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【2023-2024年版】専門家がおすすめ!ハイブリッド車ランキング

【2023-2024年版】専門家がおすすめ!ハイブリッド車ランキング
【2023-2024年版】専門家がおすすめ!ハイブリッド車ランキング

「ハイブリッド車は低燃費で経済的」ということは皆さんよくご存じかと思います。しかし、同じハイブリッド車の中にも「マイルドハイブリッド」と「ストロングハイブリッド」があったり、はたまた「プラグインハイブリッド」があったりで、それぞれの意味やメリット・デメリットがイマイチよくわからない――という方もいるかも。そんな方に向け、ハイブリッド車の超基本と、具体的なおすすめモデルを専門家が解説します。

ハイブリッド車とは

ハイブリッド車とはをイメージした画像

トヨタプリウスから始まったハイブリッド車の歴史。今では多くの車に採用され、その燃費の良さで人気を集めています。様々な種類があるハイブリッド車について、わかりやすく詳しく解説します。

ハイブリッドには3つの種類がある

ハイブリッド車というのは「複数の動力源を持つ車」の総称であり、実際にはいくつかのタイプ(方式)に分かれています。現在は「ストロングハイブリッド」「マイルドハイブリッド」「プラグインハイブリッド」の3つが主流です。

読者の皆さんがイメージする一般的なハイブリッドは「ストロングハイブリッド(もしくはフルハイブリッド)」と呼ばれるタイプです。プリウスで有名になったトヨタの「THS-Ⅱ」、日産の「e-POWER」、ホンダの「e:HEV」などが当てはまります。メカニズムの違いによって3つの方式に分類することができますが、いずれも燃費がガソリン車の1.5から2倍良いという優れモノです。お値段はプラス20~30万円程度とやや高めではあります。

軽自動車やコンパクトカー、輸入車の一部に採用されている「マイルドハイブリッド」はモーターやバッテリーが小さいため、燃費の向上は10%ちょっとですが価格のアップも数万円程度。コスパの高さが特徴です。

「プラグインハイブリッド」は大きなバッテリーを搭載し、外部から充電が可能なシステムを搭載したハイブリッド車を指します。数十kmほどであれば電気自動車(EV)として走行が可能です。

これら3つのハイブリッドシステムについて以下の章で詳しく解説します。

ストロングハイブリッドとは

一般的に「ハイブリッド車」というとき、ほとんどの方が脳内で自然とイメージしているのがコレ、トヨタ「プリウス」などに採用されているハイブリッドシステムです。

ストロングハイブリッドとは、エンジンと電気モーターという2つの動力を1台の車に搭載することで燃費効率を高めると同時に、駆動用バッテリーに蓄積された電気とモーターにより、エンジンを停止した状態でも走行できるハイブリッドシステムのことを指します。マイルドハイブリッドに比べて、モーターもバッテリーも大きなものが使われているので、モーターだけで走れる領域が広く、燃費の向上につながっているわけです。
ストロングハイブリッドは、以下のように何種類かの方式が存在しています。

●シリーズ方式
エンジンは発電のためだけに使用し、車の駆動は電気モーターが行う方式。日産の「e-POWER」やダイハツ「ロッキー」(=トヨタ「ライズ」)の「eスマートハイブリッド」が、このシリーズ方式に該当します。後述しますがホンダの「e:HEV」や三菱の「PHEV」も基本的にはシリーズ方式と言っていいでしょう。

●パラレル方式
エンジンが主体となって駆動しますが、エンジンが苦手とする「発進」や「加速」を電気モーターの動力がアシストする方式。エンジンだけだと燃費が悪くなる場面を、電気モーターがカバーするということです。ホンダの「フリード」や先代「フィット」が採用していた「i-DCD」と、スバルの「e-BOXER」、スズキがソリオに採用している「フルハイブリッド」などのシステムはこのパラレル方式に該当します。

●シリーズ・パラレル方式
エンジンと電気モーターを必要に応じて使い分けできるシステムのこと。発進時や低速時は電気モーターが駆動を担当し、通常走行時はエンジンが主体となり、急加速のときは両方を使う――といった感じで走行状況に合った制御を行うことで、エネルギー効率を高めています。トヨタがプリウスなどに使っているのがこの方式です。

