792 | 103.0 |
2 | タント | ダイハツ | 14,330 | 179.4 |
3 | ムーヴ | ダイハツ | 10,238 | 130.0 |
4 | スペーシア | スズキ | 10,189 | 184.8 |
5 | ルークス | 日産 | 7,956 | 265200.0 |
6 | ハスラー | スズキ | 7,180 | 153.6 |
7 | ワゴンR | スズキ | 7,157 | 120.9 |
8 | アルト | スズキ | 5,453 | 103.3 |
9 | ミラ | ダイハツ | 4,901 | 109.9 |
10 | タフト | ダイハツ | 4,788 | 104.6 |
11 | サクラ | 日産 | 4,213 | 22年6月発売 |
12 | N-WGN | ホンダ | 3,690 | 129.7 |
13 | ジムニー | スズキ | 2,740 | 74.9 |
14 | eK | 三菱 | 2,183 | 120.8 |
15 | デイズ | 日産 | 2,078 | 40.3 |
※ 車名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
※eKにeKクロス EVは合算していません
直近の販売台数ランキングである「2023年1月の数字」を見ても、個別の順位にさまざまな変動はありますが、全体的なトレンドは特に変わっていないといえます。
すなわちN-BOXとタント、スペーシアといったスライドドア付きの軽スーパーハイトワゴンが市場をリードしているものの、それ以外の軽SUV(スズキ「ハスラー」など)や軽トールワゴン(スズキ「ワゴンR」など)も相変わらず堅調で、ベーシックな軽セダン(スズキ「アルト」など)も手頃な車両価格であることから、それなりの人気を維持しています。また軽EVである日産「サクラ」も依然として好調のようです。
次章では、これらの「売れてる軽自動車」を5つのカテゴリーに分類し、それぞれのおすすめモデルを考えてみたいと思います。
なんだかんだで一番便利!「スーパーハイトワゴン+スライドドア付きトールワゴン」
「とっても背が高い軽」であるスーパーハイトワゴンと、「まあまあ背が高い軽」であるトールワゴンに、「左右にスライドさせて開閉するタイプのドア」であるスライドドアがついていると、なんだかんだで実用性の高さは最強レベル。そういったタイプのおすすめは、下記の6モデルです。
第1位 ホンダ「 N-BOX」
これが日本で一番売れてる車!
正直、ここで1~3位としておすすめする軽スーパーハイトワゴン各モデルの実力差は、ほとんどありません。「どのモデルの使い勝手もほぼ同様に素晴らしいので、どれもおすすめ」ということです。
しかし、普通車を含めて「今、日本で一番売れてる車」であるホンダ「N-BOX」は、やはり売れているだけのことはあってどこにも隙がなく、使い勝手もデザインも、そして走りの安定感も、ほか2つの軽スーパーハイトワゴンと比べて「ほんの少しずつ上回っている」と感じられます。
またホンダの場合は「ディーラー(正規販売店)の数が多い」という点も、点検や整備、車検などのことを考えれば有利に働くでしょう。「絶対にホンダ N-BOXでなければいけない!」ということもないのですが、「選んで間違いのない選択」であるとは確実にいえます。
高速道路を使う機会が多い人はターボ付きエンジンのほうがいいかもしれませんが、ご近所での使用がメインであるならば、ノンターボの売れ筋中間グレードで十分以上でしょう。
第2位 ダイハツ「タント」
ミラクルオープンドアの利便性はまさに奇跡!
3位のモデルと比べて「車全体としての実力は概ね同じぐらい」といえるダイハツ「タント」ですが、この車には「ミラクルオープンドア」という、他のモデルにはない大きな特徴があります。
ミラクルオープンドアとは、要するに「車体左側面の開口部が非常に広い」ということです。通常、車のフロントドアと後部ドアの間には「Bピラー」と呼ばれる鉄製の柱があって、それが車体の強度を支えています。が、その柱は人や荷物が出入りする際にちょっと邪魔になるものでもあります。
ダイハツ「タント」はその柱を取っ払い(正確にはドアの中に内蔵して)、まさにミラクルといえるほどの大開口ドアを実現させたのです。
この開口部はとにかく広いので、例えば親子で並んで同時に車内に乗り込むことができますし、ベビーカーや大きな荷物などの出し入れも本当にラク。アウトドアでは、ミラクルオープンドアを全開にした上でシートをベンチ代わりにして「外の景色をまったり眺めて楽しむ」なんて使い方をすることもできます。
第3位 スズキ「スペーシア」
スーツケースをモチーフとしたデザインも◎
便宜上これを3位としましたが、軽乗用車としての使い勝手や走行安定性などについては、1~2位のモデルとほとんど差はありません。しかし「スズキはホンダと比べるとディーラーの数が少ない」「ダイハツ タントのミラクルオープンドアのようなわかりやすい特色はない」という意味で、あくまで便宜的に3位とさせていただきました。
前述のとおり使い勝手や走行安定性などはホンダ「N-BOX」と概ね同等ですが、内外装の「デザイン」に関しては――もちろん見る人の美意識によりけりですが――スズキ スペーシアのほうが好ましいと感じる人も多いかもしれません。
「スーツケースをモチーフにした」というスズキ スペーシアのデザインは全体的にやわらかなイメージで、ちょっといかつめな顔をした N-BOXとはニュアンスが異なります。また、まさにスーツケースの質感をイメージしたインパネの左側にあるボックスなども、かなりしゃれています。
第4位 日産「 ルークス」
スライドドアを開けた際の開口部はかなり広い!
こちらは日産と三菱の合弁会社が企画し、三菱の工場で製造している軽スーパーハイトワゴン。このモデルから日産が企画を主導しています。こちらも1~3位としたホンダおよびダイハツ、スズキの軽スーパーハイトワゴンと実力的な差はほとんどなく、かなり便利に使うことができる1台です。走行安定性にも問題はありません。
ただし後席の乗り心地が上位3車と比べると若干劣るかな?と思う部分があって、4位とさせていただきました。とはいえそれも“微差”ですので、このデザインが気に入って、なおかつご自宅の近くに日産ディーラーがあるのであれば、こちらも良い選択肢であることは間違いありません。
日産 「ルークス」の左側面ドアは、ダイハツ「タント」の「ミラクルオープンドア」的な構造ではなく、普通にBピラーという柱が存在しています。しかしそれでも、スライドドアを開けた際の開口幅は左右650mmと、スズキ「スペーシア」より5cm広く、ホンダ「N-BOX」よりも1cm広い作りになっています。軽スーパーハイトワゴンとしての使い勝手は上々であるといっていいでしょう。
第5位 ダイハツ「ムーヴ キャンバス」
ちょうどいい背の高さ+スライドドア
ダイハツ「ムーヴ キャンバス」は、「スライドドアは絶対にあったほうが便利だけど、軽スーパーハイトワゴンほどの背の高さは必要ない」と考える人のために生まれた、「程良い背の高さの軽トールワゴンにスライドドアをつけた軽自動車」です。
具体的には、軽スーパーハイトワゴンの一番人気であるホンダ「N-BOX」の全高が1,790mmと、背の高い成人男性ぐらいであるのに対し、ダイハツ「ムーヴ キャンバス」は1,655mm。13.5cm背が低い分だけ車内のスペース効率は劣りますが、「よく考えれば、ウチの車がそこまで背が高い必要はないのかも?」という人も少なくはないでしょう。そんな場合には、「程良い背の高さ」に「便利なスライドドア」を組み合わせたこちらのモデルがちょうどいいはずです。
2トーンカラーがかわいい「ストライプス」と、シックで落ち着いたイメージとなる「セオリー」の2タイプから選ぶことができます。
第6位 スズキ「ワゴンRスマイル」
ムーヴ キャンバスとよく似た対抗馬
こちらダイハツ「ムーヴ キャンバス」と同様の「程良い背の高さの軽トールワゴンにスライドドアをつけた軽自動車」で、ムーヴ キャンバスの後を追う形で2021年8月に発売されました。
ダイハツ「ムーヴ キャンバス」の全高が1,655mmであるのに対し、こちら「ワゴンRスマイル」は1,695mm。イメージ的には「軽スーパーハイトワゴンと軽トールワゴンの中間ぐらいの背の高さ」といったところです。が、実際の使い勝手と車内のスペース効率は、ダイハツ「ムーヴ キャンバス」と概ね同程度。その他の作りも似ていますので、ここはもう「デザインの好き嫌い」で選んでしまってもいいでしょう。
どちらもカワイイ系のデザインですが、スズキ「ワゴンRスマイル」のほうがややオーソドックス寄りかもしれません。ちなみにダイハツ「ムーヴ キャンバス」ではターボ付きエンジンを選ぶこともできますが、こちらはノンターボのみです。
アウトドア人気を背景にバカ売れ中!「SUV・クロスオーバー」
「手堅い人気」を誇っているのは、前述したスライドドア付きのスーパーハイトワゴンまたはトールワゴンですが、「今、伸びているカテゴリー」は、こちらのSUV・クロスオーバーでしょう。超本格的な悪路走破性を備えているモデルは少ないのですが、その他のモデルでも「休日にアウトドア気分を楽しむ」という使い方をするのであれば、十分以上にしっかり働いてくれるはずです。また「デザインと雰囲気が今っぽい」というのも、このカテゴリーの魅力です。
第1位 スズキ「ジムニー」
スタイリッシュに変身した超本格オフローダー
コレがもっとも本格的で、なおかつ最もスタイリッシュな軽SUVであるといえるでしょう。もともとは、というかそもそもは、山岳地帯などで作業をする人などのために作られた超本格オフローダーです。