ホンダは「e:HEV」という独自の2モーター式ハイブリッドシステムを採用しています。これは、低・中速域はシリーズ方式で走り、高速域ではパラレル式に切り替わるというシステムです。厳密にはシリーズ・パラレル式ですが、大半はモーターで走りエンジンが駆動を担うのは高速域に限られますので、シリーズ式に分類した方が適切です。三菱が「アウトランダー」や「エクリプスクロス」に採用しているPHEVシステムもハイブリッド機構はホンダと同じ考え方です。

マイルドハイブリッドとは

エンジンを停止した状態でも走行できるのがストロングハイブリッドですが、それに対してマイルドハイブリッドというのは、エンジンを主要動力源とし、発進などの際に小型バッテリーとモーターがアシストすることを前提としているシステムのこと。ストロングハイブリッドと違い、モーターの力だけで走ることはできません。

とはいえマイルドハイブリッドシステムには「既存のエンジン車を少し改造するだけで完成させられる」「モーターもバッテリーも小さくて済むため、コストを抑えられる」「同じくモーターもバッテリーも小さくて済むため、軽自動車や小型車にも搭載できる」というメリットがあります。

そのためマイルドハイブリッドシステムは現在、各メーカーの軽自動車やコンパクトカーに幅広く採用されています。また独自のストロングハイブリッド技術を持たない輸入車メーカーも、最近はマイルドハイブリッドシステムを順次採用しています。

プラグインハイブリッド(PHEV)とは

プラグインハイブリッド(PHEV)とはをイメージした画像

最近よく耳にする「プラグインハイブリッド」とは、電気プラグを車体に差し込むことで(プラグイン)、家庭用電源などからバッテリーの充電ができるハイブリッドシステムのこと。

バッテリーだけで走行できる距離も普通のハイブリッド車より圧倒的に長いため、半ばEV的に使用することも可能。具体的には、トヨタ「プリウスプラグインハイブリッド車」の満充電からのEV走行距離は87kmにも達します。

「充電した電気を使い切っちゃった場合はどうなるの?」と不安に思うかもしれませんが、その場合は、ハイブリッド車として普通にエンジンの力で走り続けることができます。ちなみにプリウス プラグインハイブリッド車の場合は、ガソリンで走っても26.0km/Lという数字をマークします(WLTCモード 国土交通省審査値)。

ハイブリッド車のメリット・デメリット

ハイブリッド車のメリット・デメリットをイメージした画像

「ハイブリッド車は燃費が良い」ということに代表されるメリットが多いことは確かですが、その半面、デメリットがゼロなわけではありません。ハイブリッド車の具体的なメリットとデメリットを細かく挙げてみましょう。

ハイブリッド車に乗るメリット

1、燃費が良い
ハイブリッド車に乗ることのメリットは、まず第一に、燃費が良いというシンプルな話です。
具体的には、例えば2022年8月に発売されたトヨタの新型「シエンタ」というコンパクトミニバンでいうと、「G(7人乗り・2WD)」という中間グレードのWLTCモード燃費は、ガソリン車が18.3km/Lであるのに対し、ハイブリッド車は28.2km/L。エンジンとモーターを効率的に使い分けることにより、ハイブリッド版は実に約1.5倍も燃費が向上しているわけです。

2、静粛性が高い
ハイブリッド車のもうひとつのメリットは、静粛性が高いということです。
もちろんエンジンがかかっている際にはエンジン車と同じぐらいの音が発生しますが、ストロングハイブリッドの車は「エンジンが止まっている時間」もそれなりに多いもの。そしてプラグインハイブリッド車であれば、数十kmにわたってEV走行(モーターのみでの走行)をすることができます。
その際の車内は非常に静かですので、同乗者との会話や、好きな音楽を聴くなどの行為を存分に楽しむことができるのです。

3、エコカー減税が受けられる
さらにハイブリッド車のメリットとしては、エコカー減税が受けられるというものがあります。
ハイブリッド車は、電気モーターでの走行中はCO2の排出量を減らせるため、「エコカー減税(自動車重量税)」と「グリーン化特例(自動車税・軽自動車税)」「環境性能割」といった減税が適用されるのです。

これらのいわゆるエコカー減税は恒久的なものではなく、令和5年度税制改正において達成率の基準が変更になる可能性はあります。それでも、現時点において税額に優遇措置があるのは事実であり、またそういった優遇措置はしばらくの間は続きそうです。そのため、一般的なガソリン車と比べた場合の税制上のメリットは「かなり大きい」ということができるでしょう。