しかし現行型は機能に徹したスクエアなフォルムが「逆にカッコいい!」ということで、山岳地帯には行かない都市部のユーザーからも絶大な支持を受けて大ヒットを記録。2018年7月の発売以来ずっと「新車をオーダーしても納車まで1年以上かかる」という状況が続いています。
現行型のジムニーは内外装とも本当にスタイリッシュで、なおかつカスタムパーツもたくさんリリースされており、さらにはキャンプ場などの悪路でも“無敵”を誇ります。しかし超本格オフローダーですので、舗装路での乗り心地は決して極上ではありませんし、燃費も特にいいわけではありません。
もしもそのあたりを最重要視したいのであれば、2位以下のモデルを選ぶほうが無難ではあるでしょう。
第2位 スズキ「ハスラー」
“ライトな軽SUV”というジャンルを創出した人気モデル
ジムニーほど本格的ではない「軽SUV」という現在人気のジャンルを発明したのが、こちらスズキ「ハスラー」です。2013年に初代モデルが誕生し、現在は2019年2月に登場した2代目のハスラーが現行モデルとして販売されています。
4WD車であってもジムニーほどの本格的な悪路走破性能は持ち合わせていませんが、“オフロードの魅力”を想起させるエクステリアデザインと、汚れなどにも強いシートや荷室、そして最低地上高が高めであるため、超ハードではないライトな悪路なら普通に走ることができて、なおかつ舗装路での乗り心地も良好である――という、まさに今の時代のムードにぴったりなのが、このスズキ「ハスラー」という車なのです。
登場から3年以上が経ちましたが、その使い勝手とデザインの良さは今なお一級品であるといえます。
第3位 ダイハツ「タント ファンクロス」
便利なタントがオフロード風味に変身!
子育て世代に人気の軽スーパーハイトワゴン、ダイハツ「タント」をクロスオーバーSUV風に仕立てたモデルとして、2022年10月に誕生した1台です。
専用デザインのヘッドランプやフロントグリル、フロントバンパー、サイドガーニッシュなどが力強さを表現し、レジャーシーンで活躍するルーフレールを標準装備。インテリアもオレンジのアクセントカラーやカムフラージュ柄のシートがアウトドア気分を盛り上げ、シート表皮や後席のシートバックには、汚れに強い撥水加工が施されています。暗所での荷物の積み下ろしに役立つラゲッジルームランプも、アウトドアで使う際には便利な装備といえるでしょう。
またそもそも軽スーパーハイトワゴンであるため、天井の高さは当然ながらスズキ「ハスラー」以上であり、タントならではの「ミラクルオープンドア」も大きな魅力です。
第4位 スズキ「スペーシア ギア」
アウトドアで便利に使えるスーパーハイトワゴン
タント ファンクロスはダイハツ「タント」をベースとする軽クロスオーバーSUVですが、こちらスペーシア ギアは、同じく軽スーパーハイトワゴンであるスズキ「スペーシア」をベースとして作られた軽クロスオーバーSUVです。
走行性能や先進安全装備、車内の日常的な使い勝手、あるいはアウトドアにおける使い勝手などについては、ダイハツ「タント ファンクロス」とさほど大きな差はありません。こちらスズキ「スペーシア ギア」のほうがデビュー年次は古いのですが、機能面ではより新しいモデルに遜色はないといっていいでしょう。
ダイハツ「タント ファンクロス」との大きな違いは「デザイン」です。いわゆる男子っぽいデザインであるタント ファンクロスに対し、こちらスペーシア ギアはちょっとひょうきんな(?)丸形ヘッドランプに代表されるように、どこかポップで可愛げがあります。
このあたりに「こちらが正解で、あちらは不正解」みたいな答えはありませんので、お好きなほうを選べばいいでしょう。
第5位 ダイハツ「タフト」
文字どおり“タフ”なビジュアルでハスラーを猛追!
スズキ「ハスラー」と同じジャンルに属する軽クロスオーバーSUV、すなわち「軽トールワゴンをSUVスタイルに仕立てた」というニュアンスの1台です。大ヒット作となったスズキ「ハスラー」の後を追う形で2020年6月に発売されました。
車としての特徴はスズキ「ハスラー」と概ね同じで、つまり「オフロードを想起させるエクステリアデザインと、汚れなどにも強いシートや荷室、そして最低地上高が高めであるため、超ハードではないライトな悪路なら普通に走ることができて、なおかつ舗装路での乗り心地も良好」ということになります。人それぞれの好みにもよりますが、エクステリアデザインに関しては「ダイハツ タフトのほうが無骨でカッコいい」と感じる人も多いでしょう。
ただ、微差ではありますが、後席がスライドしないことや荷室の使い勝手に関してはスズキ「ハスラー」のほうがユーザーフレンドリーかもしれません(まぁ微妙な違いですが)。
第6位 三菱「 デリカ ミニ」
ビジュアルはこれがピカイチ。5月の発売が待ち遠しい!
こちらはまだ発売されていない軽クロスオーバーSUVですが、今年1月の「東京オートサロン2023」で実車が初公開され、2023年5月に車両価格約180~225万円で発売される旨がアナウンスされています。
デリカ ミニは、悪路走行にはめっぽう強いミニバンだった三菱「デリカ」と、現在も販売されている三菱「デリカD:5」のイメージを受け継いで登場する軽SUV。ボディ形状的には背が高い「軽スーパーハイトワゴン」ということになります。
こちらは前述したデリカやデリカD:5ほどの本格的な悪路走破性能は備えていませんが、東京オートサロンで実車を見た限りでは、この種の「アウトドアライフを想起させる軽SUV」の中ではピカイチのエクステリアデザインを有しています。そして専用の足回りを持つ4WDモデルであればライトな悪路もまあまあ走れるはずですので、今からぜひ注目しておきたいところです。
というか先行予約はすでに始まっており、予約開始日から2週間で4,000台もの受注を集めたとのこと!
毎日の足として使うのに最適「ベーシック軽」
スライドドアがついた背の高いモデルや、SUVタイプの軽は確かにいろいろと魅力的なのですが、その分だけ「値段が高い」「背が高すぎて持て余す」などのデメリットがないわけではありません。しかし、ここでご紹介する「比較的ベーシックな作りの軽自動車」であれば、軽ならではの「手頃な価格」と「持て余すことのない、ちょうどいいスペック」をフルに活かすことができます。そんな“ベーシック系”のおすすめモデルを紹介しましょう。
第1位 ホンダ「N-WGN」
軽自動車離れした“安定感”がすごい!
全高1,675mmのボディに、スライドドアではなくヒンジ式ドアを組み合わせた「軽トールワゴン」と呼ばれるジャンルの実力派。2代目となる現行型は2019年7月に登場し、2022年9月に「急アクセル抑制機能」をホンダ車として初採用するなどのマイナーチェンジを行っています。
プラットフォーム(基本的な車台)はN-BOXに使われているものと同じ新世代のもので、とっても頑丈で軽量。そこに軽スーパーハイトワゴンであるN-BOXよりもいくぶん背の低いボディを組み合わせていますので、走行時のしっかり感のようなものはかなり十分。軽自動車を運転していることをたまに忘れてしまうぐらい、その走りは安定感にあふれています。
また運転席の下に燃料タンクを配置する「センタータンクレイアウト」を採用しているため床面は低く、車内は外から見る以上に広い作りになっています。また荷室開口部の高さも低いため、荷物の積み下ろしもラクに行うことができます。
第2位 スズキ「ワゴンR」
今なおトップレベルの実用性を誇る“トールワゴンの創始者”
こちらも全高1,650mmのボディにヒンジ式ドアを組み合わせた軽トールワゴン。ご先祖様は世の中のトールワゴンブームを作った初代スズキ「ワゴンR」で、現在販売されているモデルは6世代目にあたります。
こちらもホンダ「N-WGN」と同じく新世代のプラットフォームに刷新されているため、走りのしっかり感や空間効率は十分以上。軽スーパーハイトワゴンほどの高さはありませんが、クラストップレベルとなる2,450mmの室内長と1,265mmの室内高は、毎日の足としてはこれまた十分以上であるといえます。
便宜上、このジャンルのおすすめ1位がホンダ 「N-WGN」で2位がこちらになりましたが、両者の実力差はほとんどありません。「内外装のデザインセンスはN-WGNのほうが上かな?」という理由だけで、こちらが2位となった次第です。
2022年8月に仕様変更を行い、夜間の歩行者にも対応する予防安全システム「デュアルカメラブレーキサポート」を全車標準装備にすると同時に、デザイン的なラインナップの整理が行われました。
第3位 日産「デイズ」
“プロパイロット”もつけられる新世代トールワゴン