ハイブリッド車に乗るデメリット

物事というのは何でも「表裏一体」ですので、ハイブリッド車には当然ながらいくつかのデメリットもあります。

1、車両価格がちょっと高い
ひとつには、車両価格がちょっと高いというデメリットがあります。一般的なガソリン車よりも複雑な機構を使用する関係で、ハイブリッド車の車両価格はどうしたって高めの設定になる場合がほとんどです。
具体的には前出の新型トヨタ「シエンタ」の場合、ガソリンエンジンのG(7人乗り・2WD)は車両本体価格234万円ですが、HYBRID G(7人乗り・2WD)は269万円。その差は実に35万円にも達します。いくらハイブリッド車のほうが燃費が良いとはいえ、35万円を燃料費の差額でもって回収するのは簡単ではありません。

2、高速道路などでは思ったほど燃費が伸びない
ハイブリッドシステムは車の効率を大幅に高めることができますが、実はさほど得意とはしていない領域もあります。それは「高速領域」です。

ハイブリッドシステムがエンジンを効果的に補助できるのは主に発進時などの低回転時で、回転数や速度が上がる高速道路では、あくまでもエンジンがメインで走ることになります。その際にモーターもエンジンを補助していますが、高速道路での走行にモーターはほとんど寄与していません。また、ブレーキ時にモーターを発電機代わりにすることでエネルギーを回収できることが街中でのハイブリッド車の燃費の良さに繋がっていますが、高速道路ではそうはいきません。

その結果として「重たいバッテリー&モーターを載せたエンジン車で走る」みたいな状況になってしまうため、高速道路では「思ったほど燃費が伸びないな……」ということになるわけです。つまり「高速道路ではハイブリッド車のメリットを活かしにくい」ということです。

3、バッテリーに寿命がある(あった)
またそのほか、ハイブリッド車の駆動用バッテリーには“寿命”というものがあり、永久に使い続けることはできません。そしてそれを新品に交換する場合のコストは概ね20万円と、結構な金額になります。最初の量産ハイブリッド車として登場した初代プリウスはバッテリーの寿命問題が指摘され、つい最近までバッテリー交換の無料対応を行なっていました。
その後、ハイブリッド車のバッテリーについては様々な改良が加えられ、最近のモデルでは一般的な走行距離であるにもかかわらず駆動用バッテリーがダメになるというケースはほとんどありませんので、ここに関しては過剰な心配は不要です。

4、少し車内や荷室が狭いモデルがある
またそのほかのデメリットとしては、大きな駆動用バッテリーを搭載する関係で、車内や荷室がガソリン車よりも少し狭くなる、というのがあります。すべてのハイブリッド車のそれが狭くなるわけではありませんが、例えばホンダ「ステップワゴン」の場合、ガソリン車の室内高は1,425mmですが、e:HEVでは1,410mmと、15mmほど狭く(低く)なっています。

ハイブリッド車のデメリットは概ね以上のとおりですが、そのほかにも、車重が若干重くなるため、カーブを曲がる際などに“重み”を感じる、というのはあります。とはいえこれはちょっとマニアックな視点での話になりますので、普通はあまり気にする必要はないでしょう。

ストロングハイブリッド車 人気ランキング トップ8

ハイブリッド車の中でもメインとなるカテゴリーがこちら。2023年4~9月の新車販売台数データを基にした、ストロングハイブリッド車の人気ランキング上位8傑を発表します。

第1位 トヨタ「プリウス」

第1位 トヨタ「プリウス」

2023年4~9月期の販売台数ランキング第1位はヤリスとヤリス クロスの販売台数を合算したトヨタ「ヤリス」でしたが、ストロングハイブリッド車に絞った場合の販売台数ランキング第1位はトヨタ「プリウス」でした。

2023年1月に発売された現行型プリウスは、クーペのように流麗なフォルムを採用しているハイブリッド専用セダン。そのストロングハイブリッドシステムは、システム最高出力140psの1.8L直4エンジンを使用するバージョンと、同193psの2L直4エンジンを搭載するバージョンの2種類。またそのほか、2Lエンジンをベースとするプラグインハイブリッド車もラインナップされています。