1位のホンダ「 N-WGN」や2位のスズキ「ワゴンR」と甲乙つけがたい、なかなか優秀な軽トールワゴンです。
現行型が発売されたのは2019年3月で、N-WGNやワゴンRと同様、こちらも「新世代プラットフォーム」に刷新されたうえでのデビューでしたので、走りのしっかり感や車内のスペース効率などは、前出の2モデルとほとんど差はありません。むしろ「走りのしっかり感」については日産「デイズ」が一番かな?と感じられる瞬間すらあります。
筆者は日産「デイズ」のデザインに対して「いささか愛嬌に欠ける」と感じているため3位としましたが、これはもう単なる「個人の感想」ってやつです。人によっては「日産 デイズのデザインこそ素晴らしい!」と感じるはずですから、その場合は躊躇なく選んでしまってまったく問題ありません。パワフルなターボ付き車の走りは素晴らしいですし、日産自慢の「プロパイロット」という先進運転支援システムがついているグレードもあります。
第4位 スズキ「アルト」
これぞ“ベーシック軽”のメートル原器
昔からある背が低い(というか高くない)タイプの一般的な軽乗用車は、なぜか「軽セダン」と呼ばれています。ぜんぜんセダンではないと思うのですが、それはさておき、ベーシックであるがゆえに車両価格は安めで、低燃費である場合が多いため、人や荷物をあまり載せないのであれば「毎日の足」には最適なタイプだといえます。
スズキ「アルト」はそんな軽セダンを代表する1台で、現行型は9代目にあたります。エクステリアは角のない2ボックスのスタイルと、丸みを帯びたスクエアな意匠が特徴。カラーバリエーションは、4種類のホワイト2トーンルーフ仕様を含む全12種類と豊富です。
上級グレードにはマイルドハイブリッド機構付きの新エンジンが採用され、FF車で27.7km/Lというなかなかの燃費性能をマーク。下位グレードは新エンジンではなく既存のエンジンが搭載されていますが、それでもFF車は25.2km/Lと、十分な燃費性能を発揮します。日々の足として使うにはちょうどいい軽自動車です。
第5位 ダイハツ「ミラ イース」
軽量さでもって燃費を伸ばす“お手頃な道具”
4位としたスズキ「アルト」と概ね同じポジションに位置する、ベーシックで低燃費な軽セダンです。FF車のWLTCモード燃費は、前出のスズキ「アルト」が27.7km/Lであるのに対し、こちらミラ イースは25.0km/L。若干負けているわけですが、2.7km/Lぐらいの差は運転の仕方次第でどうとでも変わりますので、「誤差の範囲」といってしまっていいでしょう。
しかしスズキ「アルト」が2021年12月に登場した「新世代プラットフォームの新しい軽セダン」であるのに対し、現行型のダイハツ「ミラ イース」は2017年5月デビューと、微妙ですが旧世代に属します。そのためこちらの順位を5位としたわけですが、普通にお買い物や送迎などに使う限りにおいては、そのあたりの差が如実に現れるわけではありません。
また安全装備などのマイナーチェンジもしっかり行われていますので、こちらもスズキ「アルト」と同様に「燃費が良くて安価な軽自動車」であるといえます。いささかの古さが特に気にならないのであれば、こちらを選んでもまったく問題はありません。
第6位 ダイハツ「ミラ トコット」
かわいいけど“かわいすぎない”デザインがちょうどいい
ダイハツ「ミラ トコット」は、2018年6月に発売されたベーシックな軽乗用車。いわゆる若い女性をターゲットに作られた1台ですが、ひと昔前の「女性向けモデル」と違って、最近のそれは男女兼用的なデザインセンスで作られているため、性別や年齢不問で普通に似合うはずです。
外観は、スクエアでありながら角を丸めたフォルムが特徴で、あえて飾り気を排した素直なデザインが、ある種の人には好印象と思えるはずです。そしてちょっとレトロな丸目のランプや、「セラミックグリーンメタリック」というボディカラーもシンプルで素敵。インテリアも、エクステリア同様に「シンプルさ」が際立つデザインになっています。
走行性能などに取り立てて大きな特徴はありませんが、WLTCモード燃費はFF車の場合で22.6km/Lと、まあまあ優秀。「飽きのこないシンプルなデザインの軽自動車を毎日の足として使う」という意味においては意外と悪くない選択なのが、このミラ トコットという車です。あまり売れていませんので、「人とカブりにくい」という魅力もあったりします。
遊びと仕事で使い倒せるタフギア!「道具系」
軽自動車は「日々の必要な移動のために使う」というのが基本ではありますが、人間は、毎日の仕事や生活とは少しかけ離れた「遊び」も大切にするべきであり、遊ぶ際には、必要な道具類などを車内に大量に放り込むことができる“道具系”の軽自動車が結構最適だったりします。商用車登録になる場合が多い「道具系の軽」では、どんなモデルがおすすめとなるのでしょうか?以下、見てみましょう。
第1位 ダイハツ「アトレー」
抜群の広さを誇る最強クラスの道具系!
ダイハツ「アトレー」は、もともとはダイハツ「ハイゼット カーゴ」という商用軽バンの乗用バージョンでした。軽バンは、エンジンを車両のフロントに搭載する一般的なレイアウトとは異なり、エンジンを運転席の下ぐらいに置くため、その分だけ車内の前後長をかなり長くすることができます。
で、アトレーはそんな軽バンの乗用バージョンだったわけですが、2021年12月のフルモデルチェンジ時に、その積載能力をよりフルに活かすために「商用車登録」の軽自動車に生まれ変わりました。
といっても、新型アトレーは配送業務などに使うことを想定している車ではなく、あくまで一般ユーザーがレジャーなどを堪能するために使う車です。そのため一般的な快適装備は普通についていますし、ビジュアル的にもまずまずの上質感があります。エンジンはすべてターボ付きですので、釣りやキャンプなどでの長距離移動も、この車であればラクにこなしてくれるでしょう。
第2位 スズキ「スペーシア ベース」
秘密基地”に改造された(?)スペーシア
スズキ「スペーシア ベース」は、軽スーパーハイトワゴンであるスズキ「スペーシア」の後席取り付け位置を前にして荷室を拡大するとともに、リアシートそのものを簡素化した、商用車登録となるモデルです。とはいえ配達などに使う車ではなく、あくまでも個人ユーザーがレジャーのためのベース(基地)として使うことをイメージして作られています。エンジン搭載位置はダイハツ アトレーと違い、一般的な車と同じく車両の先端付近です。
スペーシア以上に拡大されたラゲッジスペースには4つのモードを切り替えられる「マルチボード」が全車に標準装備され、これを活用すれば車内でデスク仕事もできますし、前後分割モードにすれば愛犬などを車に乗せる際に重宝します。また下段モードにして前席の背もたれを倒せばフルフラットな空間が出現し、大人2人でもゆったりと快適な車中泊を楽しむことができるでしょう。
そのほか、何かと便利な「ユーティリティナット」も車内の10ヵ所所に設置されています。「移動できる秘密基地」が欲しい人にはうってつけな1台といえます。
第3位 ホンダ「N-VAN」
ソロキャンプに活用したいシンプルな道具系
2位のスズキ「スペーシア ベース」とよく似た成り立ちの軽商用バンで、こちらは乗用軽スーパーハイトワゴンであるホンダ「N-BOX」をベースとしています。またエンジンが運転席の下ではなくフロントに搭載されているという点も、スズキ「スペーシア ベース」と同様です。といいますかスズキのスペーシア ベースは、こちらのホンダ「N-VAN」を研究し、参考にして作った車であるというのが正解です。
後席の位置をN-BOXよりも前方に移し、なおかつ簡素な作りにしていますので、こちらも荷室は広大。またホンダ独自の「センタータンクレイアウト」ということもあって床面の位置が低く、荷物の出し入れた人の乗降が容易であるというのもN-VANの特徴です。
ただ、助手席の作りはスズキ「スペーシア ベース」のほうが上等で、ホンダ「N-VAN」の助手席は結構簡素な作りです。このあたりは「優劣」ではなく「考え方の違い」でしょう。自分ひとりの“道具”として使うのであれば、N-VANの助手席は「倒しやすいのでむしろ好都合!」といえるでしょう。
第4位 ダイハツ「ハイゼット ジャンボ」
シートのリクライニングが可能な軽トラック
道具として軽自動車を徹底的に活用したい場合の究極の選択肢は、「いっそ軽トラを買う」ということでしょう。軽トラとは、ご存じのとおり軽自動車規格の小さなトラック。基本的には農業や工業などに従事されている方が業務用として使う車ですが、近年は「個人のレジャーのために軽トラを使う」というユーザーも増えており、個人ユーザーをターゲットとしたさまざまなカスタム用パーツも、数多くのメーカーから発売されています。
もしも新車の軽トラを購入したいと思うなら、現在ある選択肢はダイハツ「ハイゼット トラック」とスズキ「キャリイ」の2つ(トヨタとスバルはハイゼットの、日産、マツダ、三菱はキャリイのOEMです)。仕事現場における“究極の効率”を目指して開発されるのが軽トラックですので、両者の構造やサイズ、機能などはほぼ似通っています。「最高」を求めると、機能やフォルムはだいたい似通ってくるものです。