2WD車のWLTCモード燃費は1.8L版が32.6km/Lで、2L版が28.6km/L。いずれも優秀ですが、1.8L版は特に優秀な燃費性能を誇っています。

第2位 トヨタ「シエンタ」

第2位 トヨタ「シエンタ」

2023年4月~9月に、トヨタ プリウスに次いでよく売れたストロングハイブリッド車はトヨタ「シエンタ」でした。

現在販売されているシエンタは2022年8月に発売された、シエンタとしては3代目にあたるモデル。しゃれたデザインと機能的な室内空間が持ち味のコンパクトミニバンです。

パワートユニット最高出力120psの純ガソリン1.5Lエンジンのほか、同80psの1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの2本立て。販売比率としてはハイブリッド車がおおむね7割を占めているようです。

そしてハイブリッド車のWLTCモード燃費は28.2~28.8km/Lということで、18.3~18.4km/Lとなるガソリン車よりも明らかに優秀です。しゃれたデザインと良好な使い勝手に加えて「良好な燃費性能」も持ち合わせているシエンタのハイブリッド車は、売れるべくして売れている一台だといえるでしょう。

第3位 トヨタ「アクア」

第3位 トヨタ「アクア」

トヨタ「シエンタ」に次いでよく売れたのは、トヨタのハイブリッド専用コンパクトカーである「アクア」でした。

アクアに搭載されているハイブリッドシステムは、ヤリスと同じTHS-IIというシリーズ・パラレル方式で、1.5Lエンジンとモーターを合わせたシステム最高出力は116ps。そしてWLTCモード燃費は33.6~35.8km/Lと、かなり驚異的な数字をマークしています。

2021年7月にフルモデルチェンジを受けて誕生した2代目となる現行型のアクアは、コンパクトカーとしては居住スペースや荷室が広く、インテリアも落ち着いた雰囲気。狭くてちょっと安普請だった初代の弱点を見事に埋めてきました。そして走りも十分しっかりしていて、燃費も前述のとおり驚異的ということで、これもまた「売れて当然」といえるハイブリッド車です。

第4位 トヨタ「ノア」

第4位 トヨタ「ノア」

トヨタの超定番にして超売れ筋であるミドルサイズミニバンである「ノア」。その現行モデルは2022年1月に登場しました。

パワーユニットは2Lガソリンエンジンのほか、1.8Lエンジンにモーターを組み合わせたシリーズ・パラレル方式のストロングハイブリッドを用意。要するに他のトヨタ車と同じ「THS-II」というシステムですが、改良された最新のバージョンが投入されています。その販売比率はノア全体の約7割である模様です。

THS-IIはノアのそこそこ重いボディを普通にグイグイと加速させますし、それでいてWLTCモード燃費は23.0~23.4km/Lと、このサイズのミニバンとしては非常に優秀。各部の使い勝手の良さと併せ、多くの方がこのミニバンを選びたくなる理由はよくわかります。

第5位 日産「ノート」

第5位 日産「ノート」

2023年4~9月は、日産のハイブリッド専用コンパクトカーである日産「ノート」もよく売れました。

ノートの販売台数は、5ナンバーサイズのコンパクトカーであるノートと、3ナンバーサイズのプレミアムコンパクト「ノート オーラ」の合算値で集計されているのですが、そのうちノートの販売比率が6割であると仮定すると、2023年4~9月期の日産 ノートは、1つ上の順位であるトヨタ「ノア」のハイブリッド車とわずか約500台差だった模様です。

日産が「e-POWER」と呼んでいるノートのシリーズハイブリッドは第二世代に進化し、非常にパワフルかつ静かで電動感が高まりつつも、WLTCモード燃費は2WD車の場合で28.4km/L。そしてインテリアデザインも非常に上質ですので、「売れるべくして売れている」ということができるでしょう。

第6位 トヨタ「ヴォクシー」

第6位 トヨタ「ヴォクシー」

トヨタ「ヴォクシー」は、このランキングで4位に入ったトヨタ「ノア」と同時に発売されたデザイン違いの兄弟車。ヴォクシーのほうが比較的アグッレッシブなデザインが採用されていますが、2Lガソリンエンジンのほかに1.8Lエンジンにモーターを組み合わせたシリーズ・パラレル方式のストロングハイブリッドが用意されている点も同一です。

中身的には同じ車が2車種に分かれて販売されているため、ヴォクシーは6位でノアは4位という集計になりましたが、もしもこれが同じ1つの車として販売されていたら、実はノア/ヴォクシーこそが「今、日本で一番売れているストロングハイブリッド車」ということになります。