しかしそんななかでも、ダイハツ「ハイゼット トラック」は「トランスミッションがCVT(無段変速機)である」という点において、4速ATを採用しているスズキ「キャリイ」よりも比較的滑らかに走ることができます。まぁキャリイを選んでもぜんぜん問題ないとは思うのですが、ここはいちおう「ハイゼット トラック推し」ということにしておきましょう。
ただ軽トラックを購入する場合、標準モデルを買ってしまうとシートがまったくリクライニングしないため、個人がレジャーのために使うには少々厳しい部分があります。
そのためダイハツ「ハイゼット カーゴ」を買うのであれば、シートを少しリクライニングさせることが可能な「ハイゼット ジャンボ」にすることをおすすめします。スズキ「キャリイ」の場合は「スーパーキャリイ」がいいでしょう。
軽=実用的なだけじゃない!「EV・オープンカー・その他」
「経済的で実用的だが、特に面白みや新しさはない乗り物」と思われがちな軽自動車ですが、決してそんなことはありません。自宅で充電できる「軽の電気自動車」も最近はかなり人気を集めており、軽くて小さな車体であることを活かして軽快にはしることができる「軽スポーツカー」も、昔から大人気のカテゴリーです。ここでは、そんな「だけじゃない軽!」のおすすめモデルをご紹介します。
第1位 日産「サクラ」
これが軽の最適解か?電気だけで走る軽自動車!
日産「サクラ」は2022年5月に発表され、同年夏に発売された軽規格のEV(電気自動車)。ボディタイプとしてはいわゆる軽トールワゴンに相当し、20kWhのリチウムイオンバッテリーをフロア下に搭載していますが、室内高はエンジン車である日産 デイズと同等の1,270mmが確保されています。
満充電状態から走れる距離はWLTCモードで180km。普通車のEVと比べると航続距離は短めですが、軽自動車というのはそもそも自宅近くで近距離を走る場合が大半でしょうから、180kmでも基本的には十分なはず。といいますか、近距離中心である軽自動車こそ、現時点では「もっともEVに向いているジャンル」だといえるでしょう。
この日産「サクラ」は内外装デザインも細かいところまで非常にしゃれていて、走りのしっかり感も十分。そしてモーターならではの力強い加速も頼りになりますので、自宅に充電設備を設置できる人にとっては「かなりおすすめ!」といえる軽自動車です。
第2位 ダイハツ「コペン」
世界で唯一の“新車で買える軽オープンスポーツ”
「経済的で実用的な乗り物」として使われることの多い軽自動車ですが、小さくて軽いということは「小気味良く走らせることができる」ということでもありますので、実はスポーツカーにも向いている規格です。
そしてそんな軽スポーツカーの屋根がなければ、つまり「オープンカー」であれば、その楽しさと爽快感はマックスレベルにまで達するものです。
過去には「軽のオープンスポーツ」というのが何種類もあったのですが、現在新車で買えるのは、こちらのダイハツ「コペン」のみです。
現行型コペンのデビューは2014年6月といささか古いのですが、その後は何種類ものデザイン違いのモデルを追加し、微妙な改良も重ねたことで、その商品力はまだまだ十分以上です。といいますか「小さなオープンカー」というのは、もうそれだけで本当に楽しい乗り物ですので、仮に何の改良もされなかったとしても、ダイハツ「コペン」の楽しさには特に影響はなかったでしょう。
場合によっては「我が家の車はコペンだけ!」という使い方もできるでしょうし、そうでなくても「手頃な予算で入手できるセカンドカー」として、ぜひご注目ください。
第3位 スズキ「ラパン」
程良くかわいいフェミニンな軽自動車
軽自動車の場合は「とにかくカワイイ車が欲しい!」と考えるユーザーもいらっしゃるでしょう。ちょっと前までは、まるでぬいぐるみのようなフォルムとデザインの軽自動車も一部にあったのですが、昨今は「ジェンダーレス」が流行りだからでしょうか、「あからさまにカワイイ感じの軽自動車」は絶滅しています。
しかしそんななかでも、フランス語でウサギを意味する「Lupin」を車名としているスズキ「ラパン」は、「カワイイのが欲しい!」と願う心を満たしてくれる1台です。
もちろんジェンダーレスな現代ですから、過剰に「女性向け」っぽいデザインではないのですが、全体の雰囲気には絶妙なフェミニン感があり、ナチュラル志向なインテリアデザインも、今の時代に合っているといえるでしょう。
そして走らせてみても「エネチャージ」というスズキ独自のしくみのおかげで意外と普通に力強いですし、エネチャージのおかげでWLTCモード燃費も26.2km/Lと、非常に良好です。カワイイけど、カワイイ“だけ”じゃないスズキ ラパンは、もっと多くの人が注目してしかるべき軽自動車であると考えます。
軽自動車の選び方について
さまざまなボディタイプがありすぎるほどあるため、購入時は迷ってしまうこともあるでしょう。そんなときには結論としてどうすればいいか、お答えします。
迷ったらとりあえず「スーパーハイトワゴン」
本当は「自分のライフスタイルや好みにぴたりと合ったボディタイプ」を選ぶに越したことはありません。しかし「いろいろなタイプがありすぎて迷ってしまう。決められない!」というときは、一番人気の「スーパーハイトワゴン」をとりあえず選ぶのが無難でしょう。
「大は小を兼ねる」というのは真実ですので、これを買っておけば、後で「もう少し大きいのにしておくべきだった……」という後悔はしません。ただ、背が高い分だけ車両価格はちょっと高めですが。
「ちょうどいい軽」が欲しいならトールワゴン
「とりあえずスーパーハイトワゴン」でもいいのですが、もう少しよく考えてみて「我が家にはあそこまでの背の高さも、スライドドアも必要ないかな」という結果になったなら、スライドドアではなくヒンジ式ドアの「トールワゴン」がちょうどいい選択になるでしょう。
スーパーハイトワゴンよりも相対的に安価ですが、走行安定性はむしろ優れており、スライドドア以外の装備にも不足はないはずです。さらに安価な「軽セダン」でもいいのですが、そちらは装備や質感、走行性能などに若干の不満を覚えてしまう可能性もあります。
「欲しい車が高い…」「予算オーバー」
でも、あきらめることはありません!
今利用が急増している、新しい車の持ち方があるのをご存じですか?
それは車のサブスク、カーリースです。
カーリースは月額料金の支払いだけで車を持つことができ、料金は最初から最後までずっと定額です。
そして、車両本体価格の全額を負担する必要がないので、「買えない」「ローンが組めない」と思っていた車にも、無理せず乗ることができます。同じ車でも、カーローンの月々の返済額とカーリースの月額料金を比べたとき、リースのほうが安く抑えられる、ということがあるのです。
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今や軽自動車は「積極的に選びたくなる」選択肢
小さいがゆえに、動力性能や車内の広さなどに限界があることは確かな軽自動車ですが、小さい分だけ逆に「小回りが利く」「車両価格や維持費が安い」などのメリットもあります。そして軽自動車規格というのは日本でのみ使われている規格であるため、グローバル市場向けに作られている普通車以上に「日本での使用に適するように作られている」という美点もあります。近年はそれに加えてさまざまな質感や性能もずいぶん向上していますので、もはや軽自動車は「積極的に選ぶべき存在」に変わったとすらいえるでしょう。
よくある質問
Q1:軽自動車とは、そもそもどんな車ですか?
A:日本独自の「軽自動車規格」の範囲内で作られる、比較的小さくて安価な四輪または三輪の自動車です。具体的には、エンジンの排気量は660cc以下で、ボディサイズは長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下と定められています。
Q2:今売れている人気の軽自動車はどんなタイプですか?
A:全高1.8mぐらいの背が高いボディにスライドドアを付けた「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプが非常によく売れています。ただ、それ以外にも「程よく背が高いトールワゴン」や「アウトドア風味が強い軽SUV」も人気を集めており、最近では「軽の電気自動車」もよく売れています。
Q3:軽の乗用車ではなく「軽商用車」を仕事以外の目的で購入してもいいのですか?
A:もちろんOKです。軽商用車は配達や農工業などの現場で活躍していますが、最近はキャンプや釣り、その他のレジャーのために、荷室が軽乗用車以上に広い「軽商用車」を購入している人はたくさんいます。ただし軽商用車は、税金は若干安くなりますが、車検は2年に一度ではなく1年に1度受ける必要があります。
※この記事は2023年2月時点の情報で制作しています