第7位 トヨタ「ヤリス クロス」

第7位 トヨタ「ヤリス クロス」

トヨタ ヤリスの販売台数はコンパクトカーである「ヤリス」と、その高性能版である「GRヤリス」、そしてコンパクトSUVである「ヤリス クロス」の合算で集計されています。その販売比率はヤリスとヤリス クロスが概ね49%ずつで、GRヤリスが約2%であるようです。そしてハイブリッド車比率は、ヤリス クロスは約7割と高めですが、ヤリスのほうは約4割にとどまっています。

ヤリス クロスが採用しているストロングハイブリッドシステムは「THS-II」というシリーズ・パラレル方式で、スポーツグレードを除くハイブリッド車のWLTCモード燃費は27.8~30.8km/Lと、やはりSUVとしては非常に優秀です。

第8位 ホンダ「フリード」

第8位 ホンダ「フリード」

ホンダ「フリード」は5ナンバーサイズのミニバンで、3列シート/6人乗りと2列シート/5人乗りという2通りの仕様がラインナップされています。パワーユニットも1.5Lガソリンエンジンとストロングハイブリッドの2本立てで、ハイブリッド車の販売比率は5割強である模様です。

フリードのハイブリッドシステムは「SPORT HYBRID i-DCD」という、1.5Lエンジンに、高出力モーターを内蔵した7速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせたもの。世代としては一つ前のタイプですが、20.9km/Lという、ミニバンとしてはなかなか優秀なWLTCモード燃費と、SPORT HYBRID i-DCDならではのエンジンが主役の力強い走りが両立しています。またこの「ちょうどいいサイズ感」も、フリードの根強い人気の理由です。

マイルドハイブリッド車 人気ランキング トップ5

軽自動車やコンパクトカーに使われることが多いマイルドハイブリッドは、低コストで省燃費性能を向上させられるシステム。2023年1~10月の新車販売台数データを基に、人気マイルドハイブリッド車トップ5を発表します。

第1位 スズキ「スペーシア」

第1位 スズキ「スペーシア」

2023年1~10月の間に最もよく売れたマイルドハイブリッドシステム付きの車は、スズキ「スペーシア」。ホンダ「N-BOX」と競合しているスズキの軽スーパーハイトワゴンです。
ライバルであるN-BOXは普通のガソリンエンジンまたはガソリンターボエンジンですが、スペーシアは全グレードにマイルドハイブリッドシステムを搭載。アイドリングストップからの再発進時はガソリンを使わずにモーターの力だけでクリープ走行することで、渋滞時などのガソリン節約に貢献。またエンジン再始動時は、ISG(モーター機能付き発電機)のスターターモーター機能により、静かでスムーズな再始動が実現されています。

また「パワーモードスイッチ」を押せば、坂道や高速道路の合流時に結構力強い加速を披露します。

第2位 スズキ「ハスラー」

第2位 スズキ「ハスラー」

スズキ「スペーシア」の次によく売れたマイルドハイブリッド車は、軽クロスオーバーのスズキ「ハスラー」。こちらも全車マイルドハイブリッド機構付きで、発電効率に優れたISG(モーター機能付き発電機)が減速時のエネルギーを利用して発電し、アイドリングストップ車専用鉛バッテリーと専用リチウムイオンバッテリーに充電します。

そしてその電力を活かして、加速時にはモーターがエンジンをアシスト。その結果、ノンターボエンジンの場合で25.0km/L、ターボエンジンであっても22.6km/LというなかなかのWLTCモード燃費をマークするに至っています。

第3位 スズキ「ワゴンRスマイル」

第3位 スズキ「ワゴンRスマイル」

推定値に基づくものではありますが2023年1~10月の期間中、3番目によく売れたマイルドハイブリッド車はスズキ「ワゴンRスマイル」でした。

ワゴンRスマイルは、ダイハツ「ムーヴ キャンバス」とよく似たコンセプトの「程よく背が高い、スライドドア付きの軽自動車」で、かわいいニュアンスのエクステリアデザインが採用されているという点も、ムーヴ キャンバスとよく似ています。

グレードは「HYBRID X」と「HYBRID S」、それに「G」の3種類で、Gを除く全車に、スズキ ハスラーやスペーシアなどと同じマイルドハイブリッド機構が搭載されています。「HYBRID X」と「HYBRID S」の2WD車のWLTCモード燃費は25.1km/Lです。

第4位 日産「ルークス」

第4位 日産「ルークス」

日産が2020年3月に発売した軽スーパーハイトワゴン「ルークス」も、全車にマイルドハイブリッドシステムを搭載。1位のスズキ「スペーシア」と若干の差はありますが、依然として堅調に売れています。2023年6月にはマイナーチェエンジを受け、外観もセレナなどと共通の最新のデザインとなりました。

エンジン部分は最高出力52psのノンターボまたは同64psのターボ付きで、そこに最高出力2.7psのモーターとリチウムイオンバッテリーからなるマイルドハイブリッド機構を追加。日産が「スマートシンプルハイブリッド」と呼ぶこのシステムは、減速時の運動エネルギーで発電してリチウムイオンバッテリーに充電。蓄えた電力を使ってECOモーターを回し、エンジンの補助駆動力やアイドリングストップなどに再利用しています。

第5位 スズキ「アルト」

第5位 スズキ「アルト」

スズキ「アルト」は軽セダンと呼ばれるタイプのベーシックな軽自動車。通算9代目となる現行型は2021年12月に発売されました。

上級グレードには最新世代のエンジンと「ISG」(モーター機能付き発電機)、そしてリチウムイオンバッテリーからなるマイルドハイブリッド機構を採用。FF車で27.7km/L、4WD車で25.7km/LというWLTCモード燃費を実現しています。下位グレードには既存のエンジンと電動アシスト機構「エネチャージ」を搭載。こちらのWLTCモード燃費はFF車が25.2km/Lで、4WD車が23.5km/Lとなっています。

プラグインハイブリッド車(PHEV) 人気ランキング トップ3

外部電力を充電して走ることができるのがプラグインハイブリッド車。その人気ランキングはどうなっているでしょうか?2023年4~9月の新車販売台数ランキングを基に推測してみます。

第1位 トヨタ「プリウス プラグインハイブリッド」

第1位 トヨタ「プリウス プラグインハイブリッド」

現行型トヨタ「プリウス」のプラグインハイブリッドモデルは、ハイブリッド車に少々遅れて2023年3月に登場。パワーユニットは新開発の「2.0Lプラグインハイブリッドシステム」で、システム最高出力は従来型比の約2倍となる223ps。0-100km/h加速6.7秒というかなりの動力性能を確保しつつ、19インチタイヤ装着車は26.0km/L、17インチタイヤ装着車は30.1km/Lの低燃費を実現。EVモードでの走行距離は19インチタイヤ装着車でも87kmで、17インチタイヤ装着車では従来型比から75%向上した「105km」を達成しています。

第2位 トヨタ「RAV4」

第2位 トヨタ「RAV4」

トヨタの人気SUV「RAV4」は、当初は独立したモデルとして「RAV4 PHV」というプラグインハイブリッド車をリリースしましたが、現在は「RAV4 Z」という車名およびグレード名に変更されています。

RAV4 Zは2.5L直4エンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたもので、車両の前後にそれぞれモーターを搭載。システム最高出力は306psとなり、0-100km/h加速が6.0秒というかなり優れた加速性能を実現しています。

また新開発のバッテリーにより最大95kmものEV走行が可能で、ハイブリッド燃費も22.2km/Lと優秀。満充電までにかかる時間は、200Vであれば約5時間30分、100Vであれば約27時間です。

第3位 三菱「アウトランダーPHEV」

第3位 三菱「アウトランダーPHEV」

以前からプラグインハイブリッド車としての資質を高く評価され続けている三菱の中型SUV。高効率な2.4Lエンジンを搭載した上で、前後輪それぞれに独立した高出力モーターを搭載。これを自在に制御することで、驚くほど滑らかな走りが実現されています。

また大容量バッテリーにより、EV走行距離はWLTCモードで83~87km。遠出をする場合はさておき、日常のほとんどの用事はエンジンを動かさずに済ませることが可能なレベルです。

普通充電で満充電にするまでにかかる時間は約7.5時間で、80%までの急速充電であれば約38分でOK。そして車載の100V電源から最大出力1,500Wの給電も行えるため、これがあればアウトドアでも炊飯器やホットプレートなど、消費電力の大きい家電を普通に使うことができます。

専門家がおすすめするハイブリッド車 ベスト5

ガソリン車よりも価格が少し高めになる場合が多いハイブリッド車は、「デザインが良い」など、省燃費性能以外の美点も欲しいところ。そういった条件も加味した「専門家がおすすめするベスト5」をここに発表します。

第1位 日産「ノート オーラ」

第1位 日産「ノート オーラ」

エンジンは発電のためだけに使い、エンジンが作った電気で駆動モーターを働かせるシリーズ方式のハイブリッド「e-POWER」はもはや日産のお家芸ですが、そんな日産e-POWER車の中でも特におすすめしたいのがこちら。コンパクトカーである「ノート」のボディを若干拡大し、各部をより上質なニュアンスとしたシリーズハイブリッドのプレミアムコンパクトです。

第二世代となったe-POWERユニットはノートより高出力化が図られパワフル。何よりも静粛性が向上し電動ドライブ感が増しています。インテリアも、15工程を経て作り出される木目調パネルやツイード調織物表皮など、プレミアムコンパクトとしての上質感はなかなかのもの。それでいて2WD車のWLTCモード燃費は27.2km/Lと、十分以上に優秀です。

第2位 トヨタ「シエンタ」

第2位 トヨタ「シエンタ」

トヨタ 「シエンタ」は、2003年9月に初代モデルが誕生した5ナンバーサイズのミニバン。2022年8月に登場した3代目(現行型)は、1.5L直3ガソリンエンジンも用意されていますが、注目はトヨタ得意のTHS-II(プリウスなどと同じシリーズ・パラレル方式のハイブリッドシステム)を採用しているハイブリッド版。

いわゆる“刺激”のようなものはあまりない車ですが、さすがにこのシステムは熟成されつくしており、普段使いには十分な力強さと癖のないフィーリング、静粛性の高さ、そして経済性等に満ちあふれています。ちなみに2WD車のWLTCモード燃費は28.2km/Lです。

そして車全体として見ても、デザインは内外装ともにしゃれていて、シートアレンジの容易さも驚異的なレベル。「普段使いのミニバン」としては言うことなしの1台です。

第3位 ホンダ「フィット RS」

第3位 ホンダ「フィット RS」

ホンダ「フィット」は、ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」により、競合以上に広々とした車内空間を備えているコンパクトカー。現行型は1.5Lガソリンエンジンのほか、e:HEVという2モーター式ハイブリッドをラインナップしています。

そんなフィットの「RS」は、2022年10月のマイナーチェンジで追加された新しいグレード。スポーティーなビジュアルや専用サスペンション、「NORMAL」「ECON」「SPORT」の3つから走行モードを選択できるドライブモードセレクトなどを採用しています。

といっても過去のフィットRSのようなゴリゴリのスポーティーグレードではなく、すべてのフィーリングは「ノーマルグレードよりも上質」という感じです。その上質さは、e:HEVのフィーリングとよくマッチしています。

第4位 トヨタ「プリウス プラグインハイブリッド」

第4位 トヨタ「プリウス プラグインハイブリッド」

家庭で充電できるプラグインハイブリッド車は当然ながら「エコで経済的な乗り物」ではあるのですが、現状においては「それに加えて“スペシャル感”も満点な乗り物」であるような気がします。値段はちょっと高いのですが、その分だけ普段づかい用の車より走行性能もイメージも良好である――ということがけっこう重要なのです。

そういった意味でいうと、0-100km/h加速6.0秒というスポーツカー並みの加速性能を有しつつ、EVとしてモーターだけで105kmも走れてしまう(※17インチタイヤ装着車の場合)現行型プリウスのプラグインハイブリッドは「とにかくスペシャルな乗り物が欲しい!」という欲求を満たしてくれそうです。

そしてこれはハイブリッド車でも同じではあるのですが、「他の車にはない流麗で独特なフォルム」も、プリウス プラグインハイブリッドの大きな魅力であると考えます。

第5位 スズキ「ソリオバンディット」

第5位 スズキ「ソリオバンディット」

マイルドハイブリッドの中では、スズキのコンパクトハイトワゴン「ソリオ」の上級ラインである「ソリオバンディット」がおすすめとなります。

パワーユニットは、1.2Lのガソリン直4エンジンをリチウムイオンバッテリーとISG(モーター機能付き発電機)がサポートするというもの。そのサポート力はストロングハイブリッドほどの強さはないのですが、マイルドハイブリッドシステムのおかげでこの車、アイドリングストップからのエンジン再始動がきわめてスムーズで心地よいのです。

そして車全体としても走りの良さはクラストップレベルで、内外装デザインも、いわゆるカスタム系ですが、上品なイメージでまとまっています。「実用的で安価で、しかし上質なニュアンスの車」を探している方には大いにおすすめできます。

ハイブリッド車の適切な選び方と注意点

ハイブリッド車の適切な選び方と注意点をイメージした画像

最も基本的な注意点としては「ストロングハイブリッド」と「マイルドハイブリッド」、そして「プラグインハイブリッド」という3つの方式(タイプ)を頭の中でしっかり区別することでしょう。
繰り返しになりますが、ストロングハイブリッドは「モーターのみでの走行もできるタイプ」で、マイルドハイブリッドは「モーターはアシストするだけで、モーターのみでの走行はできないタイプ」、そしてプラグインハイブリッドは「外部電力から充電できるストロングハイブリッド」です。

しかし現在販売されているマイルドハイブリッド車のグレード名は単純に「ハイブリッド○○」となっている場合も多いため、それをストロングハイブリッドと勘違いしないようご注意ください。

自宅に充電設備を設置できるならプラグインハイブリッド

プラグインハイブリッド車は、家庭用のコンセントやプラグでは充電できないため、専用の充電設備を自宅に設置する必要があります。まぁ理論上は「常に近隣の急速充電スポットで充電する」ということもできなくはありませんが、現実的には不可能といっていいでしょう。しかし自宅に充電設備を設置可能な人であれば、夜間電力で経済的に充電できるプラグインハイブリッド車に注目しない理由はありません。

「いいとこ取り」を狙うならストロングハイブリッド

そのほかでは、同じストロングハイブリッド方式の中でのタイプ(方式)の違いには、さほどこだわらなくてもよいかとは思います。ひと昔前のホンダが使っていた「IMA」というパラレル方式のストロングハイブリッドは正直やや貧弱でしたが、現在のホンダが採用している「e:HEV」というシステムは、トヨタの「THS-II」や日産の「e-POWER」と同等または同等以上です。

それらの中でも「とにかく燃費が良いTHS-II」と「パワフルなe-POWER」「いいとこ取りなe:HEV」といった個性はありますが、いずれのタイプを選んだとしても、電気モーターならではの力強さと、複数の動力源を適切に使うことによる省燃費性能の両面を味わえるはずです。

とはいえ、ストロングハイブリッド車の省燃費性能が高いことは確かですが、その分だけ車両価格も若干高くなっているのが一般的です。購入時は燃費の数字だけでなく、「車両価格」や「運転のしさすさや面白さ」などの条件も加味しながら、総合的に判断するようにしてください。

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【まとめ】ハイブリッド車にはデメリットよりもメリットのほうが多い

「重くなる」「高くなる」などのデメリットがハイブリッド車にあることは事実ですが、それでも、その方式を問わず「燃費性能が向上し、なおかつ力強くもなる」というメリットは、車を所有する上では非常に重要なポイントです。マイルドハイブリッド車は「燃費性能の向上は“少々”のレベルでしかない」という現実もありますが、それでも、やはりモーターのアシストがあるとアイドリングストップからの再始動は格段にスムーズになります。
どの方式であるかにかかわらず、やはりハイブリッド車というのは大注目してしかるべき選択肢なのです。

よくある質問

Q1:ハイブリッド車にはどんな種類がありますか?

A:モーターだけで走行できる「ストロングハイブリッド」と、モーターはアシストするだけの「マイルドハイブリッド」、充電できるストロングハイブリッドである「プラグインハイブリッド」の3種類があります。そしてストロングハイブリッドも、その中で何種類かのタイプに分かれています。

Q2:ハイブリッド車のメリットとデメリットは?

A:ハイブリッド車に乗ることのメリットは「燃費が良い」「静粛性が高い」「エコカー減税が受けられる」「モーターもついているので力強い」などが挙げられます。逆に「車両価格は高め」「高速道路ではそれほど燃費が伸びない」などのデメリットもあります。

Q3:ハイブリッド車を選ぶときに注意すべきことは?

A:モーターだけでの走行はできないマイルドハイブリッド車も、車名(グレード名)は「ハイブリッド○○」などと表記されている場合がありますので、そこはご注意ください。またプラグインハイブリッド車は、基本的には自宅に充電設備がないと、あまり意味をなさないタイプです。

※この記事は2023年11月時点の情報で制作しています

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